【新制度対応】JANコードの取得方法を4ステップで解説!基本情報や注意点も!

ECサイトで商品を販売する場合、JANコードを取得することで商品の在庫管理の効率化など多くのメリットを得られます。しかし、これからEC運営を行う人の中には、JANコードについて詳しく知らず、取得方法がわからないという方もいることでしょう。2021年には制度の改定もされたため、本記事では改定での変更をふまえた上でJANコードに関する基礎情報を解説し、取得方法もあわせてご紹介するのでぜひ参考にしてください。

また、過去記事では商品コードとJANコードの違いについてもまとめています。ご興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。

JANコード取得前にまず知っておきたいこと

まずはJANコードに関する基礎情報から理解しましょう。

JANコードとは商品情報を記したバーコードのこと

JANコードとは、商品一つひとつに割り振られている商品情報を記したバーコードのことです。

JANコードは国際基準の識別番号となっており、「どの事業者の、何の商品か」という情報がバーコードに記録されています。

JANコードはJapanese Article Numberの略で、日本における呼称です。国際的にはEANコード(European Article Number)、またはGTIN-8、GTIN-13と呼ばれています。

JANコードは3種類のコードで構成されている

JANコードの基本は3種類のコードで構成されており、その内訳は右から順に、GS1事業者コード・商品アイテムコード・チェックデジットとなっています。

JANコードには、13桁の数字で構成されている標準タイプと、8桁の数字で構成されている短縮タイプの2種類があります。標準タイプは3種類のコードが使用されていますが、2021年の制度改定により、短縮タイプについては1商品ごとに8桁のGTIN-8ワンオフキーを貸与する方式に変更になりました。これから新規取得する方は対象ですし、既存の事業者の方でも有効期限が2021年10月以降であれば新制度の適用対象となりますのでご注意ください。

標準タイプは10桁(2021年の新制度から開始)か9桁または7桁のGS1事業者コード、2桁か3桁または5桁の商品アイテムコード、1桁のチェックデジットとなっています。短縮タイプはチェックデジットを含む8桁のワンオフキーが貸与されます。

JANコードを取得し、活用するまでの流れ

JANコードの取得方法を見ていきましょう。活用するまでの4つの流れを紹介しますので、JANコード取得時の参考にしてください。

①まずはGS1事業者コードを取得する

まずはJANコードを構成する1つ目のコードであるGS1事業者コードを取得しましょう。GS1事業者コードは、インターネットでの取得が主流ですが、書面の郵送によっても取得が可能です。

GS1事業者コードとはJANコード取得に必須の番号のこと

GS1事業者コードとは、JANコードの取得時に必要な9桁、または7桁の番号となります。また2021年8月以降は商品アイテム数の利用予定数が100アイテム以下の事業者に対して、10桁の事業者コードの付与も開始しました。

GS1ジャパン(一般財団法人流通システム開発センター)がコードを管理し、事業者に貸与しています。GS1事業者コードは、事業者単位で申請・登録を行い、1年ごとにGS1各国の情報管理水準に合わせて更新もしくは登録内容の変更をする必要があります

取得方法① オンラインで取得する場合

GS1事業者コードのオンライン取得は、以下の5つの手順で行います。

1.GL1ジャパンにアクセスし、新規登録を行うページに進む

2.メールアドレスを登録する

3.申請フォームを入力する

4.登録申請料を支払う

5.登録通知書を受け取る

まずは、GS1ジャパンのウェブサイト(https://www.gs1jp.org/)にアクセスし、トップページ上部にある「各種コード登録・概要」からプルダウンメニューを表示させます。その中から「GS1事業者コード・JANコード」を選択し新規登録ページに進みましょう。

