領収書作成などの業務を効率化するために、Web領収書の導入を進めたい方や、導入するにあたってメリットやデメリットをしっかりと比較し検討したい方はいらっしゃいませんか?
本記事では、Web領収書の導入を検討しているEC事業者向けに、Web領収書を導入するメリットや注意点を解説します。
なお、インボイス制度については「インボイス制度を簡単に解説!ECサイト運営者や個人事業主への影響解説も」で解説しています。
Web領収書とは?
まずはWeb領収書の基礎知識についておさらいしましょう。Web領収書の概要や有効性について解説します。
Web領収書の概要
Web領収書とは、領収書の作成・発行・送付などの一連のやり取りをすべてWeb上で完結できる領収書です。紙の保管や送付などのやり取りを省けるため、コスト削減に役立ちます。発行した領収書は、すべてWeb上に保管されるため、紛失のリスクが小さいのも特徴です。
電子データであるWeb領収書の有効性
電子領収書は、1998年に施行された電子帳簿保存法によって、その有効性が国税庁に認められています(参照:国税庁「電子帳簿保存法の概要」)。
施行当初は、記載金額の上限設定や電子署名が必須であったため、厳しい条件をクリアしなければWeb領収書の導入ができない状態でした。
しかし、現在では記載金額の上限撤廃や電子署名が不要になったうえに、カメラで撮影して電子データ化した領収書も電子帳簿保存法の適用が認められています。
電子帳簿保存法の改正で税務署の事前承認が不要に
改正前の電子帳簿保存法では、Web領収書を導入する3カ月前までに管轄の税務署から承認を得る必要がありましたが、2022年1月からは税務署の事前承認が不要となっています。事前承認が不要になったため、Web領収書を導入するシステムさえ整えば導入できることから、導入までのハードルが低くなったと言えるでしょう。
また、2022年1月の電子帳簿保存法の改正では、電子データで送付されたものは電子データでの保存を義務付ける内容も加わっています。2年間の猶予期間があるため、2023年12月まで電子データを紙に印刷して保管することも認められますが、2024年1月1日から電子取引で発生したファイルは、電子保存が義務化対象となります。電子保存したもののみが申告書類として認められるため注意しましょう。
Web領収書のメリット4つ
Web領収書には、おもに4つのメリットが存在します。それぞれのメリットを見ていきましょう。
印鑑が不要など発行する側の作業工数を削減できる
Web領収書は電子印も含め、印鑑が不要です。紙の領収書では、1枚ずつ印鑑を押す必要があるので、印鑑を押す手間を省けるのは大きなメリットと言えるでしょう。
そのほか、領収書を封入する作業や発送する作業など、物理的な業務を削減できるため、ヒューマンエラーの削減にもつながります。
印紙税の節税や紙などのコストを削減できる
Web領収書は、課税対象外となっているため、節税につながります。5万円以上(税抜)の金額が記載された紙の領収書を発行すると、200円以上の印紙税が課税されるため、領収書を多く発行している企業ほど大幅なコスト削減が可能です。
また、領収書を紙に出力しない分、紙の消費も抑えられ、コストの削減にもつながります。
顧客の利便性が高い
Web領収書の導入は、顧客の利便性も向上します。
例えば、領収書があとから必要になった顧客は、今まで店舗に問い合わせて発行してもらっていたものをWeb上から自分で発行し保存できるようになります。顧客の利便性が向上するため、顧客満足度の向上につながり、さらにはリピーターの確保も期待できるでしょう。
データ保存なので管理がしやすい
Web領収書は、電子データとして保存するため、管理しやすいのもメリットです。紙に出力して保存する場合は、領収書の数だけ保管スペースを圧迫しますが、Web領収書は物理的な保管スペースが必要ありません。スペースの節約ができるだけでなく、確認したい領収書をすぐに閲覧でき、紛失のリスクも抑えられます。
Web領収書のデメリット3つ
導入によるメリットが多くあるWeb領収書ですが、デメリットも3つ存在します。デメリットも考慮した上で、Web領収書の導入を検討しましょう。
初期費用がかかる
Web領収書を導入するにはシステムを導入する必要があるため、初期費用がかかります。システムの種類はクラウドやアプリケーションなどさまざまですが、どのような形であれ初期費用は必要です。
また、月額で利用するクラウドソフトなどはランニングコストもかかるため、相応の出費が予想されます。
導入までに時間がかかる
Web領収書は、システム導入後すぐに利用できるわけではありません。取引先に了承を得たり、システムを利用するためにアカウントを発行したりなど、導入後の工数は多々あります。
