楽天広告の種類・費用は?選び方や運用のポイントを解説!

楽天市場に出店したものの、アクセス数や売り上げがなかなか思うように伸びずに悩んでいませんか? そんなEC事業者の方におすすめなのが楽天広告です。

楽天広告を利用してみたいとは思っているけど、たくさん種類があって、どれを運用したらいいかわからない!

そんなお声にお応えして、本稿では楽天広告の種類や費用、自社に合った選び方や運用のポイントを解説します。

楽天店舗運営でなぜ広告が大切なのか

具体的な楽天広告の種類の説明に入る前に、まずなぜ楽天広告がアクセス数や売り上げを増やすために重要となってくるのかを押さえておきましょう。

ECの売り上げを因数分解すると、以下の公式で表わすことができます。

売り上げ=アクセス人数×購入率×客単価

売り上げを伸ばすには、アクセス人数、購入率、客単価、すべての項目が影響しあうため、どれも軽視できませんが、広告の配信によって効果が出やすいのは「アクセス人数」です。

そのため、売り上げの伸び悩みが課題なら、楽天広告を利用してアクセス人数を増やすことができれば、上記の公式にあるように、売り上げを伸ばすことができるのです。

また、広告運用では自社のROAS(Return On Advertising Spend/広告の費用対効果)の基準を決めておくと、どの広告が適しているか決める際に役立ちますのでおすすめです。

ROASについては以下の記事で解説していますので、ぜひご参考ください。

楽天広告のタイプ

楽天広告の種類はたくさんありますが、大きく「成果報酬型広告」と「掲載型広告」に分けることができます。

成果報酬型広告

※各項目ごとの表は後述の各項目の解説段落でもご覧いただけます

成果報酬型広告とは、クリックやクーポンコードの取得など、実際の成果に応じた費用が発生するタイプの広告です。

具体的には「RPP広告」、「クーポンアドバンス広告」、「楽天CPA広告」、「ターゲティングディスプレイ広告」が挙げられます。

費用が発生するのは何らかの成果が出た後になり、余分な料金がかからず、費用対効果がわかりやすいといえます。

掲載型広告

掲載型広告とは、パソコンやモバイルサイト上の広告枠に一定期間広告を表示するものです。ディスプレイ広告とも呼ばれ、楽天市場のトップページやイベント・特集ページなど、目立つ場所に掲載されます。

掲載場所や期間によって費用が決められており、基本的に固定費用が発生します。また、広告データの入稿作業も必要になります。

街の看板広告など一般的な広告掲載イメージと近いといえるでしょう。

楽天広告では「楽天市場広告」や「特別大型企画」広告が該当します。

楽天広告のそれぞれの特徴は?費用やメリット・デメリットは?

大まかな分類を把握できたところで、楽天広告それぞれの特徴と費用、メリット・デメリットを見ていきましょう。

成果報酬型

RPP広告(検索連動型広告)

※楽天市場画面よりキャプチャ後編集しています

RPP広告(検索連動型広告)とは、楽天出品商品の中から、ユーザーの検索キーワードと関連性の高い商品を楽天側で自動で選出し、楽天市場内外で配信される広告です。

ユーザーの検索に紐づいた広告が掲載されるため、購入意欲の高いユーザーに対して低価格でアプローチできる点がメリットです。

費用は1クリック10円からとなっており、クリック発生時に課金されます。月額の広告予算を設定できるため、予算を超えてしまう心配もありません

また、RMSに登録されている商品情報に連動しているため、広告の原稿を新たに作成し入稿する必要がなく、手間がかからないため、初めて楽天広告を利用する店舗におすすめです。

ただし、いつ・どのタイミングで掲載されるかは店舗側では指定することはできません。人気のキーワードの単価は高くなる傾向にあるので注意が必要です。

クーポンアドバンス広告(運用型クーポン広告)

※楽天市場画面よりキャプチャ後編集しています

クーポンアドバンス広告とは、楽天IDでログインしているユーザーに対して、「クーポンが使えるおすすめ商品」や「あなたにおすすめのクーポン」として検索画面の目立つ場所に表示されるクーポン付き広告のことです。

