商品の発注から検品、仕入れ伝票の記入など、仕入れの管理はEC運営に欠かせないものです。販売数や現在の在庫を把握するのはもちろん、過剰仕入れにならないように管理していく必要があります。
仕入れは売り上げにつながる始めの段階であるため、仕入れ管理がうまくいっていないと、その後の販売計画すべてに影響が出てしまいます。
仕入れ管理にエクセルを使用している方も多いと思いますが、もっと効率化できないかと考えたことはありませんか?本記事では仕入れ管理をエクセルで行うメリットとデメリット、そしてシステム化するとどうなるのか、気になる選び方のポイントを解説します。
仕入れ管理とは?業務フローを解説!
仕入れ管理とは商品の発注から検品、仕入れ伝票記入など、仕入れに関する一連の業務を指し、業務内容は、ある程度進め方が決まっています。具体的にどのような流れで進めたらよいのか、仕入れ管理業務の全体的な流れを解説していきます。
①商品の仕入れ金額を企業に依頼する“見積もり依頼”
商品を仕入れるときは、必ず見積もり依頼をしましょう。
商品の仕入れ担当者のなかには、初回取引のみ見積もりを依頼するものだと思っている方もいるかもしれません。もちろん取引先企業が変わらず、取引内容も同様の場合は、毎回見積り依頼をする必要はありません。
ただ、定期的に他社へ見積もり依頼をし、再度見直しをすることで、より低コストで仕入れを行えるチャンスを見つけられる可能性があります。
②商品を仕入れるための“購買契約の締結”
単発の発注は、見積もりの内容を確認したうえで発注書を作成します。継続して発注をする場合は、仕入れ先の企業との間で購買契約の締結を結ぶことが一般的です。
購買契約を締結するうえで重要なのは取引条件であり、以下が一般的な取引条件項目となります。
- 購買契約の内容
- 保証内容
- 機密保持
- 契約期間
- 解約条件
- 支払いの締日
- 支払い日
- 支払い方法
- クレームについての対応
購買契約を締結したのちは、仕入れ先企業の企業名、連絡先、共通取引先コードを「仕入れ先台帳」に記載するとともに、取引条件項目の内容も管理しておきましょう。
③どの商品をどのくらい発注するかを決める“発注業務”
仕入れ先に対して商品を注文する業務です。企業の規模によって、担当者が発注書を書いて直接注文をするケースもあれば、複数の部門を通して発注業務を行うケースもあります。
発注書に記載されたとおりの納期に納入されるか、確認する対応も必要です。
④発注した商品の数量や品質を確認する“検収業務”
発注した商品が入庫したら、仕入れた商品の検品作業を行います。検品の際に確認する事項は、以下の項目を参考にしてください。
- 商品そのものに誤りがないか
- 数量に誤りがないか
- 外観や品質が想定していたものであるか
- 納期が守られているか
検品作業項目の確認作業が終わり次第、受領書に確認印を押します。この検品作業の結果は、必ず書面で残し、仕入れ先企業と相互に確認するようにしましょう。
そうすることで、仕入れ時にトラブルがあった場合にも、責任の所在を証明する資料になります。
⑤仕入れ伝票を発行する“仕入れ記帳業務”
検品作業が終われば、仕入れ伝票を作成し、経理担当者に入荷が適切に行われたことを報告しましょう。検品が終了すると、仕入れた商品の所有権が自社に移動したことになります。
経理担当者が仕入れ取引を買掛金として記帳し、仕入れた商品を商品有高帳に記録します。ここまでの作業が完了してはじめて、仕入れた商品は自社の在庫として管理されるのです。
⑥商品代金を支払う“支払い業務”
事前に締結された支払い条件に則って、代金の支払いを行う必要があります。発注ごとに請求書を受け取り、それぞれ支払う方法が最もシンプルなやり方です。
継続的に発注を行う場合は、期間を決めて集計し、まとめて支払う方法もあります。購買契約によって事前に支払い方法を定めているため、滞りなく支払い業務を進めていきましょう。
仕入れ管理業務で覚えておきたい用語
仕入れ管理業務で、よく使われる用語は覚えておきたいものです。日頃、なかなか使わない用語も多いのでスムーズに使えるようにしておきましょう。
おもな用語は以下のとおりです。
エクセルを使って商品を管理するメリット・デメリット
それでは、実際に仕入れ管理をする方法として、エクセルを使用するメリット・デメリットを紹介します。
エクセルで管理する3つのメリット
