自社でECサイト運営を始めてみたものの、思うように集客できずに悩んでいませんか?ECサイトを立ち上げても、訪問者がいないと売り上げにはつながりません。すでに知名度やブランド力がある場合は別ですが、ただ待っているだけでは集客できないため、さまざまな施策を打つ必要があります。
そこで本記事では、どうすればECサイトへの集客ができるのか、具体的な集客施策やポイントについて解説していきます。
ECサイトにとっての集客の重要性とは?
ECサイトを運営するにあたって、集客は非常に重要な要素であり、EC運営の成功には、集客できるか否かは大きな鍵となります。そこで、集客の重要性や難しさを解説します。
売り上げに直結する要素
ECサイトを立ち上げたばかりの頃は、集客に注力していく必要があります。認知度が低い時期にはオーガニック検索(Googleなどの検索エンジンで表示される検索結果のうち広告枠を除いたもの)からの流入があまり見込めません。そのため、いかにユーザーにアクセスしてもらいECサイトの売り上げを増やしていくかが重要です。
ECサイトでの売り上げは
「売り上げ=訪問者数×購入率×客単価」
という方程式で算出できます。
そのため、ECサイトの売り上げを増やすためには、以下の3つのポイントが重要です。
- サイトの訪問者数(見込み客)を増やす
- 訪問者のうち商品購入に至る割合を増やす
- 訪問者の購入単価を上げる
「集客が増える」=「売り上げにつながる」ともいえるため、キャンペーンなど活用し、集客していくことが大切です。
ECサイトで集客をするのは難しいのか?
自社が運営するECサイトでは、はじめから満足の行く集客をするのはかなり難しいといえます。しかし、例えばAmazonや楽天などの大手モール型ECサイトであれば、モール自体の集客力を借りることができるため、自社サイトの集客よりも集客が見込めるでしょう。
大手モールに出店していれば、はじめからある程度の集客が見込めるため、その分売り上げにもつながりやすいです。一方、自社が運営するECサイトの場合は、訪問者数もはじめは少なく、商品を出品するだけではユーザーに気づいてもらえない可能性は非常に高いでしょう。そのため、いかにユーザーの目に留まる機会を増やし、興味を持ってもらうための施策を取れるかが重要です。
ECサイトで活用したい集客施策7つ
ECサイト運営においての集客の重要性を理解していただけたかと思いますが、なかなかうまく集客できず悩んでいる方もいるのではないでしょうか?ここからは、ECサイトで活用したい効果的な集客施策を紹介します。
①リスティング広告
Google検索の最上部に表示される広告をリスティング広告といいます。ユーザーが検索したキーワードに対し、関連した広告が表示される仕組みの広告です。そのため、もともとユーザーは興味・関心のあるキーワードを検索しているため、見込み客になる可能性が高く、確度の高いユーザーをターゲットに広告を配信できます。また、リスティング広告は、ユーザーがクリックするごとに費用が発生する課金制のため、初期費用も低く、比較的安い価格から広告掲載を始めることができます。
リスティング広告のメリット
- 見込み客にアプローチしやすく、即効性が期待できる
- 運用開始までの期間が短く始めやすい
- データを確認しながら施策ができる
リスティング広告は、広告を表示させるユーザーを細かく指定できるため、即効性が期待できる広告です。Googleの審査に通ればすぐに運用が始められ、集客結果などのデータの確認も広告アカウントから簡単に行えます。ECサイトを立ち上げたばかりの初期の集客方法として、リスティング広告は多く利用されています。
リスティング広告のデメリット
- Webマーケティングについてある程度の知識が必要になる
- 見込み客以外にはアプローチしにくい
リスティング広告は、どのようなキーワードで広告を表示させるのかを考えることが非常に重要となります。そのため、キーワードを選定するために、Webマーケティングなどの知識がある程度必要です。
また、ユーザーが検索しないと広告を見てもらえないため、見込み客以外にはアプローチしにくいといったデメリットもあります。
主要モールでの広告については以下の記事でそれぞれ詳しくご紹介しています。
②アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、広告主の商品やサービスをアフィリエイターが紹介して販売する広告形態です。ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)が広告主とアフィリエイターを仲介します。アフィリエイト広告は成果報酬型の広告であり、目標が達成されたときに広告費が発生するため、無駄な出費がありません。
ただし、アフィリエイターに自社の商品を紹介するメリットを感じてもらえないと紹介してくれない可能性があります。そのため、報酬単価を納得のいく価格で設定するなど、紹介してもらう工夫も必要です。
アフィリエイト広告のメリット
- 費用対効果の高い成果報酬型を導入していること
- 広告だけでなく、SNSの拡散も狙えること
アフィリエイト広告は、アフィリエイターが自分のブログやサイト、SNSで商品を紹介してくれます。第三者視点での紹介になるため、企業から発信する明らかな宣伝に見えにくいのもメリットです。
また、ASPの利用料こそかかりますが、ほかの広告に比べて費用面の負担が少ないのもメリットといえるでしょう。
アフィリエイト広告のデメリット
- 固定費用がかかる
- 意図した訴求ができない可能性がある
アフィリエイト広告は成果報酬のため、費用を抑えて運用することが可能です。ただアフィリエイト広告を運用する場合、ASPを利用することが多く、初期費用と月額費用がかかります。そのため、毎月コストがかかる点はデメリットといえるでしょう。
また、アフィリエイト広告の場合、顧客への訴求内容はアフィリエイターに任されます。そのため、自社が意図した内容とは違う方向性で訴求される可能性もあり、思うような集客につながらない可能性もあるため、注意が必要です。
③ディスプレイ広告
画像や動画を使い、視覚的に自社の商品をアピールできる広告です。広告枠を設けているWebページに表示されるため、見込み客に限らず潜在客もターゲットにできる広告といえます。視覚的にも目立つため、目に留まりやすく、幅広いユーザーに対して商品の認知を促せるでしょう。費用面については、クリックすると課金される「クリック課金制」や広告がユーザーに表示されることで課金される「インプレッション課金制」が一般的です。
ディスプレイ広告のメリット
- ターゲティングの種類が豊富で、潜在客にも効率的に宣伝ができる
- リマーケティングか可能
- 広告にかかる費用を調節しやすい
ディスプレイ広告はターゲティングの種類が豊富です。性別や年齢といったユーザーの属性や配信地域、興味関心を選択して広告対象のターゲットを選ぶことができます。
なかにはまだ課題に気付いていないユーザーもいれば、悩みを持っていても具体的な解決行動に移していないユーザーも多く、そのような潜在的なユーザーに対しても幅広くアプローチし、認知度を高められる広告といえるでしょう。
また、ディスプレイ広告はリマーケティングも可能です。自社の商品を一度検索したユーザーなどに再度訴求できるため、より購入につながりやすい効果的な広告運用が可能です。
広告費用の上限も決められるため、コストを抑えられるのもメリットといえるでしょう。
ディスプレイ広告のデメリット
- 誤クリックや対象外のユーザーによるクリックが多め
- 購入につながりにくい
多くのサイトに掲載され、視覚的にも目立つため、クリック率が高くなり広告費が増えてしまうことがあります。また、広告枠も比較的大きいことが多いので、ユーザーが誤ってクリックしてしまうこともあるでしょう。
また、リマーケティングを除いて、ディスプレイ広告のターゲットは潜在層のユーザーが多いため、購入につながりにくいといったデメリットもあります。ただし、認知拡大には効果を発揮しやすい広告のため、その広告特性を考慮し利用しましょう。
④コンテンツSEO
サイトやサイト内にあるコンテンツをGoogleなどの検索結果上位に表示させ、ユーザーに認知してもらう方法です。SEOは「検索エンジン最適化」とも呼ばれています。おもなターゲットは検索したキーワードに興味を持っているユーザーになり、いかにニーズに合わせたコンテンツを作れるかどうかが大切です。
コンテンツSEOのメリット
- リスティング広告との相性がよく、上位表示できれば中長期的な集客が見込める
- 上位表示されているコンテンツが増えれば、安定的な集客につながる
コンテンツSEOは、作成した分だけサイト内に蓄積されるため、それが資産となり中長期的な集客を目指す集客方法です。そのため、すぐには結果がでないことが多いですが、上位表示されるコンテンツが増えれば安定した集客を中長期的に見込めます。初期のリスティング広告との相性もよいので、両方を合わせた手法を用いることで、より効率的な集客を見込める可能性があります。