ユーザーがクーポンを獲得した時点での課金費用と、ユーザーが購入した際の割引費用がかかりますが、値引き率は4%から店舗側で設定することができます。

ユーザーの過去の購買・閲覧・お気に入りデータやユーザーが検索したキーワードをもとに購入意欲の高いユーザーを選定して表示されるため、確度の高いアプローチをすることができるのがメリットです。クーポンを配信する商品の指定や除外も可能です。

デメリットとしては、クーポンの割引費用が店舗側の負担となるため、入札単価と合わせるとRPP広告に比べて費用が高くなりやすいことです。ただ、RPPでの入札価格が高騰しているキーワードでは、クーポンアドバンス広告のほうが割安になることもあります。

なお、店舗によっては既に発行しているクーポンとの調整が必要になるため、注意が必要です。

楽天CPA広告(効果保証型広告)

※楽天市場画面よりキャプチャ後編集しています

季節の特集ページやお買い物マラソンなどの大型セールに適した商品が選定され、ジャンルトップページや特集・イベントトップページの「おすすめピックアップ」、楽天メールマガジンのページなどに掲載される広告です。

掲載広告経由での売り上げに対して20%の料金が発生する仕組みで、「RPP広告」や「クーポンアドバンス広告」と異なり、クリック課金ではなく、購入(売り上げ)につながったものだけに広告費用が割け、ROAS 500%が保障されています。ただし、その分広告費としては割高なのがデメリットです。

RPP広告とクーポンアドバンス広告と同様に入稿の手間が不要です。

なお、配信先の指定はできないため、どのページに掲載されるかは店舗側はコントロールできません。

ターゲティングディスプレイ広告

ターゲティングディスプレイ広告とは、店舗側が指定したユーザーセグメント(年齢や性別といった属性、閲覧・購入履歴などの区分で分けた集まり)に対して表示するバナー広告のことです。掲載場所は閲覧履歴や、ランキング、商品レビューページなど随時更新されています。

Vimp(ビューアブルインプレッション)課金方式という、広告の50%以上がユーザーに1秒以上表示された際、設定された配信単価に応じて課金される仕組みです。

費用は0.75~10円/Vimpの入札制となっており、最低予算は5万円からです。

RPP広告などのクリック課金方式とは異なり、広告の表示で費用は発生しますが、画面スクロール中に一瞬表示されるようなケースは除外されるため、無駄のない広告運用が期待できます。

また、店舗側がアプローチしたいセグメント条件で配信ができることと、広告データ入稿が必要な分、目的に応じた自由なデザインで作成ができることがメリットとして挙げられます。

掲載型広告

楽天市場広告

楽天市場広告とは、楽天市場のトップページやジャンルページなどに一定の期間掲載される広告のことです。

広告デザインも自社の意図に合わせて作成できるため、認知度を高めたいブランドや商品について幅広いユーザーにアプローチできるのがメリットです。また、成果報酬型広告と異なり、入稿すれば必ず指定の期間に指定の枠で掲載されます。

デメリットとしては、成果報酬型広告と異なりターゲットが絞られていないため、流入するユーザーは購入意欲が必ずしも高くなく、費用対効果を合わせるのが難しい点です。

特別大型企画

特別大型企画には「大口予算枠」と「超目玉枠」があり、どちらも広告予算に余裕があり、既に売上実績のある店舗向けの広告です。

大口予算枠は楽天市場広告と同様に固定課金制で、楽天スーパーセールやお買い物マラソンなどの期間に掲載される、200万円以上の広告枠です。

広告予算が高額なため対象となる店舗は限られますが、楽天スーパーセールやお買い物マラソン中には、いつも楽天市場を利用しないユーザーも来店するため、短期間で売り上げにつながる点がメリットです。楽天側から調整が入るため、希望の広告枠に出稿できないこともあります。

超目玉枠は楽天が開催するイベントを盛り上げるための協賛商品が掲載される「広告費が無料」の広告です。

楽天の大型イベントは店舗の多くが割引やポイントアップに参加することで成立しているため、力のある店舗に協力してもらいたい楽天運営側の事情があります。

そのため、割引セールを実施するなどの一定の条件で、超目玉枠の広告枠を無料で提供します。ただ、掲載は過去の売上実績などで楽天が選定するため、必ず掲載できるとは限りません。

