ECでセット販売をするには?考え方・具体例などを紹介!

ECのセット販売は、客単価を高めつつ在庫を早く減らせる効果があるので、売上向上を含めたさまざまなメリットがある施策です。しかし、ECのセット販売は難易度が高く、いくつかデメリットも存在するため、導入を躊躇している方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ECでセット販売する方法や必要な考え方を解説するので、ぜひ参考にしてください。

セット販売とは?

セット販売とは、複数の商品を2つ以上組み合わせて販売する販売手法のことです。例えば、ジャケットとスラックスを組み合わせ、セットアップ商品として販売するといったシーンが該当します。

ユーザーにとって魅力的なセットを組めれば、単体で販売するよりも購買意欲を高められるのは言うまでもありません。また、ユーザーも商品を単体で購入せず、まとめ買いした方が買い物の手間が省けるので、売り手と買い手の双方にメリットがあります。

バンドル効果とは?

バンドル効果とは、商品を単体で販売するのではなく、セット販売した方が売上が伸びるという法則のことです。

売上が伸びるのは、以下の2つの要因が関係しています。

  • 購買意欲の増加によって過剰在庫が減る
  • 利益率の高い商品と低い商品を組み合わせられる

セット販売の多くは、単体での販売よりも1商品あたりの値段が安いため、ユーザーにお得感を与えられます。販売数が伸びれば、売れ残りも減るため、在庫管理にも必要以上のコストがかかりません

さらに、利益率の低い商品と高い商品をうまく組み合わせれば、客単価の向上が期待できます。今まで売れ残っていた利益率の高い商品を捌ければ、売上の向上に高い効果が期待できるでしょう。

セット販売の考え方

セット販売は、闇雲に商品を組み合わせても売上の向上効果が見込めません。明確なプランを立てて、ユーザーが購入したくなるように工夫することが大切です。

以下では、セット販売の考え方を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。

利益率の高い商品と低い商品をセットにする

利益率の高い商品と低い商品を組み合わせ、購入につなげられれば、客単価を伸ばせます。

普段売れ残っている利益率の高い商品でも、ユーザーにとって売れている商品と一緒に購入するメリットがあれば、セット販売により効率よく購入へとつなげることが可能です。

ただし、ユーザーに人気のない商品を、無理やり人気商品とセットにするのは避けましょう。これは「抱き合わせ商法」と呼ばれ、独占禁止法により不公正な取引方法のひとつと認定されてしまう恐れがあります。

あくまで、ユーザーにとってニーズのあるセットにすることが大切です。

セットに付加価値をつける

複数の商品をセットにしても、ユーザーにとって付加価値がなければ、購入数の増加は期待できません。セット販売で売り上げを向上させるには、付加価値をつけることが大切です。

具体的には、単体での販売よりも販売価格を下げたり、セット商品購入者限定のノベルティをプレゼントしたりするとユーザーの購買意欲を高められます

お客様にニーズのあるセットにする

セット販売用に商品の組み合わせを考える際は、ユーザーのニーズを考慮することが大切です。セット商品のそれぞれに関連性や互換性がなければ、ユーザーの購入を促すことは難しいでしょう。

例えば、野球用のグローブを購入したユーザーは、キャッチボールをするためにボールも必要だと考えます。そこにグローブとボールのセット商品があれば、ユーザーは購入を検討するはずです。逆に、グローブとセットでまったく関連性のない机をセットでつけられてもユーザーの購買意欲は刺激されないでしょう。

このように、商品同士の関連性や互換性を意識しながら、ニーズのある組み合わせを検討してみてください。

セット販売の具体例

セット販売には、割引率を指定するものや割引額を指定するものなど、さまざまな種類が存在します。

ここでは、セット販売の具体例を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。

定額値引きでのセット販売 

定額値引きとは、購入した商品数ごとに値引き額を指定する販売手法です。例えば、「3点以上購入で500円引き」などを設定しているケースが該当します。

これにより、普段は1点しか購入しない方でも、3点以上の商品を購入する可能性が高まります。販売側は客単価が上がるため、在庫数を減らせるとともに売り上げの向上も期待できます。

定率割引でのセット販売 

定率割引とは、指定した商品数以上を購入することで、一定割合の割引を実施する販売手法です。例えば、「対象商品を3つ以上購入すれば10%OFF」などを設定しているケースが該当します。

これは、アパレル商品を取り扱う店舗でもよく採用されており、期限のある食品や化粧品、シーズン商品を早めに捌きたい場合などに有効です。

さらに販売数を増やし、在庫数を減らしたい場合は、購入数に応じて割引率を高めるとよいでしょう。

定額固定でのセット販売 

定額固定とは、購入する商品の数や値段を指定し、単体での販売よりも安い価格で販売する手法です。これはスーパーのお菓子コーナーでよく採用されており、「お好きなお菓子を3つ選んで1,000円」などが該当します。

とくに、単価の低い商品をセットにする場合に有効であるため、客単価を上げたい場合に設定しましょう。

セット販売のメリット3つ

セット販売を行うメリットは、おもに3つ存在します。それぞれのメリットを解説するので、ぜひ参考にしてください。

お客様の購買意欲を高められる 

ユーザーにとってニーズのあるセットを組めれば、購買意欲を高めることが可能です。とくに、単体売りよりも1商品あたりの価格が安くなるようにセットを組めれば、お得に商品を購入したいユーザーの購買意欲を刺激できます。