仕入れ管理をエクセルで管理する場合、おもに以下3つのメリットがあります。
- 初心者でも管理しやすい
- エクセルの数式の活用で効率化ができる
- 共有がしやすい
それぞれのメリットを解説します。
テンプレートを使えばエクセル初心者でも簡単に管理できる
エクセルは、多くの企業で日常的に活用されており、テンプレートなども用意されているため、初心者でも比較的簡単に使いこなせるメリットがあります。基礎的なレベルであれば使用できる人も多いため、管理者を選ばない管理方法と言えるでしょう。
また、関数などの知識がない場合でも、テンプレートを活用すればすでに数式が組み込まれているものもあるため、導入後すぐに活用できるメリットもあります。
便利なエクセルの数式を活用することで、業務効率化を行える
エクセルで管理する場合、関数やマクロを活用することで、管理業務の効率化を行えます。関数やマクロを使うことで、現在の商品ごとの在庫数を自動で計算することが可能です。また、もし在庫数が少なくなったときは、アラート機能もあるので、在庫切れとなる前に発注などの対応もできます。
共有が簡単に行える
エクセルの場合、クラウドの共有フォルダに格納することで、簡単に社内での共有が可能です。自分のパソコンから操作ができるのはもちろん、共有フォルダにアクセスできるデバイスであればどれでも操作ができます。
バックアップをとっておけば、データの破損や紛失などのリスクにも備えられるため、バックアップは定期的にとっておくことが大切です。
エクセルで管理する3つのデメリット
仕入れ管理をエクセルで行う場合、以下3つのデメリットも把握しておく必要があります。
- 商品数、拠点が多くなると管理が難しくなる
- PCの動作に影響が出る可能性がある
- ヒューマンエラーなどの問題が発生する可能性がある
それぞれのデメリットを解説します。
商品数や拠点が多くなると管理が困難になる
商品数や拠点数が多くなってくると、すべてをエクセルで管理することは難しくなります。項目数や拠点数が増えることで、仕入れ管理業務が複雑化してしまう可能性が高いです。
データが増えてくるとPCの動作が重くなる
エクセルは、データ量が増えてくると動きが重くなっていきます。そのため、膨大なデータの処理には不向きであり、ファイルを開くまでの時間が長くなることもあるでしょう。
また、パソコンのスペックによってはフリーズを起こす可能性もあり、作業効率が悪くなってしまうことも十分に考えられます。
ヒューマンエラーでデータを書き換えてしまう可能性がある
エクセルは誰でも簡単に使えますが、手入力することが多いため、誤った情報が上書きされてしまう可能性も考えられます。バックアップをとっていなければ、復元できない可能性が高いため、ヒューマンエラーの対応に大幅な工数を取られる可能性もあるでしょう。
また、入力ミスによるトラブルが発生しても、すぐに気付けず、トラブルが大きくなってから気付くケースも起こりえます。複数人でデータの入力をしている場合、誰がいつどのように変更したのかもわからなくなってしまうことがあるため、よりヒューマンエラーの対応が難しくなる点はデメリットと言えるでしょう。
エクセルで在庫管理票を作る方法は、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
仕入れ管理システムを導入する3つのメリット
では、次の管理方法として、仕入れ管理システムを導入するメリットを紹介します。
おもなメリットは以下の3つです。
- 適切に在庫を管理できる
- ヒューマンエラーを防ぐことができる
- 過剰な在庫の発注や二重発注などを予防できる
それぞれ解説します。
適切に在庫を管理できる
在庫を適切に管理し、コントロールしやすいのが、仕入れ管理システムのメリットです。アラート機能を使って在庫の管理もできるため、在庫数の把握漏れも防げます。また、複数の取引先の在庫数も一元管理できるため、管理工数が複雑化してしまうことも防げるでしょう。
過去の販売や生産ラインなどのデータを記録できるため、発注のタイミングも簡単に把握できます。
ヒューマンエラーを防ぐことができる
手入力で行う仕入れ管理で起こりがちなヒューマンエラーを防げるのも、仕入れ管理システムのメリットです。手入力では、いくら注意しても仕入れ情報を間違えるミスが起こりえます。