メールアドレスを登録すると、登録したアドレス宛に登録用のリンクが送られてくるので、申請フォームを入力します。

申請が完了したら、登録申請料を指定の方法で支払い、登録通知書を受け取れば、GS1事業者コードの取得は完了です。

取得方法② 書面申請で取得する場合

オンライン上での申請が困難な場合は、郵送による書面申請を行うことも可能です。

郵送で手続きしたい場合は、新規申請のお問い合わせページから申請することができますが、オンライン上での手続きよりも、時間がかかるので注意しましょう。

②アイテムコードを設定する

次にJANコードを構成する2つ目のコードであるアイテムコードを設定します。アイテムコードの自動更新を解説するのでぜひ参考にしてください。

設定方法① 種類に応じたアイテムコードを設定する

アイテムコードは、商品の種類や色などに合わせて任意での設定が可能です。

GS1事業者コードが9桁の場合は、3桁の「001~999」の間で商品アイテムコードを設定し、GS1事業者コードが7桁の場合は、5桁の「00001~99999」の間、10桁の場合は「01~99」で設定します。

設定の際は規則性を持たせることが重要で、同じ商品に違う番号を付けたり、違う商品なのにほかの商品と同じ番号を付けることのないよう注意が必要です。

設定方法② チェックデジットを算出する

チェックデジットは、JANコード末尾の1桁の数字のことです。JANコードを読み取った際に、数字列の誤りがないかを検知するために利用されています。

GS1事業者コードと商品アイテムコードの数字をもとに、特殊な計算式を用いて算出されているので、計算方法が複雑です。

しかし、GS1Japanがチェックデジットを簡単に算出できる計算フォームを用意しているので、こちらを活用しましょう。

参照:GS1Japan 「チェックデジットの計算方法」

③JANシンボルを印刷・通知する

JANコードの取得後は、JANシンボル(バーコード)にして印刷し、取引先にJANコードを通知します。取引先に自社商品のJANコードを確認してもらい、さらに商品マスタに登録してもらうことで、商品管理の効率が上がります。

完成したJANコードを印刷する

完成したJANコードは、JANシンボル(バーコード)にして自社のバーコード印刷が可能なプリンターで印刷するか、印刷会社に依頼することで印刷できます。JANシンボルは、JIS規格によって定められた印刷サイズや品質基準に適合している必要があるので、不安な場合は印刷会社に依頼してください。

GS1Japanのホームページにも、JANシンボルの印刷可能な会社やバーコード検証サービスを行う会社の記載があるので、確認してみましょう。

取引先にJANコードを配布して通知する

JANコードを商品カタログや契約書などに記載して取引先に通知します。JANコードを確認した取引先は、自社の基幹システムに商品マスタを登録するので、在庫管理システム等を活用することで、効率的な在庫管理が可能になるでしょう。

商品の発送作業が効率化されるだけでなく、棚卸誤差防止や発送漏れの防止にも役立つため、事業者と取引先の双方にメリットがあります。

基幹システムや在庫管理システムについては下記の記事で詳しく解説しています。

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④定期的に更新する

2021年8月以降、新規登録の事業者は1年ごとの更新もしくは登録内容の確認が必要になりました(既存の事業者の場合、有効期限が2021年10月以降が対象)。また、登録申請料および更新申請料の支払いは1年払いと3年払いを選択できるようになっています。更新手続きの1〜2カ月前には必要な書類が届くので、JANコードを継続して利用する場合は必ず更新手続きを行いましょう。

JANコード更新方法① オンラインで取得する場合

有効期限の1〜2カ月前に「更新申請書」が届くので、更新申請書に書かれた申請IDを確認します。

その後は申請IDを使い、GS1Japanのホームページからメールアドレスの登録を行いましょう。登録したアドレス宛にURLが送られてくるので、アクセスしたら、申請フォームに必要事項を入力します。

