ヤマトフルフィルメントとは、ヤマト運輸が提供しているフルフィルメントサービスです。在庫保管から発送までの一連の業務を委託できるので、利用を検討されている方も多いのではないでしょうか。本記事では、ヤマトフルフィルメントのサービス利用料金や利用するメリット、利用時の注意点ついてまとめていますのでぜひ参考にしてください。
なお、フルフィルメントサービスについては「フルフィルメントサービスとは?EC運営者が知っておきたいメリットと導入タイミングを解説」の記事もご参考ください。
ヤマトフルフィルメントとは?ECサイトの業務代行サービスのこと
ヤマトフルフィルメントとは、商品の保管や出荷などの一連の業務をヤマト運輸に委託できるサービスです。
Yahoo!がヤマトホールディングスと業務提携を行い、Yahoo!ショッピングとYahoo!フリマで出店している事業者向けにサービスの提供を開始しました。現在では、Amazonや楽天など、ほかのECモールへの配送も対応していますが、いずれの場合でもサービスの利用にはYahoo!ショッピングのストア登録が事前に必要です。
ヤマトフルフィルメントを利用することにより、業務の負担になりがちな物流工程を委託できるので、自社の業務負担を軽くすることができます。
ヤマトフルフィルメントの料金形態
ヤマトフルフィルメントの利用には、梱包・配送にかかる配送手数料、倉庫での商品保管にかかる在庫保管手数料がかかります。ここでは、ヤマトフルフィルメントの料金形態について見ていきましょう。
初期登録費用・月額料金が無料
ヤマトフルフィルメントは、初期登録費用と月額料金がともに無料です。配送手数料や在庫保管手数料など、ヤマトフルフィルメントを利用した分のみ料金を支払う形となっています。
初期費用やランニングコストがかからないため、小規模の会社や個人でも気軽に申し込めるのが魅力です。
梱包・配送にかかる配送手数料
ヤマトフルフィルメントでは、商品サイズによって配送料が異なります。配送手数料の一覧は以下のとおりです。
1つの梱包で商品を2点以上発送する場合は、追加ピッキング費用が商品点数分適用されます。全国どこでも統一料金なので、安心して利用できます。
倉庫での商品の保管にかかる在庫保管手数料
ヤマトフルフィルメントでは、商品1点ずつ、1日保管するごとに在庫保管手数料が必要になります。
在庫保管手数料は入庫時の商品サイズに基づき算出されます。
ニーズに合ったオプションサービスも利用可能
ヤマトフルフィルメントでは、必要に応じてオプションサービスも利用可能です。
- 有効期限付き入庫登録サービス:25円(税込28円)/1明細
- バーコード貼付サービス:20円(税込22円)/1ピース
- 廃棄取次サービス:50円(税込55円)/1ピース
- 透明袋入れサービス:20円(税込22円)/1ピース(80サイズまで)
- 緩衝材梱包サービス:80円(税込88円)/1ピース(80サイズまで)
バーコード貼付サービスは料金にラベル代が含まれており、透明袋入れや緩衝材梱包サービスにも資材費が含まれています。
廃棄取次サービスとは、廃棄依頼に対して廃棄会社へ引き渡すためにピッキングを行ったり、廃棄の立ち会いをしたりしてくれるサービスです。
ヤマトフルフィルメントとの契約と倉庫納品手続きの方法
ヤマトフルフィルメントを利用するためには、サービスの契約と倉庫への納品が必要です。ここでは、ヤマトフルフィルメントの契約から倉庫納品までの手順を解説します。
「公式サイト」もしくは「ストアクリエイター」から契約する
ヤマトフルフィルメントの契約は、公式サイトもしくはストアクリエイターから行います。ヤマトフルフィルメントの契約をするには、Yahoo!ショッピングのストア登録が必要なので事前に済ませておきましょう。
その後、ストアクリエイターProの「フルフィルメントサービスお申し込みページ」から契約ができます。
配送設定を行う
ヤマトフルフィルメントの契約後は、対象商品の選定と配送設定を行います。ストアクリエイターProでそれぞれ設定を行いましょう。
設定内容は、ヤマト運輸と自動連携されるため、入力ミスに注意が必要です。
商品の登録を行う
