
今年の楽天新春カンファレンス2023で新たに発表された「配送品質向上制度」。配送品質の高い商品に「楽天配送認定ラベル(仮称)」が付与されるとのことですが、楽天に出店中の方の多くは、今後どうしたらいいか不安に感じていらっしゃるのではないでしょうか?
制度自体は2024年の第2四半期(4~6月)から始まるため、準備時間は充分にあります!本記事では制度の概要から、取得するために何が必要なのか、どう対策すべきかを解説していきます。
※本記事は2023年2月末時点の情報です。制度や機能の正式名称などは楽天からの情報をご確認ください。
楽天の配送認定ラベル(仮称)とは?

まず、楽天の配送認定ラベル(仮称)とはどういったものなのでしょうか? EC事業者の方にとっては「Yahoo!ショッピングの優良配送制度の楽天版」と想像していただくと分かりやすいと思います。
楽天としては恐らく、アマゾンのような配送の早さ・利便性を実現しようとしていると考えられます。
※なお、Yahoo!の優良配送制度については以下の記事で解説しています。
認定は厳しい?どんな条件?
配送認定ラベルを獲得するためには、以下の条件をすべてクリアする必要があります。
- 楽天SKUに対応する(2023年4月~)
- お届け日表示機能に対応する(2023年6月~)
- 店舗と商品の認定基準をそれぞれクリアする(2024年第二四半期)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
条件1:楽天SKUに対応する
楽天SKUプロジェクトとは、ユーザーが欲しい商品にたどり着きやすくなるよう、SKU単位で商品ページ上で複数のSKUを紐づけるプロジェクトのことです。
配送認定ラベルを獲得するには、まずは楽天SKUに対応する必要があります。
いよいよ今年、楽天SKUプロジェクトが始まり、店舗によっては4月から移行開始されます。楽天に出店されている方は、すでに移行予定日についてRMSお知らせ配信で通達が来ているはずです。ご自身の店舗がいつ移行予定なのか把握し、対応していきましょう。
なお、楽天SKUについては以下の記事で詳しく解説していますのでご参考ください。
条件2:お届け日表示機能に対応する
楽天SKUの切り替え対応後には、2023年6月からリリースされる「お届け日表示」機能の対応が必要です。
お届け日表示機能でユーザーは、最短指定可能日を検索したり、商品ページ上に表示できるようになります。
出店事業者の対応としては、配送日時指定が可能な商品について、楽天サーチ・商品ページに最短指定可能日を表示する必要があります。具体的にはSKUごとに発送元の住所と出荷リードタイムを登録する作業を行います。
条件3:店舗と商品の認定基準をクリアする
上記の2点を踏まえた上で、以下の店舗基準、商品基準をすべて満たす必要があります。

出荷件数が月100件以上で、毎日出荷できないと認定ラベルが取れないということになるため、商材や事業規模によっては条件達成はかなり厳しい事業者も多いと予想されます。
いずれにしても、出荷業務の効率化が必須で、システム導入やアウトソーシングを検討する事業者の方も増えそうです。
物流アウトソーシングやWMS(倉庫管理)システムについては以下の記事もご参考ください。
配送認定ラベルの条件をどうやって達成したらいい?

