EC運営に携わっていると、予約販売という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?予約販売は、発売前の商品の注文を事前に受け付けて、発売と同時に発送する販売手法です。本記事では、予約販売を導入する方法や、導入することで発生するメリット・デメリットを紹介するのでぜひ参考にしてください。
ECサイトの予約販売とは
ECサイトの予約販売とは、発売前の商品をサイト上で公開し、事前に注文を受け付けて、発売と同時に購入者のもとに発送する販売手法です。
ここでは、予約販売で解決できる課題と受注生産との違いなどについて解説します。
予約販売で解決できる課題
予約販売は、以下の課題を解決する手段として有効です。
- 発売日が未定のため売上計画が立てにくい
- 季節物の商品を短期で販売する見通しが立てにくい
- 季節物の商品在庫の管理・確保が難しい
例えば、旬の果物といった出荷時期がその年の天候等に左右される商品や、物流の遅れが発生しやすい海外輸入品は、売上計画を立てにくいという特徴があります。
しかし、予約販売を行うことで、在庫が手元になくても販売できるため、売り上げの見通しを立てることが可能です。
また、冬の防寒具やクリスマスやお花見といった季節物の商品など、販売期間が短期間の商品でも、告知期間を長めに確保することで注文数を増やせます。
商品在庫の管理においても、予約販売で注文を取りまとめることで、一括して商品の管理・発送ができるため、業務の効率化につながるでしょう。
予約販売と受注生産の違い
予約販売と似た用語に受注生産がありますが、これらはまったくの別物です。
受注生産では、注文された数量のみを注文後に生産するので、過剰在庫が発生しません。
それに対し予約販売は、発売前に注文を受け付けるものの、すでに生産を始めており、予約販売分のほかに一般販売分も含んだ予定生産数が決まっています。
生産数が注文数に左右されないのは「予約販売」、注文された数量をピッタリ生産するのが「受注生産」です。
予約販売機能・アプリを活用する4つのメリット
ECサイトの予約販売機能やアプリを活用するメリットは、おもに4つ存在します。それぞれのメリットについて詳しく解説しますので、予約販売の導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
1.発売日が未定でも販売できる
予約販売機能を利用すれば、発売日が未定でも、注文を事前に受け付けて商品を販売できます。
これにより、商品がまだ手元にない状態でも、注文数を把握することが可能です。
注文数を事前に把握できれば、生産や仕入れの見通しが立てやすくなるため、効率的にEC運営を行えるようになります。
2.季節商品の販売機会を拡大できる
予約販売機能を利用することで、季節商品の販売機会を拡大できます。
アパレル商品であれば、冬物のダウンジャケットなどをシーズン前に予約販売することで、効率よく販売することが可能です。
とくに、流行・トレンドの商品のサイクルは2〜3カ月と短いケースもあるため、事前に多くの顧客を囲い込むことが売り上げ増加に欠かせません。
3.売り上げ計画を立てやすい
予約販売を行うことで、事前に注文数が把握できるため、売り上げ計画を立てやすくなります。
需要を事前に把握することで、生産や仕入れを調整し、過剰在庫を防げるのもメリットです。
結果として受発注業務の効率化にもなるため、無駄なコスト削減にもつながります。
4.売り切れ時のサイト離脱を防止できる
ECサイト内でせっかく顧客が商品に興味を持ったとしても、該当の商品が売り切れとなっていれば、販売機会を失ってしまいます。
しかし、予約販売機能が搭載されていれば、商品が売り切れていた場合でも予約ができるため、顧客の離脱を防ぐことが可能です。
次回の入荷が予定されてい場合は、その点を明記しておくと顧客の不安を取り除けるでしょう。
予約販売をするときの3つの注意点
予約販売はEC運営においてさまざまなメリットをもたらしますが、同時に注意すべき点も存在します。ここでは、3つの注意点についてそれぞれ詳しく解説しますので、予約販売を導入する前に1度確認しておきましょう。
支払方法の設定に注意が必要
予約販売を行う場合は、支払い方法の設定に注意が必要です。
クレジットカードを決済手段にする場合、商品の発送前に売上請求ができない点に注意しましょう。
商品の発送時に売上確定となるため、予約から発送までの期間が長い場合、クレジットカードの有効期限切れにも注意が必要です。
また、代引きでの決済の場合、受け取りを拒否されると費用を回収できないため、おすすめしません。
在庫を一気に引き受ける体制が必要
予約販売では、予約期間に注文された商品を一斉に出荷することがほとんどです。
そのため、予約期間の間、多くの在庫を保管しておく倉庫などの広いスペースが必要になります。
スペース不足に陥った場合、作業効率が悪化したり、誤配送の原因にもつながったりするため、注意が必要です。
購入者の気が変わってしまうことがある
予約販売では、予約期間が長ければ長いほど、購入者の気が変わる可能性高くなります。
理由はさまざまですが、予約待ちの間に商品購入の必要がなくなったり、金銭的に購入が厳しくなったりするケースが考えられるでしょう。
購入者が注文したことを忘れてしまうケースも考えられるため、発送前にメールでお知らせするなどの工夫をすることが大切です。
予約販売を成功させる2つのポイント
予約販売を成功させるためには、事前告知を行うことや、特典を用意することが有効です。ここでは、予約販売を成功させる2つのポイントについて深掘りしていきます。
事前告知で集客する
予約販売は、発売前の段階で、できる限り多くの人に告知することが重要です。
