昨今、多くの企業やブランドがSNSアカウントを運用し、ECサイトへの集客に活用するケースが増え、顧客との関係構築に欠かせない役割になってきています。
しかし、SNSと一括りにしても、それぞれのプラットフォームには異なるユーザー層や、好まれるコンテンツの傾向があるので、効果的に活用していくには特徴を理解し、適切な戦略を立てていくことが重要です。
本記事では、ECサイトにおけるSNSの役割を解説するとともに、各SNSの特徴や事例からみる「成功するための秘訣」をご紹介します。
EC運営をしているみなさまの今後の運営にお役立ていただければ幸いです。
SNS活用の重要性と成長する市場
日本国内におけるSNS利用者は年々増加しています。
2024年末には、SNSのアクティブユーザーは8,452万人に達する見込みで、これは国内ネットユーザー(1億704万人)の約79%に相当します。
さらに、2024年度 SNS利用動向に関する調査によると、2026年末には8,550万人に拡大し、ネットユーザー全体に占める利用率は80.1%に達する見通しとなっています。
日本の総人口が減少傾向にある中でも、SNS利用者が増加している背景には、行政手続きや医療サービスなどのデジタル化が進んだことが挙げられます。
これにより、若年層だけでなく高齢者層においてもスマートフォンの普及が広がり、SNSの登録者数や利用者数の増加につながっています。
このようなSNS利用者の増加は、ECサイト運営においても大きなチャンスです。
多くのユーザーにリーチできるSNSを活用することで、ターゲット層に効果的にアプローチし、売上アップを狙うことができます。
ECサイトにSNSを活用するメリットと注意点
ECサイト運営においてSNSを活用することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
また、活用する際に注意すべきポイントについても押さえておくことが重要です。
メリット①認知度が抜群にあがる
ECサイトを成功させるには、より多くの人に知ってもらいファンを増やすことが重要です。
SNSは拡散力が高く、広告や検索だけでは届かない潜在層にもアプローチできます。
話題性のある投稿や魅力的なビジュアル、ハッシュタグやリポスト機能を活用することで、広告費をかけずに短期間でブランドの認知度を高めることが可能です。
さらに、リアルタイムでユーザーの反応を確認し、柔軟に施策を調整できるのもSNSならではの強みです。
メリット②コストを抑えて自分で集客ができる
SNSなら、広告費を抑えつつ自分の手で簡単に集客できます。
例えば、
- 商品の使い方を動画で紹介する
- お客様の声を投稿して信頼感を高める
- プレゼントキャンペーンで話題を作る
などといった方法は、特別なスキルがなくても始めやすく、すぐに実践できるため、EC事業者が手軽に取り組める集客方法としておすすめです。
メリット③リアルタイムでトレンドを確認できる
SNSは、多くのユーザーが日々の関心ごとや話題を投稿しており、人気のキーワードや注目の出来事がすぐに可視化されるのが特徴です。
そのため、今まさに話題になっているトレンドに素早く対応し、ユーザーの関心を引く投稿がしやすくなります。
- 人気のハッシュタグに関連する商品を紹介する
- 注目度の高いキーワードを活用して検索に引っかかりやすくする
といった工夫で、拡散のきっかけを作りやすくなり、SNSならではの「今まさに話題になっていることがリアルタイムで見える」強みを活かすことで、タイミングを逃さない効果的な集客が可能になります。
メリット④フォロワーとの関係が構築できる
また、一方的に情報を発信するだけでなく、ユーザーと直接コミュニケーションをとれる場としても活用できます。
たとえば、投稿に寄せられたコメントに返信したり、アンケート機能を使って意見を募ったりすることで、フォロワーとの距離が縮まり、親しみやすい関係を築くことができます。
さらに、商品の使い方を紹介する投稿や、プレゼントキャンペーンなどを実施することで、フォロワーとの接点が増え、「応援したい」「また利用したい」と思われる関係づくりにつながります。
