受注残とは?在庫管理上の重要性や気をつけたいポイントを解説

受注残とは、受注した注文に対して、納品処理が完了していない未出荷状態のものを指します。

受注残の管理を疎かにすると、納品漏れや納期遅延などの恐れがあるため、受注残を正確に把握しておくことが大切です。

そこで本記事では、受注残の重要性や管理する上で気をつけるべきポイントなどについて解説します。

受注残とは受注後の発送前の商品残数のこと

受注残とは、受注後にまだ発送されていない商品残数のことを指します。

普段なんとなく使用している単語ですが、その意味を正確に理解しておくことは大切です。

ここでは受注残について、その意味や関連する用語について解説します。

英語で「バックログ」とも呼ばれている

受注残とは、別名バックログ(backlog)とも呼ばれます。

受注残は納品できていない商品のことのため、納品が完了していない以上、売上には含まれません。

そのため、注文を受けた金額は受注高という形で管理されます。

受注残は、作業の進捗状況を把握して管理する際に利用でき、受注残が減っていくにつれて、作業が進んでいるというように管理することが可能です。

受注残について販売管理のフローから見てみよう

販売管理は、見積管理→受注管理→出荷管理→売上・請求管理と分かれており、EC業務などでは、在庫管理や仕入れ管理という業務も存在します。

受注管理では、顧客から注文を受け、内容を作業現場に共有し、実際に出荷されるまでの工程を管理しなければいけません。

そのため受注残は、販売管理フローの受注管理のフェーズに含まれます

受注残に関する知っておきたい用語

受注残に関連して、発注残受注残高という似た用語も存在します。

ここではそれぞれの用語についてその意味や違いを解説します。

受注残と発注残の違い

まず発注残とは、商品などの仕入れを行うために仕入れ先に発注したものの、いまだに自社に納品されていない商品のことです。

受注残が自社で未出荷状態にある注文を指しているのに対し、発注残は自社に商品が到着していない状態を指します。

つまり、受注残と発注残の違いは、納品処理が未完了の状態にあるのが、自社か取引先かという違いです。

受注高と受注残高の違いを解説

受注高とは、顧客から注文を受けた金額で、将来入ってくる予定の金額です。

まだすべての商品の納品が完了しておらず、報酬が支払われていないことから、売上高とは区別されます。

受注残高は、受注高から売上高を引いた金額です。

つまり受注した金額のうち、納品が完了しておらず、まだ売上として計上できていない金額が受注残高となります。

受注残を管理する2つの重要性

受注残を管理することにはさまざまな目的があり、重要な業務のひとつです。

ここでは受注残を管理する2つの重要性について解説します。

重要性① 経営状態の把握につながる

1つ目は、経営状態の把握につながる点です。

受注残は、納品が完了するまでは売上に含まれませんが、完了後は売上高として計上されます。

そのため、受注残を適切に管理・分析することで、受注残の年次や月次の動きを理解でき、経営状態を把握することが可能です。

今後の受発注のペースを見直すことにも活用できるため、業務の効率化にも繋がります。

重要性② 納品に関するトラブル防止につながる

2つ目は、納品に関するトラブルを防止するという点です。

受注残を把握していないことで、倉庫在庫が足りなくなる原因となる可能性があり、その結果納品予定日に間に合わないといったトラブルにつながる可能性があります。

このようなトラブルを防止するためにも、受注残を正確に把握し、目に見える在庫数だけで在庫状況を判断しないことが大切です。

在庫管理は受注残になくてはならないもの?

販売管理フローにおいて受注残は受注管理に含まれているため、在庫管理と別物とされがちですが、実は両者は深く関係しています。

ここでは、在庫管理の重要性や受注残との関係性について解説します。

在庫管理は受注残を抜かりなく発送するために重要である

注文が入った際、倉庫内に必要な在庫数があれば、すぐに商品を発送することが可能です。

しかし同じ商品の注文が重なり、受注残の把握ができていない状態であれば、欠品のため顧客への納品が遅れてしまう可能性があります。

このようなトラブルを起こさないためにも、在庫管理と受注残はあわせて管理しておくことが重要です。

在庫管理の際に気をつけたいこと

在庫管理の際、商品の欠品は防がなければいけません。

在庫が尽きた状態や残りわずかの状態での発注は適切ではないため、在庫数が一定ラインを下回ったら発注を行うなど、発注ラインの基準になる数量を決めておくことが大切です。

過去の発送履歴などを参考に、今後必要になる商品数を予測し、常に必要な在庫を確保しましょう。

受注残の不備解消のためにチェックすべき3つの項目

受注残の不備は、配送遅延などのトラブルにつながるため、避けたいところです。

ここでは、受注残の不備を解消するためにチェックすべき3つの項目について解説します。

項目① 受注時には在庫を確保する在庫引当を同時に行おう

在庫引当とは、倉庫に保管してある実在庫数から、受注済みで将来出荷予定の商品数を分けて管理する手法です。

受注業務では、受注が確定してから実際に商品が倉庫から出荷されるまで、時間差が生じます。

そのため、在庫引当を行わず受注残を把握できていなければ、別の担当者が出荷可能在庫以上に注文を受けてしまうかもしれません

このようなミスを防ぐためにも、受注時には在庫の引当を同時に行うようにしましょう。

項目② 入荷・出荷予定の商品を正しく管理しよう

入荷・出荷予定の商品を正確に把握しておくことは、販売機会の損失を防いだり、トラブルやミスを防ぐために重要です。

基本的に、注文受付時に対象商品の在庫が0であれば受注はできませんが、納品予定日までに対象商品の入荷がある場合は、受注できます。

また、入荷・出荷予定を把握しておくことで、商品をどの受注案件の受注残に充てるかという優先順位の判断ができるのもポイントです。

項目③ 受注残を在庫や発注管理と連携させておこう

受注残を発注管理や在庫管理と連携することで、出荷や発注を適切に行えます。

複数の担当者で受発注業務を行っている場合、受注残の共有ができていないと、発注数が在庫数を上回ってしまうかもしれません。

手作業で在庫管理を行っている場合、関係者間での情報共有が困難なことがあるため、このようなミスが起こりがちですが、受注残を在庫管理や発注管理のシステムと連携させれば、一目で全従業員に周知できます。

