【2024年版】ECサイトに利用できる補助金とは?IT導入補助金の変更点も解説

【2024年版】ECサイトに利用できる補助金とは?IT導入補助金の変更点も解説

中小企業・小規模事業者にとって、コストの面で新しいシステムの導入に踏み切れない方も多いのではないでしょうか?

そんな事業者の方におすすめなのが補助金や助成金の活用です。補助金を利用することで例えば通常費用の最大1/5でシステムが導入できることも…!

そこで今回は、ECサイトに利用できる補助金を解説します。2023年度の内容から大きく変更になった点もありますので、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事は2024年4月現在の情報をもとに作成しています。最新の正確な情報は経済産業省や商工会議所の提供する情報をご確認ください。

補助金と助成金の違いは?

「補助金」と似た言葉に「助成金」がありますが、その違いはご存じでしょうか?両者は目的や管轄が異なります。

まず助成金は、厚生労働省の管轄で、雇用や労働環境の改善を目的としています。要件を満たせば、原則受給することができます

一方、補助金は、経済産業省の管轄で、新規事業の支援や地域復興、公益につながる事業の促進を目的としています。要件を満たし、審査で採択となれば受給することができます。審査で評価の高い順に採択者が決まります。つまり、要件を満たしていても、採択されない場合があるということです。

2024年度からIT導入補助金はショップ開設に使えない?

2023年まではECサイトの制作にもIT導入補助金が利用できましたが、「IT導入補助金2024年」では対象外となっていますので、注意が必要です。

ECサイト制作は利用できなくなりましたが、インボイス対応の受発注システムの導入は引き続き利用可能です。EC運営のバックヤード業務をシステムで自動化・効率化したいという事業者の皆さんはぜひ制度を上手く利用してください。

EC事業者が利用できる補助金

EC事業者が利用する補助金で一番有名なものはIT導入補助金ではないでしょうか。

IT導入補助金以外では、2024年にECサイト制作で利用できる補助金制度もあります。それぞれの概要をご紹介します。

IT導入補助金2024

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けたITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。

基本的には要件はそれほど厳しくはなく、申請しやすいため人気がある補助金制度です。EC事業者にとっては、業務効率化や売上アップのためにぜひ活用したい制度です。

対象となるITツール(ソフトウェア、サービス等)は、IT導入補助金の公式サイトの「ITツール・IT導入支援事業者検索ページ」から検索することができます。

補助金の枠は

  • 通常枠
  • インボイス枠(インボイス対応類型)
  • インボイス枠(電子取引類型)
  • セキュリティ対策推進枠
  • 複数社連携IT導入枠

に分かれており、EC事業者が利用されるものの例として、インボイス枠(インボイス対応類型)利用で、会計・受発注・決済ソフトやPC・タブレット・レジ等のハードウェア導入費用を最大4/5補助というものがあります。

注意点として、昨年(2023年)はネットショップ開設等の「ECサイト制作」も対象となっていましたが、今年は対象外に変更となった点です。

申請から交付までのスケジュールは各募集枠によって異なりますが、先ほど例に挙げたインボイス枠(インボイス対応類型)の場合、2024年4月現在の時点で6月19日の7次締め切り分まで公表されています。それ以降のスケジュールは随時IT導入補助金公式サイトの事業スケジュールページにて更新されていきますので、最新情報は公式サイトでご確認ください。

なお、インボイス枠(インボイス対応類型)の7次締め切り分の例でいうと、下の表のようなスケジュール感となっています。申請締め切りから40日程度で交付決定が決まる予定です。

申請締め切り2024年6月19日 (水) 17:00
交付決定日2024年7月29日 (月) (予定)
事業実施期間交付決定~2024年11月29日 (金) 17:00
事業実績報告期限2024年11月29日 (金) 17:00

小規模事業者持続化補助金 

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者等が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成したうえで、販路開拓や業務効率化に取り組むことを支援する制度です。申請には商工会議所や商工会が発行する事業支援計画書が必要になります。

以下に該当する法人、個人事業、特定非営利活動法人が対象です。

  • 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)は常時使用する従業員の数が5人以下
  • 宿泊業・娯楽業では常時使用する従業員の数が20人以下
  • 製造業その他では常時使用する従業員の数が20人以下

申請枠は以下の表のとおり通常枠、賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠の5種あり、補助額は通常枠で上限50万円で2/3の補助率で、賃金引上げ枠等は上限200万円で2/3の補助率となっています。

類型概要
通常枠小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓等の取り組みを支援
賃金引上げ枠販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金よりプラス50円以上である小規模事業者※赤字事業者は、補助率 3/4に引上げ。
卒業枠販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者
後継者支援枠販路開拓の取り組みに加え、アトツギ甲子園においてファイナリストまたは準ファイナリストに選ばれた小規模事業者
創業枠産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業」による支援を受けた日および開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して過去3カ年の間である、販路開拓に取り組む小規模事業者