コンテンツSEOのデメリット
- 専門的な知識を必要とすること
- 効果が出るまでに時間がかかる
コンテンツSEOで効果的な集客を行うには、対象のキーワードで上位表示される必要があります。しかし、上位表示の難易度はキーワードにより変動し、競合他社も狙っているようなビッグキーワードは難易度は高くなります。
そのため、上位表示を目指すには、SEOに関する専門的な知識が必要となり、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツ作りが必要となります。
また、作成したコンテンツがGoogleなどの検索エンジンに評価されるには、少し時間がかかります。Web上に公開してすぐに評価されるわけではないため、長期的な運用が必要となる集客方法です。
⑤SNS運用
TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSを使って集客を促す方法も効果的です。SNSは多くの人に見てもらいやすいため、トレンドに敏感な見込み客や潜在客をターゲットにしやすい媒体といえます。SNSでは比較的企業とユーザーの距離を縮めやすく、ユーザーの声を直接リアルタイムで聞くこともできます。
SNS運用のメリット
- 見込み客と潜在客の両方をターゲットにできる
- 広告っぽさを感じにくく自然に配信できる
各SNSそれぞれで特色が異なりますが、全般的には見込み客や潜在客にもアピールしやすく、ユーザーの投稿などを分析することで精度の高いターゲティングも行えるため、効果的な集客を行いやすい手法です。
また、ほかのユーザーの投稿が表示されるタイムラインに自社の投稿が表示されるため、ユーザーの投稿に馴染みやすく、広告感をあまり感じられずユーザーに見てもらうことが可能となります。
無料で始めることができ、共有や拡散の機能を通してさらに認知度を高め、コミュニケーションツールとしても使うことができます。
SNS運用のデメリット
- 専門的な知識が必要になる
- 定期的な投稿が必要になるためリソースが必要となる
SNS運用で集客を成功させるには、自社の商品のターゲット層が比較的多く利用しているSNSでPRを行う必要があります。そのため、ユーザー層の分析など、専門的な知識が必要になるでしょう。
また、フォロワー獲得のために定期的な投稿が必要になるため、相応のリソースが必要になる点もデメリットといえます。
⑥メルマガ
メルマガ(メールマーケティング)は、メールの購読をしているユーザー向けに宣伝を行う方法です。すでに自社の商品やサービスに興味関心のある人がターゲットになることが多く、効果的なアプローチがしやすいこと、顧客を育てることにもつながり、購入頻度を高められます。
メルマガのメリット
- 購入につながる可能性が高くリピートを促せる
- 配信対象や配信時間を細かく設定できる
古いマーケティングの方法と思われがちですが、顧客を育てる方法としてメルマガは今でも有効な手法です。継続的な関係を顧客と築きながら、リピートにつなげていきます。メルマガでは配信対象を細かく設定できるので、年齢や性別はもちろん、新規・既存顧客などにも分けられます。配信時間の設定もできるため、開封率が高い時間帯などを設定することで、より多くの顧客に商品などを誘致できるでしょう。
メルマガのデメリット
- 文章力が必要になる
- 迷惑メールと認識されることがある
メルマガを活用し効果的な集客を得るためには、文章で人の心を動かし行動を促すコピーライティングのスキルが必要になることがあります。また、場合によっては迷惑メールと認識され、顧客まで届かないケースもあります。そうなると、どれだけよい文章を書いても、効果を得られないため、件名を空欄にしないといった基本的なこと以外にも、適切な配信頻度に抑えるなど、迷惑メールと認識されない工夫をすることが有効です。
⑦LINE
先ほど紹介したSNSの一種ですが、LINEを活用した集客もECサイト運営には有効です。近年では、LINEを使っている人も多いため、多くのユーザーに商品などを誘致できる可能性があります。また、ユーザーが情報を得るためにLINEの友だち追加をするということは、自社に興味のあるユーザーである可能性が高いため、より確度の高いユーザーに情報を発信できるでしょう。