そのため、全担当者が最新の受注残を把握できるため、適切な注文数で業務を行うことが可能です。

受注残管理はエクセルでも可能

受注残管理はエクセルでも可能で、エクセル自体の操作方法に慣れている方などに利用されています。

ここではエクセルで受注残管理を行う方に向け、入力すべき項目や便利な機能を紹介します。

エクセルに入力すべき項目一覧

受注管理表をエクセルで作成する場合、以下の項目を入力します。

  • 会社名
  • 連絡先(電話番号、メールアドレスなど)
  • 担当者(担当者の氏名、所属部署など)
  • 分類・種別(商品の分類や種別)
  • 品名(商品名)
  • 数量(受注した数)
  • 単価(商品の単価)
  • 注文日(受注した日)
  • 納期(納品日)
  • 商品コード(商品の型番など)
  • JANコード(商品のJANコード)
  • サイズ
  • 配送方法(配送会社、配送手段、配送日)
  • 対応状況(受注した商品の今の状態など)

セルに計算式を入力し、品番を入力すれば商品名が自動で表示されるように設定したり、金額の合計を自動で算出できたりすると作業効率が上がります。

自社で作成しやすいよう、必要に応じてカスタマイズしながら作成しましょう。

なお、商品コードやJANコードについては以下の記事で詳しく紹介しています。

エクセル入力時に便利な4つの関数

受注管理表をエクセルで作成する場合は、関数を使用することで作業効率を上げることが可能です。

関数を一度入力すれば、数字などのデータを入力するだけで、自動で計算が完了するため、計算後の数字を手入力する手間を省けます。

使用する関数は主に以下の4つが便利です。

①SUMIF関数

指定の検索条件に一致するセルの合計数値を算出できます。

受注管理では、特定の商品の合計のみを算出したい場合に役立ちます。

②VLOOKUP関数

縦列のセルから指定した条件を検索し、その条件に一致した行のセルからデータを抜き出せます。

受注管理では、大量に存在する商品情報の中から、ある1つの商品の値段を探したい時などに役立つ関数です。

③INDIRECT関数

INDIRECT関数は指定した文字が記載されているセルを参照できる関数です。

INDIRECT関数を使用することで、細かい分類分けを可能とするので、商品を大分類、小分類と分類分けしたい時に活用できます。

④ROUND関数

数値を指定した桁数で表示するよう四捨五入する関数です。

受注管理では、セール価格を算出し、端数を四捨五入する場合に活用できます。

エクセルでの在庫管理については以下の記事でも紹介していますので、ご参考ください。

エクセルでの管理はコストがかからないが労力を要する

エクセルは利用者が多く、低コストで管理ができるというメリットが存在しますが、その分労力を要するというデメリットも存在します

細かい関数を設定するのは大変で、複数の担当者で同時編集することに向かないため、入力作業にも時間がかかってしまうでしょう。

しかし、受注管理システムを利用すれば、データの一元管理化や作業の自動化が可能になり、ミスの削減や作業効率の向上が見込めます。

事業規模がある程度大きくなった場合や、複数のシステムを連携させる場合は、ツールの利用がおすすめです。

ネクストエンジンの受発注システムで受注残管理の効率化を図ろう

受注残管理の効率化には、ネットショップ・一元管理ツール「ネクストエンジン」がおすすめです。

ネクストエンジンでは、ECショップ運営に関するさまざまな業務の効率化が可能で、在庫管理に関する業務の効率化もできます。

主に効率化できるポイントは下記の通りです。

  • 複数店舗の在庫数を自動で連携できる
  • 上限在庫数の設定なども可能
  • 予約商品の在庫管理もできる
  • 発注アラート機能で発注漏れも防げる

など

このような機能を活用し、在庫状況や受注残を管理することで業務の効率化を図れます。

手動での管理はどうしても工数がかかってしまうため、ネクストエンジンのようなシステムを活用し、運営フローを見直してみてください。

実際にネクストエンジンを導入された事業者様からは「システムでしっかり在庫管理ができるようになったことで、クレームがなくなり、スタッフの精神衛生も向上した!」とのお声をいただいています。

受注管理に関する資料は以下から無料でダウンロードできます。ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。

まとめ:受注残を正確に把握し、管理ミスを防ごう

受注残とは、受注後にまだ納品が完了していない商品のことを指し、受注残を管理することが受発注のトラブルを回避することにつながります。

受注残はエクセルで管理することも可能で、そのためにおすすめの4つの機能についても紹介しました。

しかし、エクセルでの管理は労力を要するため、作業を更に効率化させるためには受発注システムである「ネクストエンジン」の導入がおすすめです。

今回の記事の内容を踏まえて、受注残管理の効率化を進めてみてください。

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