EC運営で売上をアップさせたい!と思っていても、ネットショップをはじめたばかりの初心者の方のなかには、「一体何から手を付けたらいいのか……」と途方に暮れてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ネットショップ運営で成功するには、まず状況を整理し、優先順位をつけ、効率よく事業を推進する力が求められます。ECコンサルタントによると、月商100万以上のEC事業者が実践していることには共通点があるそうです。
そこで、今回はEC初心者の方が月商100万を目指してすぐ実践でき、売上アップにつながるような、ECコンサルタント直伝のポイントを解説します!
なお、ECコンサルティングサービスについてご興味のある方は、NE株式会社のECコンサルティングサービスのページもご確認ください。
【監修者】
戸田 成章
NE株式会社 コンサルティング事業部 ソリューションパートナー部 マネージャー
大学在学中にSNSを活用したイベント開催事業を立ち上げ、年間10,000人以上の集客に成功。 2013年よりWEB制作およびEC支援の企業で5年勤め、2018年Hameeコンサルティング㈱に入社。シニアコンサルタントとして中小〜大手企業様と幅広くコンサルティングを担当し、200店舗以上の実績。 現在は、売上改善だけでなくEC運営事業者様の様々な課題解決に取り組むべく、EC運営を全般的にサポートするソリューションパートナー部のマネージャーを担う。
【成功のポイント1】自社の商品力を客観的に把握する
ネットショップの売上アップのために、具体的な施策の実施に入る前にまず行うべきは自社の商品力を客観的に知ることです。
まず自社商品と、各ECモールでのSEO上位の競合商品を比較していきます。
競合商品と自社商品を比較することで、市場の傾向や競合状況と自社商品の立ち位置を把握できます。自社商品が本当に売れる商品設計になっているかを見直すことが大切です。
客観的に見直した上で、自社商品は何が強みで、何が弱みなのか考えます。
競合比較と自社商品の強みと弱みを把握できたら、自社商品のセールストークを作ってみましょう。この時重要なのは、そのセールストークが他社商品と比較した際に、魅力的に感じる内容なのか、客観的に見ていくことです。
【成功のポイント2】戦う市場(キーワード)を決める
楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピング等のECモールで売りたい市場(キーワード)を考えてみましょう。
その検索語句で競合商品と自社商品の魅力を比較した際に検索上位商品に入れそうか(売上を上位商品レベルまで作れそうか)をチェックします。
その際には他社の売上をレビュー記載率から逆算して把握することも大切です(楽天の場合レビュー記載率は5~10%が目安)。目安の金額は以下の式で求められます。
商品売上目安(円)=レビュー数×単価×100÷5(記載率を5%にする場合)
例えば検索語句で1位になっている商品の月間のレビュー数が10件で、単価が5,000円の商品の場合、
レビュー数10件×単価5,000円×100÷5=1,000,000円
100万円がその検索市場で1位の商品の売上目安になります。
【成功のポイント3】売上の構造を理解する
売上は以下の公式で表わせます。
売上=アクセス数×転換率×客単価
売上構造を上記3つの要素に分解し、施策ごとの売上インパクトを考えます。
単純に売上の数字だけを見ていると、「売上が伸びていても、実は顧客は減っていた」ということが起きがちです。新規顧客の伸び率と既存顧客の伸び率は別々で見ていくことがポイントです。
新規顧客売上+既存顧客売上=売上
上記指標に基づいて、これから行う施策でどのくらい各指標の数値が向上しそうかをイメージし、施策に優先順位を付けましょう。
最初は数値の伸び具合がイメージしにくいかと思いますが、繰り返していくうちに過去の施策での事例が蓄積されていきイメージがしやすくなっていきます。
【施策例】
商品名の改修を実施したらアクセス数が500件程度増えるだろう。
→アクセス数が500件増えたら月の売上は
- 現状:アクセス500件×転換率3%×客単価5,000円
- 実施後(想定イメージ):アクセス1,000件×転換率3%×客単価5,000円
つまり、売上が200%になりそうだと予測ができるようになります。
【成功のポイント4】売上構造の指標別対策
ここからはアクセス数、転換率、客単価といった売上構造の指標と、客単価に似た指標であるLTV(ライフタイムバリュー)を高めるリピーター育成のためにやるべきことを解説します。
アクセス数対策
アクセス数を伸ばすためには、
- 商品名の改修
- 広告運用
- 回遊対策
- イベント対応
などが必要です。
商品名の改修
各ECモールごとにSEOの上位に表示されやすくする商品名のつけ方が存在します。
例えば、楽天では以下のようなことを意識して商品名をつけなくてはなりません
- 重要なキーワードは商品名の先頭に
- ワードとワードの間は半角スペース
- 商品名にはできるだけ記号を入れない
