在庫分析とは?主な分析方法と使用するグラフについて5分で解説

ECサイトの運営などの業種は、在庫を多く抱える必要がありそれなりのリスクが生じます。在庫を抱えているアイテムが売れる商品ばかりであれば問題ないのですが、流行りやブームはやがて去ってしまいます。いつのまにか売れない商品が、不良在庫として残ってしまうことも少なくありません。

そこでこの記事では、在庫分析することで不要な在庫を減らし、なるべく人気の商品をストックしつづけるにはどうすればよいか、さまざまな方法を元にくわしく解説していきます。

在庫分析とは

在庫分析とは、自社で保管する在庫が適正に保たれるように、在庫の状況を正確に分析することを指します。在庫の管理状況の問題点を発見したり、適正な在庫の基準を見直したりすることが可能となります。

在庫分析は、最適な在庫管理を実施するためだけではなく、売上に対する原価の把握ができます。売上高は、実際に売り上げた商品の個数に販売額を乗じれば算出できます。しかし、利益は仕入れから期末時点の在庫を差し引いて計算するので、在庫の正確な状況が把握できていないと、予測した基準しか設けられなくなります。

また、正確な在庫分析をすることによって、商品の売れ行きの動向が明確になります

それにより、それぞれの商品の今後仕入れる量をどのようにするかが計画しやすくなります。売れ行きの良くない商品は、価格を調整して売りつくしセールをしたり、人気の商品はキャンペーンなどを強化して更に大量に仕入れることで、仕入先にも価格交渉をしたりといった戦略を練りやすくなります。

こういった販売戦略は、棚卸しの時期にだけ実施するのではなく、短いスパンで定期的に実施することで、年間の売上や利益の最大化が図れます

したがって、在庫分析は単純に在庫の数を確認するだけではないのです。

在庫分析の目的

在庫分析の目的の一つ目は、「在庫不足」と「不良在庫」をさけることです。

人気の商品の在庫が不足してしまうと、販売機会の損失となってしまい、せっかく興味を抱いてECサイトへ訪れてくれたユーザーをがっかりさせてしまいます。最悪の場合、欠品によって企業の信頼を失いかねません。逆に、不良在庫を多くかかえてしまうようでは、仕入額(原価)が膨らんでしまい利益を圧迫してしまいます。さらに、商品を大量に保管する倉庫代も毎月発生してしまいます。

二つ目の目的は、多くの売上が発生している商品を分析することです。現在何が売れているのかを把握することで、「今、何がウケているのか?」を分析でき、ユーザーの求めているものが理解できます。それにより、商品のキャンペーンの実施や新商品の開発など、今後の新たな策を講じるためのアイデアの創出につながります

在庫分析の主な手法

在庫分析の主な手法は、以下の4つがあげられます。

  • ABC(在庫金額)分析
  • 在庫回転率分析
  • 交差比率分析
  • デッド在庫・緩動在庫

それぞれ解説していきます。

ABC分析

ABC分析とは、製品の売上やコスト在庫など、重視する指標を決定して重要度が大きい順に並べて分類して管理するための分析方法です。

重要度を大きく占める商品に対してコストを優先的に配分したり、人的リソースをかけたりすることで、売上や利益を効率よく向上させるという目的があります。

たとえば、売上額を重視して分析する際は、売上が高い商品のグループをA群、中間をB群、低いグループをC群と定めて、どんな戦略を講じるのかそれぞれのグループ毎に違った施策を考えます。

売上の多いA群の商品に対しては、キャンペーンを講じたり広告を打ち出したりなどのコストをかけて、さらなる売上の向上を目指します。一方、売上の低いC群については、なるべくコストや人員のリソースをかけないようにし、売上の動向を見守ります。もし、売上が伸び悩むようであればその商品は処分したり、半額セールなどで売り切るなどの策を講じます。

なぜなら、売れない商品を大量に倉庫で保管しておくのは、倉庫代もかかりますしそのスペースを売上の多い商品に使用する方が、会社全体の売上に大きく貢献できるからです。

このように、ABC分析によってムダな在庫保管によるコストを減らし、ムダなスペースを有効活用することによって健全な経営状況を保つのです。

在庫回転率

在庫回転率とは、自社の在庫がある一定の期間において、どれくらい回転しているかを指します。

在庫回転率を分析することで、在庫の変動をリアルタイムで可視化できるため、売上の向上や必要のないコストを抑えられるようになります。

なぜなら、在庫回転率の分析によって売れ筋の商品とそうでない商品を選別することが可能となるため、それによって商品ごとに施策を講じやすくなるからです。したがって、在庫回転率の分析は経営判断の良い材料になるのです。

在庫回転率についてさらに詳しく知りたい方は「在庫回転率とは?その重要性と計算方法をわかりやすく解説!」の記事をご覧ください。

在庫回転期間

在庫回転期間とは、商品の仕入れから販売までにかかった期間を算出した数値のことです。期間が長ければ、過剰在庫や滞留在庫になっている可能性があります。在庫回転期間を分析する目的は、売れ筋の商品なのか、処分の検討が必要な商品なのかを判断する際の材料として活用します。

在庫回転期間の計算式は、以下のようになります。

「在庫回転期間」=「在庫金額(棚卸資産)」÷「売上高」

在庫金額は、在庫の数に単価をかけて算出します。

在庫回転期間の値が小さければ、在庫が回転する期間が短いということになり、その商品はよく売れていることになります。一方、在庫回転期間の値が大きいと、在庫の動きが遅いことから、売れていない商品であるという判断になります。

