ECサイトやネットショップなどで商品を販売する場合、受注フローを正しく理解しておく必要があります。
しかし、最近ECサイトを立ち上げたばかりの方やこれから販売業務を開始しようと考えている方の場合、受注フローのすべてをイメージすることは難しいでしょう。
そこで、本記事では、商品の受注業務フローを順に解説していきます。
受注フローを理解することで、業務効率化などにも活かせますので、ぜひ最後までご覧ください。
受注業務とは?業務内容を確認しよう
受注業務とは、お客様からの注文情報を基に注文データなどを販売管理システムへと取り込み、工場や倉庫などに出荷指示をかける業務です。
見積書の作成や注文情報の登録、商品在庫の確認、納期日の確認、納品、注文書の作成などが受注業務にあたります。
一般的な受注業務フローをわかりやすく解説
それでは、商品の販売・受注はどのような手順で進んでいくのでしょうか。
本項目では、商品の販売・受注フローを詳しく説明していきます。
フロー1 受注管理:見積書の作成や契約の締結
第1ステップでは、受注管理を行います。
見積書の作成や契約の締結、受注などが受注管理に含まれる作業です。
企業間で取引を行う場合、実際の取引を行う前に商品の個数や金額、納品日などの情報から金額を提示します。
この際に、提示する書類が「見積書」です。
見積書は、商品の発注を行う企業が作成し、見積書の内容で合意が取れれば契約締結となり、契約書などの発行へと移ります。
ここまでの業務が受注管理です。
フロー2 出荷管理:商品の出荷や納品確認
受注管理が完了すると、第2ステップとして、出荷管理へと移ります。
出荷管理の作業を大きくわけると、「出荷作業」と「納品作業」の2つです。
出荷作業とは、商品を出荷するために必要な書類を作成し出荷指示を出すなど、受注した商品を出荷するための作業のことを指します。
工場や倉庫の管理者と連絡をとり、納期に間に合うように商品を出荷する業務が主です。
出荷が完了すると納品作業へと移ります。
納品作業では、出荷した商品が問題なく届いたかを確認したり、納品伝票の作成や受領書の発行をしたりすることが一般的です。
これらの業務を出荷管理といいます。
フロー3 請求管理:請求書の発行や振込の確認
出荷管理が完了すると、第3ステップとして、請求管理に入ります。
当たり前ですが、商品を納品して終わりではなく、納品した商品に対しての代金を回収しなければいけません。
請求管理では、請求書の発行や振込の確認を行い、代金が間違いなく支払われたか確認します。
万が一、期日までに代金が支払われていない場合は、相手方に連絡し、いつ代金を支払っていただけるかを確認しなくてはいけません。
フロー4 在庫管理:在庫数の把握・確認
第4ステップでは、在庫管理を行います。
日々受注を受けて商品を発送しているため、倉庫などに保管してある商品の在庫数は常に変動します。
在庫管理を行う目的は、在庫が現状どのくらいあり、いつ仕入れればよいのか、そのタイミングを把握することです。
また、お客様から商品の在庫に関する問い合わせを受けることもあるため、その質問に返答できるように常に最新の在庫数を確認できるよう準備しておきましょう。
フロー5 仕入管理:不足商品の発注など
最終第5ステップでは、仕入管理を行います。
仕入管理は、一つ前の第4ステップの在庫管理の在庫数をもとに、商品の仕入数や入荷時期を調整する作業です。
仕入管理を適切に行うことで、商品の在庫数も適切に管理され、在庫を切らしてしまうリスクを抑えられます。
お客様に迷惑などをかけることなくショップ運営などを行うために、重要な業務といえるでしょう。
受注業務では各フローごとに帳票が必要!必要な帳票とは?
帳票とは、取引や会計に関する情報をまとめた記録書類で、見積書や注文書、納品書などが該当します。
受注業務は見積りや注文、納品といった複数フローに分かれているため、現在の取引状況を把握するためにも、各フローごとに帳票を作成することが重要です。
本項目では、見積書、注文書、納品書の3帳票について解説していきます。
見積書|双方の認識にズレがないかを確認
見積書とは、納品する商品の個数や金額、取引成立条件を、実際に取引が開始される前に受注者が発注者に対して提示する書類です。
見積書を発行することで、受注側と発注側の双方で認識のズレが発生することを防げます。
もし両社の合意が取れない場合は、再度見積書の作成を行う必要があるため、見積書作成は複数回繰り返される場合もあるでしょう。
双方の合意がとれてはじめて、受注や契約に進みます。
注文書|見積書よりも具体的な内容を記載
注文書とは、発注内容を記載した書類のことで、発注者が受注者に対して作成する書類です。
受注者は注文書の内容を確認し、内容に問題がないかや、対応の可否を判断した後、契約などを行います。
そのため、見積書に比べ注文書には購入する商品の個数や、どのようなサービスを発注するかなどが正確に記載されているのが特徴です。
両社に注文内容の問題がなければ、その内容通りに受注者はサービスを提供し、納品に進みます。
納品書|トラブル防止のために発行
納品書とは、商品を納品した証拠として発行されます。
納品書は、発行が義務づけられている書類ではありませんが、支払額の提示や行った作業の証拠として残るため、納品後のトラブル防止のために発行しておきましょう。
受注フローの3つの改善方法
効率的に受注管理を行うためには、業務フローの改善も必要です。
本項目では、受注管理における改善ポイントを3つ紹介します。
改善方法1 各帳票をペーパーレス化・電子化する
帳票を紙で管理する場合、管理面で工数が増えるなどのデメリットが発生します。
