【わかりやすく解説】SCM(サプライチェーン・マネジメント)とは?普及背景やメリット・導入の流れは?

SCMという言葉をなんとなく聞いたことはあっても、その内容についてはよく理解ができていないという方は多いのではないでしょうか。

SCM(サプライチェーン・マネジメント)とは原材料の調達から商品の配達まで、商品・データ・財務の流れを管理し、無駄を削減する手法を指します

本記事では、SCMについてわかりやすく説明したうえで、SCMシステムを導入することにより得られるメリットを解説していきます。

自社の業務効率を改善したい方は、ぜひ最後までご覧いただき、参考にしてください。

SCMとは?

SCMとは、商品を供給する企業から、商品を購入した消費者に届くまでの流れの工程を効率化させる経営管理手法です。

ERPと意味が混同されがちですが、少し意味が違います。

ここでは、SCMについて詳しく解説します。

SCMとは経営管理の手法のひとつ

SCMとは経営管理手法のひとつで、商品を供給する企業から消費者に届くまでの工程を見直し、全工程の効率化を実現させるものです。

Supply Chain Management(サプライチェーン・マネジメント)の略語として使われており、アメリカのコンサルティング会社「Booz Allen Hamilton Inc.」(ブーズ・アレン・ハミルトン)のM.D.ウェーバーとK.R.オリバーが初めて提唱したとされています。

SCMのニーズの高まりと普及の背景とは

SCMのニーズが高まり、普及してきた背景としては、産業技術の発展やインターネットの普及によるものが大きな要因です。

近年ではECサービスが発展し、ネットショッピングやフードデリバリーを求める消費者が増えてきたことにより、物流が活発になりました。

また一方で、少子高齢化社会による人材不足で、ロボットやシステムを積極的に導入し、自動化を進めるためにSCMのニーズが高まってきたという背景もあります。

さらに、企業のグローバル化と共に各国の企業が世界中に拠点を置くようになり、流通プロセスの改善が図られたことも、SCMのニーズが高まった大きな原因のひとつとなります。

【間違いやすい用語】SCMは「手法」ERPは「考え方」

ERPはEnterprise Resources Planningの略で、企業の経営基盤である資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を仕分けし、それぞれ有効に活用するという考え方です。