管理システムの場合、ハンディーターミナルを使ってバーコードの読み込みや品目ごとの管理もできるため、ミスを防ぎ、正確な情報管理が可能です。
ヒューマンエラーによる無駄な工数を防ぐためにも、管理システムの導入は有効と言えるでしょう。
過剰な在庫の発注や二重発注などを予防できる
管理システムの場合、在庫の自動連携といった機能を備えていることもあります。そのため、リアルタイムに仕入れ情報を管理できる分、過剰在庫や二重発注のリスクを減らせることもメリットでしょう。仕入れ作業の行き違いで在庫数が膨大な量になると、売り上げにも影響してきます。
社員同士の情報を共有する意味でも、仕入れ管理システムがあれば簡単に共有できるため、余計な在庫を持つ心配が格段に減る点はメリットです。
どんな仕入れ管理システムがおすすめ?|選ぶ際の3つのポイント
最後に、システムを選ぶ際の3つのポイントを紹介します。
仕入れ管理業務全般をカバーできるものを選ぶ
仕入れ管理システムを選ぶときは、販売に関わるすべての管理業務を管理できるか確認することが大切です。仕入れ業務は幅広く、在庫管理だけに留まりません。顧客管理や受注管理、販売管理なども含まれます。
そのため、より効率よく管理業務を効率化するためにも、多くの管理業務をカバーできるシステムを選ぶようにしましょう。
業務で使っているほかのシステムと連携できるかで選ぶ
ほかの管理業務で使用しているシステムと、簡単に連携できるのかも仕入れ管理システムを選ぶときの重要なポイントになります。同じメーカーの管理システムを使うと連携も簡単に行えるでしょう。
連携できるかどうかは、システムの使いやすさにも影響する部分となるため、しっかりと確認し、選ぶようにしてください。
システムの種類で選ぶ
仕入れ管理システムの種類は、おもにオンプレミス型とクラウド型があります。それぞれの特徴を踏まえたうえで決めるようにしましょう。
ネットがなくても使える“オンプレミス型”
社内にサーバーやシステムを構築し、導入する仕入れ管理システムです。以前は主流の形式だったため、長年運用しているシステムは、こちらのタイプが多いでしょう。
導入コストは高額ですが、自社内で保守やメンテナンスができ、セキュリティも高いです。さらに、カスタマイズ性が高いことがオンプレミス型のメリットと言えます。
ネットがあればどこからでもアクセスできる“クラウド型”
オンライン上のサーバーで提供している管理システムやサービスを、ネットを介して使用するのがクラウド型です。近頃は主流の形式になり、自社でサーバーなどを用意する必要がありません。
クラウド型はコストを抑えて運用することが可能です。保守やメンテナンスも、システムを提供している側が行うため、システム管理の経験があまりない場合でも使用しやすい点がメリットと言えます。
しかし、カスタマイズ性に制限があるため、オンプレミス型よりも自由度は低くなってしまうのがデメリットです。
まとめ:業務効率を考えるならシステム導入も検討しよう
仕入れ管理はエクセルでもできますが、業務効率化を進めるなら、システム導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
仕入れ業務といっても多くの作業があります。そのため、手入力での管理をメインにしていると、ヒューマンエラーが発生する危険性もあり、業務効率が悪化する原因にもなりえます。
仕入れ管理システムにもさまざまな種類があるため、自社で使用しているほかのシステムとの相性も踏まえつつ選ぶようにしてください。
仕入れ業務の効率化にも!ECの一元管理ならネクストエンジンが有効!
仕入れ業務の効率化を考えているのであれば、「ネクストエンジン」を導入してみませんか?ネクストエンジンは、多店舗運営でも発注を一元管理できるため、業務効率化に役立てられます。
在庫数に応じた自動発注はもちろん、仕入れ処理や在庫管理、倉庫・WMSとの連携、POS連携などさまざまな機能がそろっているのが特徴です。
仕入れ業務が増えてしまい管理作業が負担になっている場合や、ヒューマンエラーのミスが増えてしまい困っている場合は、ぜひ一度ご検討ください。
実際に導入された企業様からは、「在庫の持ちすぎや在庫切れで、チャンスロスが発生していたが、システム導入で自動で振り分けられるようになり、売り上げもアップした」とのお声をいただいています。
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