ヤマト運輸専用Webサイトの商品管理画面で、商品の直接入力やCSVデータによる一括登録を行います。登録した商品は、納品予約登録が可能です。商品の数量が少ない場合は、1点ずつ入力しても問題ありませんが、大量の商品を預けるのであれば、CSVでの一括登録が便利です。
また、梱包フラグなどの設定もできます。ヤフーFF(フルフィルメント)対象商品フラグという項目がありますが、Yahoo!ショップ内で出店する場合は「対象」にしておきましょう。
バーコードの貼付作業を委託したい場合は、商品バーコード委託区分という項目がありますので、ここで設定ができます。
納品依頼管理の手続きを行う
ヤマト運輸専用Webサイトの納品依頼管理画面で、商品の直接入力またはCSVでの一括入力を行い、商品の納品予約を行います。
その後は、発注番号を任意で設定し、納品元の住所や会社名などの必要情報を入力しましょう。
商品をヤマトの倉庫に発送する
最後に商品を梱包し、ヤマトの倉庫に発送します。この時に、段ボールの側面に独自のバーコードを貼付する必要があります。
また、輸送中の事故を防ぐためにも、商品に合わせて緩衝材などを適切に使用しましょう。
ヤマトフルフィルメントを活用する3つのメリット
ヤマトフルフィルメントを利用することで、負担になりやすい物流業務を委託できるなど、多くのメリットをもたらします。ここでは、3つのメリットについてそれぞれ見ていきましょう。
ランニングコストを抑えることができる
自社でフルフィルメント業務を行う場合は、倉庫のスペース料・人件費・光熱費など、多くのランニングコストがかかります。倉庫を借りているのであれば、在庫量に関わらず倉庫の賃貸料を請求されるので、倉庫に空きがある分だけ損をしていることになるでしょう。
しかし、ヤマトフルフィルメントを利用すれば、商品の保管や発送業務を委託できるので、自社のランニングコストを抑えることが可能です。ヤマトフルフィルメントは、預けた商品の点数・発送した商品の点数など、利用した分のみ料金を支払う仕組みなので、運営に無駄がなくなるのも大きなメリットといえます。
優良配送マークで物流の品質を保つことができる
優良配送マークとは、「安心かつスピーディな配送」を行っている証として、Yahoo!ショッピングが定めた基準をクリアしていることを証明するものです。ヤマトフルフィルメントを利用することで、優良配送マークが表示されるので、Yahoo!ショッピングの検索結果で目立ちやすくなるメリットがあります。
ユーザーから安心感を得られるので、商品が売れやすくなり、自社の売り上げ拡大が期待できるでしょう。
負担になりやすい業務を委託できる
商品の保管や発送は、多くのスペースや人員を必要とするため、EC業務の中でも負担になりやすい業務です。ヤマトフルフィルメントを利用すれば、これらの業務を委託できるため、多くのリソースを節約できることでしょう。
空いたリソースを商品開発やマーケティングなど、コア業務に集中できることでさらなる売り上げ拡大が見込めるのは大きなメリットです。
ヤマトフルフィルメントを利用する前に知っておきたい3つの注意点
ヤマトフルフィルメントは利用することで多くのメリットをもたらしますが、同時に注意すべき点もいくつか存在します。これらの注意点は、ヤマトフルフィルメントサービスを利用する前に把握しておくことが大切なので、さっそく見ていきましょう。
ヤマトの倉庫への納品作業が必要
ヤマトフルフィルメントを利用するためには、ヤマトの倉庫へ商品を納品する必要があります。そのため、納品作業に人員を割いたり、倉庫までの配送料を負担したりすることになるでしょう。
予想よりも費用がかさみ、売り上げに悪影響を及ぼすことがないように、事前に把握しておくことが大切です。
商品が売れないと保管料が高額になる
ヤマトフルフィルメントでは、商品1点に対して1日あたりの保管料金が設定されています。そのため、商品が売れないとヤマトの倉庫にいつまでも商品が残り続けるため、保管料が高額になる点に注意が必要です。
例えば、100サイズの商品に対する1日あたりの保管料は6.82円です。これを1年預けておくと、商品1点あたり約2,490円となり、100点預けていた場合は248,930円になります。