SCMはERPとよく間違えられやすいですが、SCMが効率化するための手法を指すのに対し、ERPは考え方を指します

ERPシステムについては、以下の記事で解説していますので、こちらもご参考ください。

SCMで行う業務内容

SCMの業務は下記の4つにわかれます。

  • 計画
  • 実行
  • 評価
  • ネットワークデザイン

それぞれ解説します。

1.計画

会社の事業計画を基に、販売、生産、調達などそれぞれの計画を立てます。

自社内の情報や取引先の情報を精査することで需要予測の精度を高め、計画を実現性の高いものにすることが大切です。

より正確なデータを用いることで、無駄のない生産数や在庫量の計画をたてられます。

2.実行

実際に商品を作ったり、運んだりすることを指します。

利益を最大化するために製造、調達、物流、販売などそれぞれの工程の業務内容を改善し続けることが重要です。

3.評価

計画して実行したことに対して、それが予測通りであったかの評価を行います。

評価の方法はさまざまですが、KPIを用いて評価を行うこが有効的です。

実行に対して速やかに結果の分析を行い改善していくために、どのタイミングで評価を行うのかをあらかじめ決めておくとよいでしょう。

4.ネットワークデザイン

原材料や部品の調達先、商品の保管業者や配送業者など、外部企業との関係構築のことを指します。

外部企業との関係、すなわちネットワークを定期的に見直し、最適化を図ることは無駄なコスト削減のためなどにも重要です。

SCMシステムの導入によって得られるメリット3選

SCMを行うには、まずSCMシステムを導入することがおすすめです。

SCMシステムを導入することによって、適切な在庫量の維持やそれに伴うコストの削減など、多くのメリットを得られます。

ここでは主に3つのメリットについて解説しますので、導入する際の参考にしてください。

1.過剰在庫の改善・適切な在庫数量の維持ができる

SCMシステムを導入すれば、各サプライチェーンの在庫をリアルタイムで把握することが可能です。

在庫をリアルタイムで把握することで、過不足のない適切な在庫量を保ち、在庫スペースの圧迫や売上機会の損失を防ぎます。

在庫の適正化はキャッシュフローの流れを安定化させることにもつながるため、企業にとって重要な要素のひとつといえるでしょう。

2.物流コストや人的コストの削減につながる

企業の利益を最大化するためにコストの削減は永遠の課題です。

SCMを導入することにより、物流コストと人的コストを削減できます。

具体的には、商品の配送先である各小売店の在庫数を見える化し、明確にしておくことで、無駄な配送を減らし最適な配送ルートの設定が可能です。

配送ルートに無駄がないことで、配送回数や車両を減らすことができ、物流コストの削減に繋がります。

また、在庫管理などをシステム上で自動連携するようにしておけば、管理に割いていた人的コストを削減できます。

3.データの一括管理によって業務の効率が上がる

データを一括管理することで在庫情報が常に誰でも把握できるようになるため、確認作業にも余計な手間がかかりません。 

原材料の調達や小売店向けの発送などを無駄なく行い、問題が起きた場合でも早期対処が可能です。

業務の効率化は売上の向上と共に、人手不足解消にも大きく役立ちます。

SCMシステム導入の注意点4選

SCMシステムの導入は多くのメリットをもたらしますが、その効果を発揮するためにいくつか注意すべき点も存在します。

ここでは4つの注意点についてそれぞれ解説します。

1.費用面

SCMシステムの導入にはソフトウェアの開発・導入費用に加え、導入当初はシステムを運用できる人材も必要となるため、費用がかさみます。

しかし適切な製品を選び、SCMシステムの運用が軌道に乗れば、投じた費用以上に利益を生むでしょう。

導入時には費用対効果を考慮して、製品を選ぶことが大切です。

2.顧客の需要をおろそかにしない

業務の効率化に捉われすぎず、顧客視点を忘れないように意識しましょう。

これまでの販売実績などから顧客の需要を読み取り、利益の最大化を目指せば、人気商品の供給に集中しがちです。

そのため、人気商品の集中による業務の効率を改善し、コスト削減をしたいと考える企業も多いかと思います。

しかし、業務効率化をしたからといって、顧客の支持を保てるわけではありません。

例えば、一見奇抜なアイデア商品が特定の年齢層や環境にいる消費者から思いがけずに人気を得ることがあるように、顧客が離れてしまわないよう、常に新しい販売戦略を考えることも必要です。