- 商品名は可能な範囲で短くする
- 商品が何か明確にする
各ECモールや検索サイトの特性を理解した上で商品名を付けるようにしましょう。
広告運用
とくに初期フェーズでは広告以外での露出が少なく、商品の露出を増やすために広告に頼る必要があることが大半です。
広告もその時々に応じて使うべき広告の優先順位が存在します。まずは潜在顧客よりも顕在顧客を刈り取れる広告を打つことが重要になります。
- 楽天市場であれば、RPP広告
- Amazonであればスポンサープロダクト広告
- Yahoo!ショッピングであればアイテムマッチ広告
がその主たる広告となります。広告の特性と優先順位を理解した上で広告を運用しましょう。
広告については以下の記事でも解説していますのでご参考ください。
回遊対策
ユーザーが自社商品ページを訪問してくれても、そのページだけ見てサイトから離れてしまっては折角の機会をうまく活用できていません。
一度自社商品ページを訪れたユーザーには他のページも見てもらうよう、回遊対策は重要になります。
イベント対応
楽天市場やAmazonやYahoo!ショッピング等の各モールでは、アクセスユーザーが増えると同時にモール全体の転換率も上がり、商品がいつもより売れやすくなる時期があります。
なかでも一番効果が上がるのはセールイベントの時期です。
- 楽天市場ならお買い物マラソンや楽天スーパーセール
- AmazonならAmazonブラックフライデーやAmazonプライムデー
- Yahoo!ショッピングならば超PayPay祭
この時期には、商品名やサムネイルやお得率といった商品の入り口の見え方を強化すべきです。各イベント期にはそれに合わせて自社でも店舗、商品の見え方の強化をするようにしましょう。
転換率対策
転換率を上げるための施策としては
- キャッチコピー改修
- ページ構成・文章の改修
- デザイン改修
- 割引・クーポン・ポイント施策
- レビュー対策
- イベント対応
などが挙げられます。
キャッチコピー改修
よほどオリジナルの商品でない限り、インターネット上には競合商品が多数存在していることがほとんどです。
ユーザーは1つのページをじっくり読むことは少なく、様々なページを短い時間で判断していきます。ですので、まずはファーストビューでユーザーの心を少しでもつかまなければ、すぐページ離脱してしまいます。
ぱっと見でユーザーの心を少しでもつかむために、商品のキャッチコピーは非常に重要な要素となります。
ページ構成・文章の改修
ファーストビューでユーザーをページに留めるようできたとしても、その後にページ内でうまく商品の魅力を伝えなければ購入にはつながりません。
商品力の確認で考えたセールストークに沿って、商品ページの内容を優秀な営業力を持つものにしましょう。
デザイン改修
ネットでの販売は、実店舗での販売とは異なり、お客様は実際に店舗へ出向き、商品を手に取るといった購入体験を得ることができない分、インターネット上ではネットショップのデザインや商品写真の魅力も非常に重要な要素となります。
実店舗でいう店舗の雰囲気等が、ネットショップにおけるサイトデザインにあたり、商品の店頭での見え方が、ショップ掲載の商品写真にあたります。
とくに店舗イメージや商品ビジュアルが重要な商品では商品写真を重視しましょう。
ECサイトの改善方法については以下の記事で具体的に解説していますので、ぜひこちらもご参考ください。
割引・クーポン・ポイント施策
インターネット上では競合商品との価格が比較しやすいこともあり、日々値付け合戦が繰り広げられています。
そうした背景から、消費者も「お得かどうか」に敏感になりやすく、お得感の醸成は市場で勝つための必須事項となっています。
また、消費者は割引やクーポンでの〇〇円や〇〇%OFF、ポイント〇〇倍といった文言に影響を受けやすく、EC販売戦略において欠かせないものとなっています。
競合の出品状況を把握したうえ、ライバルに負けないよう自社ならではのお得感の醸成を心がけましょう。
レビュー対策
ネットショップの信用度を高めるには口コミやレビューが一番効果的です。
いくら商品の価格が他社より安くても、レビュー評価がほとんどなかったり、評価が低いサイトを避けるユーザーは多いです。逆に、多少割高でもレビューの評価が高い商品を選ぶユーザーもいます。
- 楽天市場ならレビュー記載でクーポン発行やおまけ付与する
- AmazonならVineプログラムを利用する
など、レビューを増やすための工夫を行って行く必要があります。
イベント対応
アクセス数対策での項目でご説明した通り、セール等のイベント時期は商品が売れやすい時期です。
この時期に競合よりお得感を出し、割引を行うことで、いつも以上に効率よく転換率も上げることが可能です。
客単価対策・まとめ買い促進施策
ネットショップ内の様々な商品ページを自然に回遊していくような、サイトの導線設計が上手くできていれば、商品のまとめ買いに誘導し、⼤幅に売上の向上を狙うことが可能です。
例えば、ECは実店舗と違い送料がかかる場合がほとんどです。送料を払うことに抵抗があるユーザーも多いため、〇〇円以上で送料無料とする施策を多くの店舗が実施しています。