こうしたコミュニケーションの積み重ねが、信頼感やファン化につながり、長期的な売上アップに貢献する可能性があります。
注意点①効果の発揮に時間がかかる
SNSは即効性のある広告とは異なり、効果が出るまでに時間がかかる場合があります。
フォロワーの獲得やエンゲージメントの向上は、地道な投稿やコミュニケーションの積み重ねが重要です。
成果を焦らず、コツコツと情報を発信し続けることで、徐々に信頼とファンが増えていくでしょう。
注意点②運用に手間がかかることも
手軽に始められる一方で、効果的な運用には意外と時間と手間がかかることもあります。
- 定期的な投稿の準備やスケジュール管理
- コメントやメッセージへの対応
また、こうした運用を任せられる最適な担当者がなかなか見つからないという悩みもよくあります。
無理なく運用を続けるためには、役割分担を決めたり、便利なツールを活用したりするのがポイントです。
注意点③炎上やネガティブなコメント対応をする可能性がある
拡散力が高い分、意図しない投稿が話題になり炎上につながるリスクがあります。
また、商品のトラブルやサービスに関するクレームなど、ネガティブなコメントが寄せられることもあります。
炎上を防ぐためには、投稿内容を事前にしっかり確認し、誤解を招く表現がないか注意することも重要です。
代表的なSNSの特徴を知ろう
SNSと一口に言っても、ユーザー層や特徴はさまざまです。
それぞれのSNSの特性を理解し、自社ECサイトに合った活用方法を見つけることで、より効果的な集客や売上アップが期待できます。
ここからは、主要なSNSの特徴や活用ポイントをご紹介します。
Instagramの特徴とECサイトでの活用ポイント
Instagramは、写真や動画が中心のビジュアル重視のSNSです。
特に20〜40代の女性ユーザーが多く、ファッションや美容、インテリアなど、視覚的な魅力が伝わる商材と相性が抜群です。(出典:総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書)
ハッシュタグを活用すると投稿が見つけられやすく、ストーリーズやリールなど短い動画コンテンツは、商品紹介や使い方の発信に効果的です。
活用ポイントとして、ショッピング機能を使えば、投稿から商品ページへ直接誘導でき、購入までの導線をスムーズにできます。
視覚的な魅力を活かした投稿や、トレンド感のあるコンテンツを意識することで、より多くのユーザーにアプローチできます。
認知拡大から販売促進、ファンづくりまでを一貫して行える強力なツールで、SNSに初めて挑戦するEC事業者さまにもおすすめです。
X(旧Twitter)の特徴とECサイトでの活用ポイント
X(旧Twitter)は、拡散力とリアルタイム性が強みのSNSです。
リツイート機能を活用すれば、フォロワー以外にも投稿が届きやすく、新商品やキャンペーン情報の拡散に適しています。
リアルタイムで情報を発信できるため、セールや在庫状況などを即座に知らせるのに便利です。
さらに、トレンドの話題やハッシュタグを活用すれば、新たなユーザー層にもリーチできます。
10~30代の若年層に人気があり、特に20代の利用率が高く、40~60代の利用者やビジネスアカウントの経営者も多く、幅広い世代にアプローチできるのも特徴です。
リプライや引用リツイートを活用して気軽に交流することで、親しみやすいブランドイメージを作り、ファン化を促進できます。
認知拡大から顧客との関係構築まで幅広く活用できる強力なツールです。
TikTokの特徴とECサイトでの活用ポイント
TikTokは動画がメインのSNSでフォロワー数に関係なく、新規投稿が一定回数まで自動再生される仕組みが特徴です。
これにより、アカウントを開設したばかりでも視聴されるチャンスがあり、EC事業者にとって心強いツールです。
特に重要なのは、再生開始の数秒で視聴者の興味を引くこと。
驚きや共感を呼ぶシーン、ユニークな演出を取り入れると、スクロールを止めてもらいやすくなります。
例えば、商品の意外な使い方や、思わずクスッと笑える演出を交えた動画が効果的です。視聴者が「誰かにシェアしたい!」と感じるコンテンツが、投稿ヒットのカギになります。