更新申請料を支払った後、内容に不備がなければ約10営業日で更新後の内容が記載された登録通知書が届きます。これで更新手続きは完了です。

JANコード更新方法② 書面申請で更新する場合

有効期限の1〜2カ月前に「更新申請書」が届くのは、オンラインで更新する場合と同じです。

更新申請書に必要事項を記載し、更新申請料を支払った後に更新申請書を郵送で提出しましょう。

更新申請料を支払った後、内容に不備がなければ約2〜3週間で更新後の内容が記載された登録通知書が届きます。これで更新手続きは完了です。

状況に応じた変更/返還手続きも忘れずに

社名や住所など、事業者の情報が変更になった場合は、変更手続きが必要です。「登録事項変更届」に変更する項目を記入し、GS1Japanに提出します。

また、GS1事業者コードを利用しなくなった場合は、返還手続きが必要です。GS1Japanへ連絡し、「返還届」を提出しましょう。

JANコードを取得する4つのメリット

JANコードを取得することで、おもに4つのメリットを得られます。それぞれ解説していきますので、JANコードの取得をお考えの方は参考にしてください。

①販路の拡大 

JANコードを登録することで、JANコードの登録が義務付けられているECモールに自社商品を出品できるようになり、販路の拡大が見込めます。

JANコードの登録が義務付けられていないECモールにおいても、JANコードを登録しておくことで検索されやすくなり、売り上げの拡大が見込めるでしょう。

また、JANコードは世界共通の識別番号であるため、設定しておけば海外のECサイトに出品する際もスムーズな出品が可能です。

現在は自社サイトでのみ販売をしている場合でも、将来的にほかのECモールへの出店を考えているのであれば、事前にJANコードを設定しておくことをおすすめします

②業務の効率化 

JANコードを活用することで、発送前の検品作業や在庫管理業務を効率化できるでしょう。

JANコードが設定されていない商品の場合は、注文された商品と実物が一致していることを入念に確認する必要がありますが、JANコードが設定されていればスキャン1つで確認することが可能です。

商品を発送した場合の在庫変動も自動で処理されるため、手入力を行う手間がなくなるのも大きな利点です。

③誤配送の防止 

JANコードを活用することで、誤配送防止に役立ちます。スキャン1つで商品情報と注文情報を照合できるため、間違った商品がピッキングされている場合でも、システムが警告して知らせてくれます。

正しい商品を読み込まないと、明細書や送り状が出てこない仕組みにすれば、誤った商品を梱包してしまうというミスを抑えられるでしょう。

誤配送がなくなれば顧客満足度が上がるので、リピーターの確保やブランドの信頼性向上につながります。

④データ管理の効率化 

JANコードは国際的な識別番号なので、同一商品以外で同じ番号が付くことはありません。

そのため、異なるECサイトでも共通の商品として認識ができるので、データ管理が効率的に行えます。

注意!JANコードの取得数には上限がある

登録することで多くのメリットをもたらすJANコードですが、取得数には上限があるため、注意が必要です。

10桁のGS1事業者コードの場合は100アイテムまで、9桁のGS1事業者コードの場合1,000アイテムまで、7桁のGS1事業者コードの場合、10万アイテムの設定が可能です。

新たにGS1事業者コードを申請すれば、JANコードの上限を増やすことができるので、JANコードの上限に近くなってきたら、早めに申請しましょう。

JANコードの取得・管理にかかる費用

JANコードは、取得する際の登録料と更新する際の更新料がかかります。それぞれについて見ていきましょう。

登録料 

登録料は、事業者全体の売上高と支払い年数(3年払いor1年払い)によって異なります。初期申請料と登録管理費の合計が登録申請料です。

3年払い(消費税10%込み)

1年払い(消費税10%込み)

参照:GS1Japan「GS1事業コードの新規登録手続き」

更新料 

更新申請料は、貸与されているGS1事業者コードのコード数、事業者全体の年間売上高、支払い年数の組み合わせで異なります。

GS1 JAPANのサイトで更新申請料のシミュレーションができます(GS1事業者コード更新申請料シミュレーションページ)ので、そちらも参考にしてください。

まとめ:JANコードをうまく活用しよう!

JANコードを取得することで、販路拡大や、業務効率化やミスの削減が可能になります。

顧客満足度の向上を図り、自社の売り上げ拡大が図れるため、非常に重要な要素といえるでしょう。本記事を参考にして、JANコードを取得し、ぜひ有効活用してみてください!

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