また、紙は劣化するだけでなく、火や水にも弱いです。
そのため、災害が発生した場合紛失する可能性も考えられます。
さらにセキュリティなどを考慮した管理場所が必要となるなど、紙で管理することで、作業コストや費用コストが発生してしまうでしょう。
そのような問題を解決するには、各帳票を電子化するのがおすすめです。
書類を電子化することでデータ上で管理することが可能となり、保管作業の手間などを削減できます。
また、電子データとして書類を送受信できるため、郵送の手間やFAXの手間を省くことも可能です。
さらに、データのバックアップとしてクラウドにデータを保管しておけば、災害が起きた際でもデータが消えてしまう可能性を下げられます。
管理のしやすさなどの観点から、各帳票はペーパーレス化しておくとよいでしょう。
改善方法2 一部の業務を自動化する
受注業務をシステムによって自動化することも、業務の効率化につながります。
自動化により、見積書や注文書の自動作成や、商品在庫をシステムによって管理することが可能です。
これにより、今まで電話やメールで在庫確認をしていたのが、Webシステムによって在庫数などが可視化され、すぐに在庫数を調べられるようになります。
それだけでなく、すべて手入力で作成していた帳票なども、必要な情報をシステムに入力するだけで自動で帳票を作成することなども可能なため、大幅に作業コストを減らせるでしょう。
改善方法3 在庫情報をクラウド上で確認できるようにする
在庫情報をクラウド上に保存しておくと、どなたでも瞬時に商品の在庫を確認できます。
それにより、わざわざ倉庫まで在庫を確認しに行く手間や電話・メールで担当者に在庫の有無を確認する必要がありません。
在庫情報の確認が遅いと、出荷の遅延やお客様からのクレームにもつながるため、在庫情報はクラウドにて保存し、関係者が簡単に確認できるようにしておきましょう。
受注フローの改善によるメリット4選
ここまで受注フローの改善方法について解説しましたが、それでは改善することでどのようなメリットを受けられるのでしょうか。
考えられるメリットは下記の通りです。
- クリエイティブ業務にかける時間を増やせる
- データを活用したマーケティングが可能になる
- 人的ミスを減らすことができる
- 教育や引継ぎにかかるコストや時間を削減できる
それぞれ解説します。
1.クリエイティブ業務にかける時間を増やせる
受注業務に時間がかかってしまうと、本来最も大切なクリエイティブ業務にかけられる時間が少なくなってしまいます。
しかし、企業の売上を上げていくためには、「新商品の開発」や「集客」、「分析」といったクリエイティブ業務に時間をかけなければいけません。
そのため、システムなどの導入で受注業務などを効率化できれば、クリエイティブ業務にかけられる時間を増やすことができ、企業の成長や業績アップにつなげられるでしょう。
2.データを活用したマーケティングが可能になる
ECサイトなどで商品を販売している場合、受注管理システムを導入することで、購入されたタイミングや時期、行った施策などがデータとして保存されるため、そのデータを活用したマーケティングが可能となります。
商品ページへのアクセス数や顧客の情報など、さまざまなデータの入手も可能になるため、より自社のECサイトで商品を購入してくれそうなお客様へのアプローチが行えるでしょう。
それにより、売上アップなどを見込んだ施策を展開できます。
3.人的ミスを減らすことができる
管理業務が複雑化しているとヒューマンエラーが発生しやすくなります。
そのため、業務を自動化することによって効率化されるだけでなく、管理面でもシンプルになるため、ヒューマンエラーを防げるでしょう。
さらに、在庫数の管理や会計など、計算を必要とする業務は人間よりも機械の方が確実なため、機械に任せることがおすすめです。
4.教育や引継ぎにかかるコストや時間を削減できる
新人への教育や別の担当者への引継ぎは手間と労力がかかります。
とくに管理業務が効率化されていない場合、それぞれの担当者が独自のやり方で管理しているケースも多いため、後任者が理解しにくい体制となってしまいかねません。
しかし、受注管理システムなどを導入し、業務の効率化がされていれば、受注管理システムの操作方法や管理の流れなどを説明するだけで教育・引継ぎが完了します。
これにより、急な担当者替えにも柔軟に対応できるでしょう。
受注フローの改善には「ネクストエンジン」がおすすめ
ここまで受注フローを効率化するメリットなどを紹介しましたが、効率化するには受注管理システムなどを導入することがおすすめです。
その中でもとくにおすすめなのが、受注フローの自動化・効率化を行えるEC一元管理システム「ネクストエンジン」です。
ネクストエンジンには、受注管理や在庫管理、商品登録などEC運営の作業コストを削減するために必要な機能が多数あります。楽天市場やAmazonといった主要モールはもちろん、対応モール・カートが豊富なのが特徴です。
受注管理システム(OMS)について詳しく知りたいかたは以下の記事もご参考ください。
受注管理に関する資料を無料でダウンロードできます。ご興味のある方はぜひ以下からチェックしてみてください。
まとめ:受注フローを把握し、業務を効率化しよう
本記事では、受注業務フローについて解説しました。受注フローは手順が多く、複雑化しやすいため、効率化や自動化は必須といえます。
本記事を通して受注フローを理解できた方は、ぜひ自社の受注業務の自動化・効率化に努めてみてください。
また、受注フローの効率化にはシステムの導入がおすすめです。自社が求めている機能があるシステムを導入し、作業コストを削減しましょう。