なお、楽天SKUプロジェクト移行後の広告入稿については、今までの商品単位での入稿に加え、SKU単位でも入稿できるようになっています。一部の広告枠では、SKU間で価格が差がある場合、商品単位では入稿できない場合がありますのでご注意ください。

SKUプロジェクトについては以下の記事で解説しています。

自社に合った楽天広告の選び方

どの広告を選ぶか迷ったら、まずは自社の状況に合わせるのがおすすめです。

また、取り扱っている商品が、食品や単価が安い、もしくは購入頻度の高い商品であれば、衝動買いされる傾向があるため、掲載型広告も向いています。

一方、家電やブランド品など購入頻度の低い商品は、目的を持って検索して購入に至ることが多いため、成果報酬型広告が効果的です。

店舗の状況に合わせた広告を選ぶ

はじめたばかり・楽天広告を初めて利用する場合

楽天市場に出店したばかりであったり、楽天広告を初めて利用するなら、低予算ではじめられ、広告データの入稿なども不要な成果報酬型広告が適しているでしょう。

月額の予算も設定できるため、広告費の把握も簡単ですし、既に商品購入を検討しているユーザーに向けた広告のため、広告費ばかりかさんでアクセス人数増加や売り上げにまったくつながらない!ということも避けられます。

とくに初めて楽天広告を利用するなら「RPP広告」がおすすめです。

売り上げ拡大中・新たな層にアプローチしたい場合

店舗の売り上げが拡大している時期であれば、広告の予算を戦略的に確保し、成果報酬型広告に加えて、楽天市場広告も出稿していきましょう。

幅広い層に向けた広告を掲載することで、自社のブランドや商品の認知を高め、新たなユーザー層にアプローチできます。

まとめ|自社に合った楽天広告運用で売上UP!

楽天広告の種類や費用といった解説をしましたが、自社に楽天広告のどの広告が向いているかイメージが湧いてきましたでしょうか?

楽天広告にはそれぞれに特徴があり、

  • 広告予算や店舗の売り上げなど自社の状況
  • 取り扱い商品のタイプ

などを把握してから自社の状況にあった広告を選び、運用することが大切です。

EC運営はシステム導入でもっとラクになる!

楽天広告の運用でアクセス数を増やし、売り上げを伸ばすことができるようになると、事業者様によっては、注文の増加に受注処理や発送が追い付かなくなってしまうケースもあります。

売り上げが増えてもスタッフが疲弊してしまっては、さらなる挑戦に向かうことができません。

そんな事業者の皆様におすすめしたいのが、EC運営の受注管理や在庫管理、商品登録などをぐっとラクにしてくれるEC一元管理システムの導入です。

一元管理システムやOMSのサービスについては以下の記事でも紹介しています。

楽天市場との連携もスムーズ!EC一元管理システムならネクストエンジン

さまざまなシステムがあるなかで、EC一元管理システム「ネクストエンジン」はEC事業者の皆様の運営をもっとラクにする機能が充実しています。

おもな機能は以下のとおりです。

など

対応モール・カートは楽天市場やアマゾンといった主要モールはもちろん、多くのモール・カートに対応していますので、これから多店舗運営を目指す方にも安心してお使いいただけます。

楽天市場との連携もスムーズに行えますし、楽天RSLをご利用中であれば、ネクストエンジンとRSLを連携させることで、楽天以外の店舗で販売した商品もRSLから発送可能になります。

また、気になる楽天SKUプロジェクトについても対応しておりますので、移行された方も各機能をご利用いただけます。楽天SKUプロジェクトに関しては以下の記事でも詳しく解説しています。

ネクストエンジンの概要については以下から無料でダウンロードできますので、ぜひお気軽にご覧ください。

【本記事の監修者】

戸田 成章
NE株式会社 コンサルティング事業部 ソリューションパートナー部 マネージャー

2013年よりWEB制作およびEC支援の企業で5年勤め、2018年Hameeコンサルティング㈱に入社。シニアコンサルタントとして中小〜大手企業様と幅広くコンサルティングを担当し、200店舗以上の実績を持つ。

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