10〜20代の若年層ユーザーが多いため、ファッション、コスメ、ライフスタイル商材などのPRに向いています。
YouTubeの特徴とECサイトでの活用ポイント
YouTubeは、世界最大級の動画プラットフォームで、幅広い年齢層のユーザーが利用しています。
検索エンジンとしても機能し、「調べもの」や「ノウハウ探し」のために活用されることが多いのが特徴です。
EC事業者にとっては、商品の使い方や活用シーンの紹介が効果的です。
例えば、キッチン用品なら「3分で作れる時短レシピ」、ファッションなら「1着で5パターン着回し」など、具体的な活用イメージが伝わる動画がおすすめです。
また、ビフォーアフターやスタッフの愛用品紹介など、視覚的に変化やこだわりが伝わる内容も人気です。
動画の最後や概要欄にECサイトへのリンクを設置することで、スムーズな購入導線を作れます。
LINEの特徴とECサイトでの活用ポイント
LINEは、国内で最も利用者が多いSNSの一つで、幅広い層にアプローチできるのが強みです。
EC事業者にとっては、「お知らせ」や「クーポンの配信」「キャンペーン案内」など、リピーター獲得や関係強化に役立ちます。
LINE公式アカウントの「リッチメニュー」を活用すれば、ECサイトのカテゴリや人気商品ページにワンタップで誘導でき、購入のハードルを下げられます。
またLINEに登録している相手に一斉に同じメッセージを送信できる機能があり、メルマガの開封率が10~30%に対し、LINEのメッセージ開封率は60%を超えるというデータも。
情報を確実に届けたいEC事業者にとって、強力な味方です。
▼LINEの活用方法については、こちらの記事でも詳しく紹介しています
Facebookの特徴とECサイトでの活用ポイント
Facebookは実名登録が基本のSNSで、信頼性の高いコミュニケーションが行われやすく、30〜50代の購買意欲の高いユーザー層にアプローチできます。
企業ページやグループ機能を通じた情報発信やファンとの交流で、信頼感の醸成やリピーター獲得にもつなげられます。
「いいね」するとシェアはされるものの、X(旧Twitter)ほどの拡散力は期待できません。新規顧客の獲得よりも、既存顧客との関係維持やサポートに適しているといえます。
また、meta広告をうまく活用すれば、興味関心に応じた効率的なアプローチが可能で、商品やサービスの認知度向上、 ウェブサイトやアプリでの商品購入に誘導もできます。
ECサイトの集客に効果のあるSNS活用事例
では、各SNSを効果的に活用している成功事例をみていきましょう。
これからブランドの魅力を効果的に伝えたいと考えている方は、是非参考にしてみてください。
Xの活用事例
「Yogibo japan」は、快適でリラックスできるビーズソファや、クッションなどのインテリアアイテムを取り扱うブランドです。
リポスト機能を活用した投稿の拡散、季節感のあるコンテンツ、ハッシュタグキャンペーンの実施がポイントです。
例えば、「ミントの日」にちなんだ投稿では、爽やかなミントカラーの商品を紹介しつつ、新生活応援キャンペーンと組み合わせることで購買意欲を引き出しています。
さらに、バレンタインやホワイトデーに合わせたお返しにぴったりな商品提案など、時期に応じた訴求が秀逸です。
また、視覚的に魅力的な画像や、思わずシェアしたくなるユニークなコピーも強み。
これらの工夫により、Yogibo Japanは多くのユーザーと積極的にコミュニケーションを図り、ブランドの魅力を効果的に伝えています。
Yogibo japanのXアカウント:Yogibo japan
instagramの活用事例①
とよす株式会社が運営する、ちょっと贅沢なつまめるかきたねを販売する「かきたねキッチン」
多彩なフレーバーや、季節感を意識したカラフルな商品展開が特徴で、クリエイティブには思わず目を引かれます。
贈り物としての魅力やシーンに応じた楽しみ方を提案する投稿も多く、思わず手に取りたくなる印象を与えています。
また、ハッシュタグを活用したユーザー参加型のキャンペーンを実施し、フォロワー数や認知度を効果的に高めているのも特徴です。
これにより、食べたことがないけれど気になっていたという新規顧客層の取り込みにも成功しています。