補助対象として、機械装置等費(補助事業の遂行に必要な製造装置の購入等)、ウェブサイト関連費(ウェブサイトやECサイト等の開発、構築、更新、改修、運用に係る経費)、展示会等出展費(展示会・商談会の出展料等)、新商品開発費(新商品の試作品開発等に伴う経費)や資料購入費(補助事業に関連する資料・図書の購入費用等)などがあり、経費対象が広く使いやすい補助金といえるでしょう。

注意点として、ウェブサイト関連費は「補助金交付申請額および交付すべき補助金の額の確定時に認められる補助金総額の1/4(最大50万円)が上限」で、ウェブサイト関連費のみによる申請はできない点です。

今後のスケジュールや詳細は小規模事業者持続補助金のウェブサイトをご確認ください。

商工会議所地域で事業を営んでいる小規模事業者向け

商工会地域で事業を営んでいる小規模事業者向け

事業再構築補助金 

事業再構築補助金とは、ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的とした補助金制度です。

事業再構築補助金サイトはこちら

事業再構築補助金の申請には、認定経営革新等支援機関から事業計画書の確認を受けることが必須要件の1つになっています。数百万~数千万(事業計画によっては最大1.5億)と補助額が大きい分、審査のハードルが高めです。

補助枠の種類としては、以下のとおりです。

  • 成長枠
  • グリーン成長枠
  • 卒業推進枠
  • 大規模賃金引上促進枠
  • 産業構造転換枠
  • 物価高騰対策・回復再生応援枠
  • 最低賃金枠

EC事業者が利用する対象事業としては、システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費が挙げられ、活用イメージとして、衣料品の実店舗のみの運営を行っていた事業者が、ネットショップ店舗運営を開始し、全国に商品販売をするというケースも含まれます。

事業再構築補助金に採択された場合、補助金を実際に受け取れるのは事業の取り組み期間終了後です。補助事業実施期間は、通常枠は交付決定日から12カ月以内です。

事業化状況の報告は、補助事業完了日の属する年度の終了後を初回として、以降5年間行う必要があります。

今後の最新スケジュール等は以下の事業再構築補助金の公式サイトで確認ください。

事業再構築補助金スケジュール

補助金を利用するときの注意点

補助金を利用する前に知っておきたい注意点があります。

審査に落ちるケースもある

要件を満たせば原則給付される助成金と異なり、補助金の場合は採択件数や予算が決まっているものが多く、要件を満たしていても審査に落ちることもあります。

多くの補助金では、応募件数が採択件数を上回っています。提出する書類で、充分にアピールすることができないと審査を通過することができません。提出書類の内容がとても重要になります。

補助金が下りるまでには手間と時間がかかる

補助金申請後には審査があり、補助金の入金は採択から1~2カ月程度かかるものが多いです。

また、提出書類も採択されるためにしっかりとした内容にする必要があるため、作成に手間がかかります。

補助金の支給は事業実施後が多い

補助金は基本的に実施後の後払いです。つまり、申請する事業の総額費用をまず自社で準備する必要があります

また、交付決定前に発注・契約・費用の支払い等を行ってしまうと、補助金の交付を受けることができなくなりますのでご注意ください。

1つの事業に申請できるのは1つの補助金のみ

原則同じ事業に複数の補助金を利用することはできません。逆に言えば、1つの事業者が複数の事業を申請する場合、それぞれの事業で補助金を申請することは可能です。

まとめ:自社に適した補助金を利用してEC運営を成功させよう!

いかがでしたでしょうか。EC運営に利用できる補助金はIT導入補助金をはじめ、小規模事業者持続化補助金、事業再構築補助金などがありますので、自社に合った補助金を上手く利用していきましょう。

なお、自社で補助金申請を行うのが難しい場合には、申請をサポートしてくれるサービスもありますので、そういったサービスを上手に利用するのもおすすめです。

IT導入補助金も対象!EC運営効率化なら一元管理システム「ネクストエンジン」

補助金を利用したEC運営の効率化を検討中の方におすすめなのは、EC一元管理システム「ネクストエンジン」です。ネクストエンジンを利用することで、自社ECから複数の出店モールまで、全店舗分の受注を一元管理し、出荷業務の効率化するなど、日々のEC運営をラクにすることができます。

ネクストエンジンのおもな機能は以下のとおり。

など。

対応モール・カートは業界最大級で、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングの主要モールはもちろん、将来的に出店店舗を増やしていきたい方にも柔軟に対応することができます。

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