LINEのメリット
- 無料で気軽に始められる
- 開封率が高く見てもらいやすい
- 顧客とのコミュニケーションツールとしても活用できる
上記でも記載しているとおり、自社のLINEアカウントを友だち登録するということは、商品やサービスなどに興味を持っている可能性が高いため、メッセージの開封率が高い傾向にあります。
また、LINEからの問い合わせを可能にすれば、顧客とのコミュニケーションツールとしても使用でき、LINEを使い慣れている人が多い現代人にとっても利便性がよくなるでしょう。
無料で始められるので広告として気軽にスタートできる点もメリットです。
LINEのデメリット
- 登録してもらうハードルが高い
- 拡散性が高くない
LINEでユーザーにメッセージを送信するためには、友達登録をしてもらう必要があり、登録のハードルが高いことがデメリットとして挙げられます。そのため、ECサイトなどにリンクを設置するなど、いかに登録を促せるかがポイントです。
また他の多くのSNSと違い、拡散性に弱い点もデメリットといえます。メルマガのように、特定の顧客を優良顧客に育てていくには効果的な手法といえますが、多くのユーザーに認知してもらうことを目的とする場合は、不向きな可能性があるため注意が必要です。
LINEを使った単品通販については以下の記事で解説しています。こちらもご参考ください。
ECサイトで集客を成功させるポイント
ECサイト運営を成功させるためには、短期的な視点だけでなく中長期的な集客も必要です。そこでここからは、上記で紹介したような集客手法を活用し、ECサイトへの集客を成功させるためのポイントについて紹介します。
予算配分を最適化する
ECサイトに集客を促す広告は、限られた予算のなかでいかに効率的な施策を行えるかが重要です。そのため、自社の状況にあわせて最適な広告を選択し、予算を割くことが求められます。
例えば、ユーザーへの認知を目的とする場合は、ディスプレイ広告やSNS運用がおすすめです。逆にある程度認知されており、購入を目的とする場合は、LINEやメルマガ、アフィリエイト広告などが有効です。
限られた予算をどの広告に割くのか、自社の状況にあわせて配分を最適化して、広告運用を行いましょう。また、短期的ではなく中長期的な観点で予算を決めておくことも大切です。
ターゲットを明確にする
ターゲットの明確化は非常に重要です。どのような人に対して商品やサービスを販売したいのかを明確にし、その人に情報を届けやすい方法で集客を促しましょう。顧客の性別や年齢層、住んでいる地域や趣味嗜好など、できるだけ細分化したターゲティングを行うことで、広告を出稿する媒体を決めやすくなります。
ECサイト運営を外注してノウハウを学ぶ
ECサイトへの集客するハードルが高いと感じたら、無理に運営するのではなく外注も検討してみましょう。コンサルティングや運営代行であれば、ECサイトの立ち上げはもちろん集客の課題解決などを一通り任せられる分、自社の従業員は新商品開発などのコア事業に集中できます。
また、外注することで運営方法のコツやノウハウを学べることもあるため、長期的に見ても効果的な手法といえるでしょう。
コンサルティングやEC運営代行を利用するメリットなどについては、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:
「ECコンサルタントに依頼するメリットとは?コンサルティングの種類や費用相場なども紹介」
「EC運営は委託するべき!?EC運営を委託するメリットとデメリット・費用相場などを解説」
まとめ:ECサイト集客を適切なコストで効果的に行おう
ECサイトを作り、ただ待っているだけではお客様は来ず、売り上げを伸ばすことはできません。まずは集客に必要な施策を行い、短期的・中長期的に安定した集客を得られるよう、広告などを活用しながら対策を行いましょう。効果的な集客を得るためには、ターゲットを明確にするのはもちろん、どこに予算をかけるのかを具体的に考えていくことも必要です。
自社内では運用がうまくいかないという場合は、外注を上手に活用しながらノウハウを身につけ、ECサイト運用に活かしていくとよいでしょう。
また、ECビジネスについてあらためて基礎をおさらいという方は、以下の資料も参考にしてみてください!
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