また、システムを利用する担当者への社内教育も行う必要があるでしょう。
ほかにも、複数のパソコンにアプリをインストールする場合は、システムの導入だけでも時間がかかることがあるため注意が必要です。
すべてを電子化できるわけではない
Web領収書を導入したとしても、すべてのデータを電子化できるわけではありません。取引先によっては、これまでどおり紙の領収書でのやり取りを希望することもあるでしょう。紙と電子データの2つの領収書が混在することで、管理体制の複雑化も予想されます。
Web領収書導入までの流れ
Web領収書は、2つのステップで簡単に導入ができます。それぞれの流れを見ていきましょう。
社内の業務フローを作成・整理する
Web領収書の導入・運用を成功させるためにも、まずは社内の業務フローの整理が大切です。「誰が・何を・いつまでに行うのか」といったルールを明確にしておきましょう。
また、電子帳簿保存法や国税庁が定める要件に沿った適切な運用ができるよう、法律関係の最低限の知識も社内に浸透させておく必要があります。
自社に合ったツールを導入する
社内の業務フロー作成後は、自社に合ったツールを導入しましょう。ツールの中には、Web領収書を自動発行してくれる機能やデータ連携先が多いものが存在します。Web領収書の発行・管理ができるツールにはそれぞれ特性があるため、自社の業務内容に適したツールを選びましょう。
まとめ:Web領収書を導入してコスト削減と効率化を図ろう!
Web領収書は、領収書データのやり取りがWeb上で完結するため、作業工数やコストの削減に役立ちます。ツールを導入する際は、自社の業務内容や事業規模に適したサービスを選ぶようにしましょう。以下では、EC業務の効率化に役立つECシステムをご紹介するので、Web領収書の導入とあわせて事業全体の効率化に役立ててください。
EC運営をサポートするネクストエンジンとWeb領収書で効率アップ!
Web領収書の導入を検討している事業者の方のなかには、領収書だけでなく、EC運営全体の効率化を目指している方も多いのではないでしょうか?
EC運営の効率化でしたら、EC一元管理システム「ネクストエンジン」の導入がおすすめです。ネクストエンジンでしたら、以下のルーティン業務の自動化し、できた時間でコア業務へ注力することができます。
また、領収書はネクストエンジンの受注伝票から個別で出力することができますが、購入者から領収書依頼の度に個別で出力するのも手間という場合には、アプリ連携をすることで、購入者自身で領収書を発行してもらうことも可能です。
以下では、ネクストエンジンと連携できる便利なWeb領収書発行アプリを紹介します。
必要に応じて顧客にDL・印刷してもらえるWeb領収書発行アプリを3つ紹介
購入者自身で必要に応じてデータをダウンロードし、印刷してもらえるWeb領収書発行システムを3つ紹介します。以下で紹介しているWeb領収書発行システムは、すべてネクストエンジンとのアプリ連携が可能であるため、気になったシステムがあればぜひ連携も視野に入れてみてください。
「ウェブ領収書アプリ」【株式会社ウイングス・コンサルティング】
「ウェブ領収書アプリ」は株式会社ウイングス・コンサルティングが提供しているサービスです。Amazonや楽天などの多くのECモールとの連携を可能にし、それぞれのモール上から領収書を発行できます。多店舗運営をしているEC事業者におすすめのサービスです。
「領収書・納品書発行アプリ」【株式会社インキュービック】
株式会社インキュービックが提供している「領収書・納品書発行アプリ」は、高品質なテンプレートや柔軟なカスタマイズ機能を備えているのが特徴です。領収書の発行はテンプレートから選ぶだけで簡単にできるので、書式を考える必要はありません。店舗ごとに異なる設定もできるため、Web領収書の柔軟な運用を可能にします。顧客がWeb領収書を発行する場合でも、メールに添付されているリンクから必要情報を入力して簡単に発行できるので、顧客の利便性も高いのが魅力です。
「PRO自動納品書領収書発行アプリ」【ドリームバンク株式会社】
ドリームバンク株式会社が提供している「PRO自動納品書領収書発行アプリ」は、楽天市場やYahoo!ショッピングなど多くのECモールに対応しています。顧客がWeb領収書を発行する際は、メールに添付されているリンクをクリックするだけで、簡単に発行できるため、顧客の利便性向上も可能です。また、さまざまなデザインのテンプレートが用意されているので、好みのデザインを選択できるのも魅力です。
二重発行防止機能も搭載されているため、法令に遵守した安全な運用に役立ちます。
さらに詳しくネクストエンジンの機能や連携できるシステムについて知りたい方は、以下から資料をダウンロードください。