送料無料以上の⾦額を⼀度に購⼊してもらうために、⼀定⾦額以上の購⼊で使える割引クーポンを発⾏するのも効果的です。また、相性のよい商品同⼠を⼀緒に⾒てもらえるようなサイト導線設計にすることも重要です。
リピーター育成施策
客単価と似た指標でLTV(ライフタイムバリュー)という指標があります。
これは1⼈の顧客に⼀度の機会で購⼊された⾦額ではなく、1⼈の顧客が⽣涯を通して購⼊してくれる⾦額を表す指標になります。
事業の安定という観点からみても、新規顧客をリピーターに育成し、LTVを⾼めることは⾮常に重要です。
新規顧客を新たに獲得するよりも、一度購入した顧客にリピーターになってもらうほうが、少ない労力で安定的に売上を上げる確率が高くなります。
顧客との関係性が途切れないよう、メルマガやSNS等を駆使して顧客とのつながりを維持することを意識しましょう。
【成功のポイント5】コストの削減
これまで解説してきた施策は、売上への直接的なインパクトが大きいものです。EC事業は売上をつくり、積み上げていく一方で、掛けたコストが効果的にまわっているかの確認と、必要に応じたコストの削減も大切です。
広告の調整
EC事業運営で売上を作っていくにあたり広告配信は外せない施策ですが、誤ったやり⽅をしてしまうとコストをかけすぎてしまうリスクもあります。
⼊札型(運⽤型)の広告の場合、⽇々適切な⼊札額が変動します。本来は50円の⼊札でいいのに100円で⼊札していた等ということもざっくりと広告運⽤をしていると起きてしまうリスクです。
こまめな⼊札額のチューニングが効率よく商品を露出をすることができ、広告コストの削減につながります。
楽天やAmazon、Yahoo!ショッピングの広告については以下の記事でも解説しています。
管理業務の削減
EC業務は多岐にわたり、受注量が増えれば増えるほどスタッフの負担が大きくなってしまいがちです。売上はアップしても連日忙しすぎてスタッフは残業続き……というケースもよく聞きます。
さらなる事業拡大には運営‧管理業務の業務効率化も必要です。
属⼈化しやすい業務や、単純な作業なのに煩雑になりやすい作業を見直し、業務を自動化・効率化できるシステムの導⼊も検討しましょう。
ネットショップ運営の効率化なら!ネクストエンジン
ネクストエンジンは複数のネットショップを一元管理し、受注管理・在庫管理・商品登録など、EC業務のバックヤードを自動化・効率化することができるシステムです。
おもな機能は以下のとおりです。
など。
ECサイトの管理で必要な業務を自動化することで、業務負担を減らすことができ、効率化を行えます。
ネクストエンジンは、ECの現場より生まれたシステムです。そのため、「EC現場で本当に必要な痒い所に手が届く」機能を搭載しているのも特徴です。アプリなどを利用した機能拡張もしやすく、EC運営の環境が変化してもシステムを変更することなく使い続けることができます。
ネクストエンジンは、導入実績業界No.1のサービスで、これまでに6,256社、50,471店舗で利用され、多くのEC事業者様をサポートしてきた実績があります。(※2024年4月末時点)
ネクストエンジン導入企業の1つである株式会社サウナキャンプ様は、趣味で始めた活動からネットショップを始め、別の本業を持ちながらEC運営を成功させていらっしゃいます。
サウナキャンプ様からは「(ネクストエンジンは)とても助かっています。在庫を一元管理し、受注処理から出荷指示までのフローの約99%を自動化できました」「もっと早くネクストエンジンを知りたかった!」とのお声をいただいています。
業界最大級の対応モール・カート数
ネクストエンジンは楽天市場やAmazonといった主要モールだけでなく、メルカリShopsやラクマ公式ショップなど様々なモール・カートとの連携が可能です。
対応モール・カート数は業界最大級ですので、ネットショップ運営を拡大したいというときにも、システムのリプレイスの必要なく、柔軟に対応することができるため、安心して長くお使いいただけます。
以下からネクストエンジンについての資料が無料でダウンロードできますので、お気軽にご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?今回はEC初心者が月商100万を目指せるよう、売上をアップさせるEC事業成功のポイントを解説しました。
EC事業は市場‧競合ともに変化の多い事業です。競争⼒を維持するには、⽇々進化し続けることが不可⽋です。
また、暗いトンネルのように不確かな状況下で、計画を⽴てずに前進することが⼀番のリスクです。「なるべく精度の⾼い地図を作り、あとは進むだけ」という状態でEC事業を推進していきましょう!
「一度ECコンサルタントに相談したい」という方はNE株式会社のECコンサルティングサービスのページもご確認ください。
なお、今回の記事内容をイラストや図を使ってまとめた資料を以下から無料でダウンロードできます。社内での共有にも使いやすいPDF形式になっておりますので、ぜひこちらもご参考になさってください。