もちろん業務効率化も重要な要素ですが、顧客の視点に立ち、本当に自社に足りていないものはなにか、再度分析することも大切です。

3.企業内プロセス

SCMシステムの導入効果を高めるためには、企業内プロセスを見直すことも大切です。

SCMシステムを導入することにより業務の効率化が図れるとしても、新商品投入のタイミングや入れ替えのタイミングなど、すべての意思決定は人に委ねられています

課題解決のためにすばやく手に入れた情報を最大限活かすためにも、企業内プロセスを見直し、意思決定や情報伝達がすばやく行われる体制を築いておきましょう。

4.マネジメント

SCMシステムを導入し、運用するのは人であるため、従業員のマネジメントは大きな意味を持ちます。

とくに多くの従業員を従えるリーダーは、従業員を指導する役割を担っているので、SCMシステムの導入効果を最大化させるためにはリーダーのマネジメントが大切です。

これまでシステムの運用などを行っていなかった企業では、とくに従業員からの抵抗が強いでしょう。

そのため、導入することでどのようなメリットがあるのかをしっかり伝え、従業員全員が同じ目標に向かって動けるよう指導してください。

SCMシステムを導入するまでの4ステップ

上記ではSCMシステムを導入するメリットや注意点について解説しましたが、ここからは、SCMシステムの導入方法について解説します。

SCMシステムの導入ステップは下記の4つです。

  • SCMにおける課題を明確にする
  • リーダー・担当者を選定する
  • システムの比較・決定を行う
  • 導入による効果を評価する

ここではそれぞれのステップについて詳しく解説します。

1.SCMにおける課題を明確にする

まずは各サプライチェーン間における現状を把握し、課題を明確にする必要があります。

理由は解決すべき課題が明らかになっていなければ、不必要なシステムまで導入してしまい、余計なコストがかかってしまう可能性があるからです。

課題を明確化することで、必要なシステムや人員の検討がしやすくなり、導入までスムーズに行えます。

2.リーダー・担当者を選定する

SCMは社内だけでなく、製造元から配送までさまざまな企業が関わる大きなプロジェクトです。

一定の規模ごとにリーダーや担当者を設定することは、プロジェクトを順調に進める上で欠かせません。

リーダーや担当者に求める役割を明確にし、適切な人員を配置できるよう慎重に検討しましょう。

3.システムの比較・決定を行う

システムにはそれぞれ特徴があるため、自社にとって本当に必要なものなのか、最適なものであるのかという比較も重要です。

適切な決定を行うためにはステップ1の課題を明確にしておくことが重要となります。

また、システムの導入にはコストもかかってしまうため、費用対効果もしっかり予測し比較・検討しましょう。

4.導入による効果を評価する

SCMシステムを導入することがゴールではありません。

運用した結果、想定通りの効果を得られたのか検証することも大切です。

具体的には、コストの削減が目標額に達したか、スケジュールは予定通りに進んだかなどを評価するとよいでしょう。

評価をもと基に改善を行い、SCMの最適化を目指してください。

「ネクストエンジン」ならEC運営を一気通貫でサポートできる!

SCMを効率化させるためのツールは様々ありますが、その中でもEC一元管理システム「ネクストエンジン」もぜひ検討してみてください。

ネクストエンジンには受注管理機能在庫管理機能をはじめ、ECの現場から生まれたサービスだからこそできる、EC業務に必要なあらゆる機能が搭載されています。

その機能について少しご紹介します。

「ネクストエンジン」で受注管理や在庫管理など、EC業務を一元化

EC業務には受注管理、在庫管理などさまざまな業務が存在します。

ネクストエンジンの受注管理機能を使えば、注文を自動で取り込み、個別の対応が必要な受注か、すぐに出荷できる受注かを自動で振り分けることが可能です。

そして、システム上で出荷待ちのステータスに自動で反映してくれるため、受注漏れを防げるだけでなく、受注を仕分ける業務を自動化できます。

また、発送後のサンクスメールなどのメールの自動送信も可能です。

在庫管理機能では各ショップ間の在庫情報や移動履歴がリアルタイムで反映されるため、手入力による管理が必要ありません

一部の機能しか備わっていないシステムを導入してしまうと、業務ごとに使用するシステムが異なるため、運用に余計な手間とコストがかかりがちです。

しかし、ネクストエンジンではEC業務に必要なあらゆる機能が備わっており、ネクストエンジンひとつで多くの業務の一元管理を可能としています。

「BtoBオーダー」で受発注業務をWeb上で完結

お得意先との電話やFAXでの注文を手動で処理する場合「伝票作成に時間がかかる」「人為的なミスが発生し、修正作業に余計な手間がかかる」など問題が考えられます。

しかし、ネクストエンジンが提供しているWeb受発注システム「BtoBオーダー」を活用することで、これらの問題を解決することが可能です。

「BtoBオーダー」の主な機能は下記の4つ。

1.手間をなくす

電話やFAXで受けた注文をWeb上で起票できるため、伝票作成の手間がなくなります。

2.ミスをなくす

顧客や商品ごとの掛率や価格を事前に登録することで、自動で反映できるため、金額の記載ミスを防止することが可能です。

3.時間ロスをなくす

営業担当者が得意先で、最新の商品画像や在庫数を確認しながら在庫の確保が可能です。

4.無駄をなくす

URLを共有することで顧客の担当者が商品画面を見て直接発注できるため、電話やFAXでのやり取りをする必要がなくなります。

初月は無料で利用できますので、ご気軽にご相談ください。

なお、ネクストエンジンの在庫管理に関する資料は以下から無料でダウンロードできます。ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。

まとめ:SCMを改善し、売上を最大化しよう!

SCMとは、商品を供給する企業から商品を購入した消費者へ配達するまでの工程の効率化を実現させる、経営管理手法のひとつです。

SCMを改善することは、売上の向上と深く関係しており、そのためにはシステムの導入が不可欠になります。

導入効果を最大限発揮するためにも、課題を明確化し、企業内プロセスを改善しておきましょう。

本記事を参考にSCMシステムを導入し、自社の売上向上に役立ててもらえれば幸いです。

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