かきたねキッチンのInstagramアカウント:kakitanekitchen
Instagramの活用事例②
レディースファッションブランド「Re:EDIT」は、Instagramのリール機能を活用し、コーディネート提案や商品の着こなし例を動画で紹介しています。
リール機能でファッションの楽しさを伝え、役立つ情報を発信することで投稿は保存やシェアされやすく、ブランドのファン獲得につながります。
また投稿内にショッピング機能を組み込み、ユーザーが気になった商品をそのまま購入できる導線を整えています。これにより、閲覧から購入へのスムーズな流れを実現しています。
視覚的に魅力的なコンテンツが多く、ユーザーの関心を引きつける工夫が多く見られます
Re:EDITのInstagramアカウント:reedit_official
LINEの活用事例
トータルビューティーブランド「uka」は、LINEを活用してブランドの世界観を発信しながら、ユーザーとの継続的な接点を作っています。販売促進だけでなく、エンタメ要素を取り入れたコンテンツを配信し、クリック率向上につなげているのが特徴です。
例えば、新年には「おみくじキャンペーン」を展開し、エンゲージメントを高める施策を実施。ただ商品を紹介するのではなく、ユーザーが楽しみながら参加できる企画を提供することで、ブランドへの親しみを深めています。
また、メニューバーには「マイページ」「予約」「サブスクリプション」といったユーザーの利便性を考えた導線設計を採用。
ネイルオイルやシャンプー・コンディショナーなど、カテゴリーごとに最適なタイミングでプロモーションを実施し、期間限定のキャンペーンで購買意欲を刺激しています。
ECの売上向上に加え、継続的なブランドロイヤルティの醸成にも成功している好例といえるでしょう。
ukaのLINEアカウント:uka公式アカウント
▼ECサイトの集客施策については以下の記事でも詳しく解説しています。こちらもご参考にしてみてください。
ECサイトにSNSを活用する際のまとめ 成功事例に学ぶ集客とファン形成のコツ
SNSは、ECサイトの集客やファンづくりに欠かせない存在です。
拡散力の高さやリアルタイムの対応力を活かし、商品紹介やキャンペーン、ユーザーとのコミュニケーションを通じて効果的に活用できます。
また、成功している企業の事例からは、ターゲットに合わせたコンテンツの工夫や、話題のトレンドを取り入れた施策が鍵であることがわかります。
一方で、継続的な発信や適切な対応が求められるため、無理なく運用するための工夫も重要です。SNSの特性を理解し、自社に合った方法で取り組むことで、長期的な成果へとつなげていきましょう。
EC運営をラクにするならネクストエンジン

SNSを活用して多くのユーザーにアプローチすることは売上アップに効果的ですが、複数のチャネルを運用していると、受注や在庫管理が煩雑になりがちです。
そんな時に役立つのが、ECの一元管理システム「ネクストエンジン」。
効率的に運営しながら売上アップを目指すなら、SNS活用と合わせて導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ネクストエンジンは複数のネットショップを一元管理し、受注管理・在庫管理・商品登録など、EC業務のバックヤードを自動化・効率化することができるシステムです。
おもな機能は以下のとおりです。
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料金は初期費用なしで基本料金3,000円(+受注件数に応じた従量課金。月200件までの受注件数なら従量課金なし)とネットショップをこれからはじめる方にも安心の価格です。
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本記事でも紹介した、ネクストエンジン導入企業の1つであるとよす株式会社様からは、「在庫管理の自動化や受注処理の効率化が進み、EC運営の業務負担を大幅に削減できた」とのお声をいただいています。
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