交差比率

交差比率分析とは、販売した商品がどれだけの利益をだしているかを評価するための分析方法です。

在庫回転率や、在庫回転期間の算出では、どのくらいのサイクルで在庫が入れ替わっているかがわかりましたが、利益率までは把握できません。そこで、交差比率分析によって、どのくらいの利益を確保しているのかを調査します。

交差比率は、以下の計算式で算出します。

「交差比率」=「粗利益率」×「回転率」

交差比率が高ければ高いほど、在庫しているその商品は利益率としては成績のよい商品となります。

デッド在庫・緩動在庫

デッド在庫とは、トレンドが終了したり、新製品が出たことによる「型落ちの商品」となってしまい、もう売り出せなくなった商品を指します。

また緩動在庫とは、全く売れなくなってしまったわけではないが、実際ほとんど売れていないような商品を指します。

これらはABC分析における更に低いレベルの商品群であり、保管するコストがかかってしまう在庫品に分類されます。

したがって、デッド在庫や緩動在庫の存在が確認されるようであれば、早急に対策を打つ必要があります。不要な在庫を処分し、空いたスペースには回転率や利益率の高い新しい商品を保管する計画を立てるのです。

在庫分析に使用する3種類のグラフ

在庫分析には、以下にあげる3種類のグラフを活用します。

  • ヒストグラム
  • Zチャート
  • 流動数曲線

それぞれ見ていきましょう。

ヒストグラム

ヒストグラムは、データの分布が視覚的にひと目でわかるグラフです。

横軸には年齢や性別などの「階級」を設けて、縦軸には各階級に該当するデータの「数量(金額など)」を表示させます。

ヒストグラムは、一見すると棒グラフに似ていますが、その面積が度数を示しているので棒グラフとは使用目的が異なります。

階級ごとに、それぞれどのくらいの数が分布しているのかをひと目で理解できるので、現状の傾向をつかんで対策を立てるのに活用します。

Zチャート

Zチャートとは、商品の「月次の売上」、「売上の累計」、「移動合計」の3つについてグラフ化したものです。3本のグラフが交わると「Zの形」のように見えるためZチャートと呼ばれています。

Zチャートでは、移動合計が右肩上がりになっていれば売上が伸びていることを表し、右肩下がりの場合は売上が減少傾向にあると見て取れます。

流動数曲線

流動数曲線とは、同じ製品を繰り返し作る部品メーカーなど、大量生産型のメーカーに適した生産管理をするためのグラフです。別名、追番管理とも呼ばれています。

Zチャートと同じく、3つの数値を用いた折れ線グラフで、月次で見た商品の「累積計画」「累積実績」「仕掛品在庫」の3つの数量を使用します。

元々、ゼロ戦を製造していた中島飛行機(元スバル社)が考案した分析方法で、管理項目が少ないため、ひと目見たらすぐにわかるシンプルなグラフであることが特徴です。

必要なデータは実績数と生産計画数のみで、エクセルで簡単に流動数曲線の作成が可能です。

在庫分析で活躍するツール

ここでは、在庫分析で活躍するツールをご紹介します。

エクセル

在庫分析で活用するツールで代表的なものはエクセルです。一般的な企業では日々業務で活用しているため、エクセルは誰でも扱いやすいところがメリットです。しかし、小規模の活用であればエクセルでの分析が十分ですが、複数店舗などの大規模のデータを取り扱うにはエクセルでは限界があります

また、複数人で同時に入力することが不可能なため、やはり小規模向けのツールと言えるでしょう。

BIツール

BIツールとは、さまざまな場所に点在するデータの収集から、分析や加工まで実施できるツールです。

小規模向けのエクセルとは異なり、ビックデータなどをかけ合わせ、より深い分析ができます。

また、膨大なデータをグラフ化することも可能で、初期にデータの取り込みを設定しておけば、自動的にデータが更新されていく機能も搭載しています。

経営層に重宝され、単時間でタイムリーで正確な情報を把握できるため、最新の分析結果からその後の戦略を練ることが可能です。

しかし、BIツールの機能をフルに活かすためには、専門的な知識をもった人材が必要です。もし、ノウハウの無い人が構築する場合には多大の時間を要するでしょう。

まとめ システム化によって簡単に在庫分析を実現しよう!

在庫分析をすることで、不良在庫を見極めて人気のない商品は廃盤や処分などの措置を講じます。それによって、ムダにかけていた倉庫代のコストをカットし、新たに生まれたスペースには人気の商品を保管することで、売上や利益の向上を実現します。

在庫分析といっても手法はさまざまあります。在庫回転率や在庫回転期間などを算出して、サイクルの速い商品を見極め、交差比率の分析によって利益率の高い商品を特定します。

これらの状況を可視化するためにはグラフの活用も不可欠ですが、大規模のデータを管理・運用するにはエクセルでは限界があります。また、BIツールについても専門的な知識がなければ管理・運用には多大なリソースを要します。

しかし、システム化をすればこれらの問題を解決できます。日々の煩雑な管理や運用の工数を削減でき、在庫回転率、在庫回転期間なども特別な設定も必要なく、在庫の状況を可視化できます。

これを機に、システム化をご検討されてみてはいかがでしょうか。

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