自社倉庫で保管している商品も在庫の回転率は重要ですが、フルフィルメントサービスを利用する場合はとくにシビアに管理しなければなりません。
完全に手作業がなくなるわけではない
商品の保管から出荷まで一連の業務を委託できるヤマトフルフィルメントですが、完全に手作業がなくなるわけではありません。受注メールや出荷完了通知メールの送信、モールのステータス変更などは自社で行う必要があります。
また、Yahoo!ショッピングとYahoo!フリマ以外の注文は自動で発送してくれないため、出荷依頼を行う手間も発生します。これらの業務は、後ほど紹介するECツールを利用することで、効率化することが可能なので、業務の手間を最小限にしたい方は導入の検討をしてみましょう。
受注メールの書き方については「【テンプレートあり】受注メールはどう書けばいい?ベストな送信タイミングとは?」の記事もご参考ください。
ヤマトフルフィルメントに関するよくある質問
ヤマトフルフィルメントについて、サービスの概要は理解しつつも、まだ不安に思う点があるかと思います。ここでは、ヤマトフルフィルメントについてよくある質問をまとめましたのでぜひ参考にしてください。
申し込みから運用開始までの期間は?
申し込みから運用開始までは、7日〜10日ほどかかります。ただし、7日〜10日という期間には、ストアクリエイターProから申し込みを行い、商品を発送、フルフィルメントセンターにて商品を受領する工程も含まれています。
どのタイミングから料金が発生する?
フルフィルメントセンターに商品が到着し、受領された時点で在庫保管料が発生します。在庫保管料は、保管点数や保管日数に応じて加算される仕組みです。
配送手数料は、受注後に商品を発送したタイミングで発生します。
解約時の違約金や契約期間は?
解約時の違約金は発生しません。
契約期間中でも、原則3カ月の予告期間をもってヤマトに対し、書面またはヤマトが指定する電磁的方法で解約の通知をすれば解約可能となります。
取り扱えないサイズはある?
縦・横・高さの合計サイズが200サイズを超える商品、あるいは重量が30kgを超えている商品は預けられません。
なお、最小サイズに関する規定はないため、上記の条件を満たしていれば、取り扱いは可能となります。
納品から発送までの期間は?
フルフィルメントセンターに商品が納品されてから1〜2日を経過すると発送可能な状態になります。
商品の受領を行い、入庫処理が完了すれば、発送可能です。
まとめ:フルフィルメントサービスをうまく利用してEC運営に役立てよう!
ヤマトフルフィルメントは、フルフィルメント業務を代行してくれるため、自社の業務負担を軽くすることが可能です。そのため、EC運営を効率よく行うためには、フルフィルメントサービスを上手に利用することが必須だといえるでしょう。
最後にヤマトフルフィルメントと連携することで、より業務を効率化することができる一元管理システムをご紹介するのでぜひ参考にしてください。
ヤマトフルフィルメントとの連携ならネクストエンジン!
ヤマトフルフィルメントを利用した効率的なショップ運営を検討されている方は、ネットショップ一元管理システム「ネクストエンジン」の導入もぜひご検討ください。
ヤマトフルフィルメント利用の際の注意点で紹介したような、メールの送信やモールのステータス変更を自動で行ってくれるため、業務を大幅に効率化することが可能です。
ヤマトフルフィルメントと連携させれば、受注データを共有して、自動で出荷依頼も行えます。
また、ヤマト運輸にて出荷作業が完了した時点でお問合せ番号がネクストエンジンに共有され、各モールにも反映されるので、出荷業務に関わる工数を大幅に削減できるでしょう。
ヤマトフルフィルメントとの連携についてはこちらのページ「ヤマト運輸のフルフィルメントサービスとネクストエンジンの連携について」もご参考ください。
なお、倉庫管理についての資料は以下より無料でダウンロードいただけます。サポート体制も充実しているので、初めてシステムを導入するEC事業者様もお気軽にご検討ください。