配送認定ラベルの条件は厳しく、条件をすべて達成するのはなかなか厳しいということがわかりました。
ここからは、条件が厳しくても対応しておきたい背景と、どうやって対応していけばいいのかを解説します。
なぜ対応したほうがいいのか?|即日配送の重要性
配送認定ラベルの条件のなかでも、多くのEC事業者の方がネックとなりそうなのは、商品基準の翌日配送の条件ではないでしょうか?
毎日商品を出荷できる体制を整えることは、出店事業者側にとって、かなりの負担になることは楽天側も承知の上でしょう。それでも実施に踏み切るということは、それだけ即日配送を重視していることの表れでもあります。
今の消費者にとって、商品をネットで注文して翌日(場合によっては当日)届くというのは特別なサービスではなく“当たり前のこと”になりつつあります。逆に、少しの配送遅延でも顧客満足度は大きく下がってしまう状況です。
そうした消費者のニーズに応え、顧客満足度を高めていくためにも、即日配送に対応していく必要があるのです。
条件達成するためにしたいこと|出荷のフローを見直す
即日配送の重要性はご理解いただけたと思います。ここからは条件達成に向けてどう対策していけばいいかをご説明します。
まずは現状の出荷フローの見直しからはじめましょう。出荷フローを見直すことで、問題点を洗い出し、即日配送を可能にするためにどう対策を取るかを具体的に検討することができるようになります。
出荷管理について詳しくは、以下の記事で解説していますので、こちらもご参考ください。
出荷フローの見直しはとても大切ですが、配送認定ラベルの条件達成には通常の営業日以外(土日祝)も出荷できる環境を整えなくてはならないため、現状の見直し・改善に留まらず、出荷業務のアウトソーシングも視野に入れる必要があります。
一元管理システムの導入がおすすめ
現状の出荷フローの見直しが済み、やはり人員を増やし、業務をもっと効率化・自動化していかなくてはならないと分かったものの、条件達成のための増員や自社での365日出荷対応は難しいという方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが一元管理システムの導入です。
一元管理システムとは、楽天商店に限らず、複数のショッピングモール・カートや自社ECサイトを多店舗運営している際、それぞれの店舗のデータを1つのプラットフォームに集約し、受注業務から出荷業務までを自動化・効率化して運用するシステムです。
楽天の配送認定ラベルの条件達成に向けて対策を取ろうとしても、実際には楽天以外の店舗運営もあり、店舗全体の業務効率化をしなければ翌日配送達成は難しいと感じていませんか?
その点、一元管理システムを導入する場合、人員コストを増やさずに、複数店舗全体の効率化・自動化を実現することができます。
各倉庫システムとも連携しているので、出荷業務のアウトソーシング化も実現可能です。
一元管理システム「ネクストエンジン」とは
様々な一元管理システムがありますが、本記事ではネクストエンジンを例にご説明します。
ネクストエンジンでできること
EC一元管理システム「ネクストエンジン」は受注・出荷管理を自動化・効率化することで、翌日配送の条件のハードルを下げることができます。
また、「楽天配送認定ラベル」の条件を無事達成した後、順調に売り上げが伸びて受注量が増えても慌てることなく、継続的に条件を達成することができます。
楽天の配送認定ラベル達成の第一条件となる楽天SKU対応については、ネクストエンジンでは2023年5月中の対応を予定しています。他の一元管理システムと比較しても早い対応になるのが特徴です。詳細についてはこちらをご覧ください。
なお、ネクストエンジンの対応完了日よりも前にSKU移行を行われた場合、ネクストエンジンが対応完了するまで、ネクストエンジンの各機能をご利用いただくことができかねてしまいます。
貴社の状況に応じた、SKU移行およびネクストエンジン導入につきまして最適なスケジュールをご案内いたしますので、ご心配事などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
RMSとの連携について
ネクストエンジンは楽天市場をはじめとした主要モールはもちろん、様々なショッピングモール・カートと連携が可能です(対応モール・カート一覧はこちら)。
楽天の店舗管理システムであるRMSと連携することで、受注・在庫の管理などをさらに効率化することができます。また、複数の店舗をまたいだ注文のステータス管理や、売り上げ状況の分析表示をすることができます。
楽天の商品登録・在庫管理・受注管理についてはこちらのページでも詳しく記載しております。
なお、楽天RMSについての詳細は以下の記事もご参考ください。
RSLとの連携について
楽天スーパーロジティクス(RSL)は楽天市場出店店舗向けの物流アウトソーシングサービスです。年中無休、あす楽対応で、連休中の配送もストップしないため、翌日配送をクリアするために導入を検討する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
RSLを導入するためには、倉庫連携のための受注管理システム(BOSS、ネクストエンジン等)の導入が必要です。楽天市場以外のモールやカートに出店している方は、対応モールカートが豊富なネクストエンジンをおすすめします。
ネクストエンジンと連携することで、商品入庫時にCSVデータを用意することなく、発注伝票から自動で入荷データを作成でき、入庫作業がラクになります。また、無料アプリを利用することで、出荷業務も出荷依頼や出荷実績の反映も自動化することができます(詳しくはこちら)。
ネクストエンジンでしたら、RSLだけでなく、Amazon FBAマルチチャネルやヤマトフルフィルメントサービスを始めとした多くのサービスと連携することができます(倉庫・WMS連携先について詳しくはこちら)。
なお、楽天RSLについての詳細は以下の記事もご参考ください。
BOSSとの違い
楽天配送認定ラベル制度の発表時には楽天は翌日配送実現の支援策として、BOSSの「RMS 自動化プラン」を2023年4月から開始すると発表がありました。
先ほどご説明したとおり、RSLの利用にはBOSSやネクストエンジンといった受注管理システムと連携する必要があります。
ではネクストエンジンとBOSSとの違いは何があるでしょうか?
一番大きな違いは対応モール・カートの違いです。BOSSの「RMS 自動化プラン」では対応できるのは楽天市場のみです。他のプランでも楽天、Yahoo!ショッピング、アマゾン、au PAYマーケット、Qoo10、Make Shopのみとなっています。
ネクストエンジンであれば上記に加え、shopifyやBASEなど幅広いモール・カートに対応でき、多店舗運営に強いです。
現在は多店舗展開をしていなくても、将来的に多店舗展開を目指していらっしゃるなら、対応モール・カートが豊富なシステムを選ばれることをおすすめします。
まとめ 一元管理システム導入で翌日配送をクリアしよう!
楽天の配送認定ラベルの制度概要と獲得条件をクリアするための方法をご紹介しました。
獲得条件の中でも、翌日配送の実現がハードルになるEC事業者の方は多いと思います。忙しい日々の業務に加えて、新たな制度に対応するのは大変ですが、一元管理システムを導入することで、多店舗運営もぐっと楽になります。一度検討してみてはいかがでしょうか?
なお、翌日配送についての資料を以下から無料でダウンロードできますので、ぜひこちらもご参考ください。