購買意欲が高まると、その分だけ購入数・単価も上がるので、売上UPにつながるのは言うまでもありません。

在庫を減らせる 

セット販売で販売数が伸びれば、比例して在庫の減りも早くなります。とくに、シーズン商品や賞味期限のある食品といった販売期間が限られている商品が売れることで、その分の売上向上も見込めるのです。

在庫管理には、人件費・倉庫のスペース代・システム管理費など、さまざまなコストがかかります。在庫数を減らせれば、在庫管理の手間も減るので、入出庫作業の生産性の向上も期待できることもメリットのひとつです。

客単価を高められる 

セット販売によって、1人のユーザーが購入する商品数が増えるので、単体で販売するよりも客単価が高まります。客単価を上げる方法はほかにもありますが、セット販売はリスクがほとんどないと言えるでしょう。

例えば、客単価を上げようと商品の価格を上げてしまうと、購入するユーザーが減る可能性があるため売上が下がります。また、リピーターは割引セールや安売りイベントに関係なく来店を期待できる優良顧客であることから、リピート客を増やすことでも客単価が高まりますが、これは容易な方法ではありません。

一方、セット販売は、ユーザーにお得感を与えつつ顧客単価を上げられるので、最低限のリスクで客単価を高められます

セット販売のデメリット2つ

セット販売には、2つのデメリットが存在します。

以下で、それぞれのデメリットを詳しく解説するので、適切な対策を立てましょう。

倉庫内業務が複雑になる 

セット販売は、在庫管理の難易度が上がるため、倉庫内業務が複雑になります。同じ商品を単体で販売する場合と、セット売りの2種類の方法で販売している場合は、同じ商品でも、システム上は別商品として割り当てられる点に注意しなければなりません。

とくに、単体での販売とセット販売で保管スペースを分けずにいると、システム上の在庫数と実在庫で在庫差異が発生する可能性が高まります。最悪の場合は欠品扱いとなってしまい、販売機会を逃してしまうので注意しましょう。

商品情報の登録が複雑になる 

同じ商品でも単体での販売とセット販売では、システム上別商品として扱う必要があるため、商品情報の登録も難しくなります。在庫数の管理を徹底し、引き当てや在庫移動による在庫数の変動にも柔軟に対応しなければなりません。

また、在庫区分や商品マスタを分ける場合は、情報の入力ミスにも注意が必要です。マニュアルを作成するなど、情報伝達を確実に行うことで人為的なミスを防ぎましょう。

セット販売を行う際の注意点

セット販売を行う際の注意点は、おもに3つ存在します。

以下で、それぞれの注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

情報伝達を確実に行う 

セット販売による在庫差異や欠品を防ぐためにも、情報伝達は徹底しましょう。とくに、在庫の管理体制や出荷時の対応方法については綿密な打ち合わせが必要です。

例えば、単体での販売とセット販売で、本来は在庫の保管場所を分けているところに、情報の共有を受けていない担当者がいれば、区別せず商品を入庫してしまうかもしれません。さらに、ピッキング担当者がこれを知らずに商品をピックしてしまうと、在庫差異の原因となるため、情報伝達は確実に行いましょう。

商品コード、JANコードのすり合わせを行う 

商品コードやJANコードは、部署内や提携企業とすり合わせることが大切です。同じ商品でも単体での販売とセット販売で2種類の商品マスタが存在することを知らない担当者がいると、情報の登録ミスや出荷ミスが発生します。

また、引き当てのミスによりシステム上で欠品が発生すると、販売機会の損失にもつながるので注意しましょう。

商品コードについてよくわからないという方は、以下の記事も参考にしてください。

また、JANコードの取得方法についても以下で解説しています。

どの在庫の商品を使うのか明確にしておく 

セット販売では、どの在庫の商品を使うのか明確にしておくことが大切です。とくに、受注後にセット組を行う場合、ピッキングした商品のロケーションと引き当てを行ったロケーションにずれが生じれば、在庫差異が発生します。

このようなミスを防ぐためにも、担当者間でルールを共有しておきましょう。

ネクストエンジンならセット販売での在庫管理を自動化できる

セット販売における在庫管理を効率化させたい方は、ネットショップ・一元管理システム「ネクストエンジン」の導入をご検討ください。

ネクストエンジンには、単体商品の在庫から、セット商品の在庫数を自動で計算する機能が搭載されています。セット商品が売れれば、自動で単体商品の在庫数にも反映されるので、在庫差異が起きる心配がありません。

【セット商品の管理について】

さらに、手動で在庫調整を行う手間もなくなるため、生産性向上に伴い、売上の向上にもつながります。

ネクストエンジンの在庫管理についてさらに詳しくは、以下からお気軽に資料をダウンロードしてみてください。

まとめ:セット販売を賢く活用し、在庫を売上につなげよう!

セット販売は、客単価の向上や過剰在庫の削減につながるため、売上を伸ばすための手段として有効です。

しかし、在庫管理の難易度が上がり、在庫差異や欠品のリスクも増えるので、適切な対応が求められます。

セット販売に伴う在庫管理の複雑化は、システムの導入で解決できるケースが多いため、ミスを減らして効率的に売上を伸ばしたい方は、ぜひECショップ・一元管理システム「ネクストエンジン」の導入もご検討ください。

また、ECコンサルタント直伝の売上UPのノウハウをまとめた資料が以下から無料でダウンロードできます。こちらも、ぜひ参考にしてみてください。

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