SNSやメルマガなどを活用して、予約販売ページへの集客を試みましょう。
集客を効率的に行うためにも、普段からSNSで情報を発信してフォロワーを増やしたり、広告で不特定多数の人に告知を行ったりすることが有効です。
ECサイトへの集客方法については以下の記事もご参考ください。
予約販売だけの特典などを用意する
予約販売だけの特典を用意することで、ユーザーに予約販売を利用するメリットが生まれます。
予約販売にお得感を感じてもらうことで、予約販売での注文数を増やせるでしょう。
特典には、ポイントプレゼントなど、ECサイトでの購入を促せるものがおすすめです。
予約販売のやり方
では、予約販売はどのように行うのでしょうか?予約販売機能は各ECモール・カートにも搭載されているため、簡単に利用できます。
ECモール・カートにも予約販売機能はある
楽天、アマゾン、BASE、makeshopなどを利用している場合は、それぞれのECモール・カートに予約販売機能が備わっています。
各ECモール・カートの予約販売機能を利用すれば、簡単に予約販売を行えるため、別途システムを導入する必要がありません。
しかし、複数のECモールやカートを利用している場合、それぞれ個別に予約商品を管理しなければならない点には注意が必要です。
多店舗運営なら一元管理システム導入もおすすめ
自社ECや複数のECモール・カートで商品を出店する多店舗運営を行っている場合は、一元管理システムの導入がおすすめです。
各ECモール・カートにログインしてそれぞれ管理する必要がなくなりますし、予約販売商品の注文をシステムが自動で取り込んでくれ、個別に確認が必要な注文以外は、商品が入荷したら自動で出荷可能な受注扱いに切り替えてくれます。
予約販売のフローを自動化し効率化できるため、繁忙期でも安心です。
商品予約へのお礼メールの例文
予約注文は、商品を発送するまでに期間が空くため、お礼メールなどで顧客に入荷日や商品情報の詳細を知らせることが大切です。
商品を購入したユーザーが後からメールを見返すことで、注文したことを忘れてしまわないようにリマインドすることができます。
商品予約後に送るお礼メールの例文を記載するので、ぜひ参考にしてください。
【お礼メールの例文】
件名:【〇〇ショップ】商品のご予約をいただき誠にありがとうございます。
△△△△様
このたびは商品のご予約をいただき誠にありがとうございます。
〇〇ショップです。
数ある店舗の中から当店をお選びいただき、誠にありがとうございます。
本商品は、◯月◯日頃入荷予定の予約販売商品となります。
以下の内容でご予約注文をお受けいたしましたので、ご確認をお願いいたします。
<注文情報>
**************************************
[受注番号] ○○○○○○○
[お支払方法] ○○○○○○○
[配送方法] ○○○○○○○
[お届け先] ご本人様宛
〒○○○-○○○○
○○県○○市○○○
**************************************
[購入品]
○○○○○○○
**************************************
価格:○○○○(円) × ○(個) = ○○○○(円) (税込、送料込)
小計:○○○○(円)
消費税:○(円)
送料:○(円)
ポイント利用:○(円)
**************************************
合計:○○○○(円)
**************************************
ご予約いただきました商品を無事にお届けできるよう細心の注意を払ってまいります。
商品到着まで、今しばらくお待ちください。
**************************************
○○ショップ
URL:http://www.***.co.jp
営業日:月~金○○:○○~○○:○○
定休日:土日祝
定休日にいただいたご連絡に関しましては、翌営業日にご回答させていただきます。
株式会社△△
住所:〒111-1111 東京都◎◎区◎◎町1-2-3
TEL:03-****-****/FAX:03-****-****
店舗連絡先:◎◎@***.co.jp
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なお、お礼メールについては以下の過去記事もご参考ください。
まとめ:予約販売を活用して効率化・売り上げアップを図ろう
予約販売は、顧客のサイト離脱の防止や、季節商品の販売機会の拡大などに役立ちます。
販売フローの効率化にもつながるため、適切に活用すれば、売り上げを大きく伸ばせるので、ぜひ活用してみてください。
EC運営を効率化したいならネクストエンジンの導入を
予約販売機能を導入し、EC運営の効率化を模索しているのであれば、ネットショップ一元管理システム「ネクストエンジン」の導入もおすすめです。
ネクストエンジンでは、受発注業務を自動化できるほか、在庫の自動連携も行っているので、多店舗運営の効率化に効果的です。
予約販売機能も搭載されており、商品が入荷していない段階では管理上入金待ちのステータスにとどまりますが、商品が入荷した段階で自動で出荷できるステータスに切り替わるため、受注業務をずっと楽にすることができます。
予約完了メールの自動送信にも対応しているため、予約販売機能とあわせれば大きな効果を発揮するでしょう。
なお、ネクストエンジンを導入することで予約販売の受注はどう変わるのか、こちらの記事「予約販売の受注処理も効率化しよう!【新人エヌイーくんと学ぶ!ネクストエンジン運用教室 Vol.2】」でもご紹介していますので、ご参考ください。
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