
楽天市場の「配送品質向上制度(楽天最強翌日配送)」は、2024年7月に本格運用が開始され、現在(2025年12月時点)では全国の主要店舗・商品で取得可能な制度として定着しています。
ラベルは「楽天最強翌日配送」と正式に命名され、取得基準も最新化されています。現在では、納期遵守率や6日以内配送率などの条件をクリアすることで付与され、取得店舗は増加中です。
楽天に出店中の方にとっては、「最新の制度内容は?」「自社でもラベル取得できるのか?」という疑問が多いでしょう。
本記事では、最新情報をもとに、取得条件と具体的な対策を解説します。
※本記事は2025年12月時点の情報をもとにしています。
配送認定ラベルは正式に「楽天最強翌日配送」と命名され、RSLお届け日時表示サービスにも対応済みです。最新情報は楽天公式サイトをご確認ください。
楽天の配送認定ラベル「最強配送ラベル」とは?

「楽天最強翌日配送」とは、楽天市場の配送品質向上制度の一環として、注文から翌日配送を可能にする商品に付与される認定ラベルです。
EC事業者にとっては、配送のスピードと利便性を高め、ユーザー満足度を向上させる制度として理解するとわかりやすいでしょう。
2025年12月時点では、対象店舗・商品は全国で増加中です。
認定は厳しい?どんな条件?
最強配送ラベルを取得するには、以下の条件をすべてクリアする必要があります(2025年12月最新版)。
- 楽天SKUに対応する
- お届け日表示機能に対応する
- 店舗基準・商品基準をそれぞれクリアする(※)
※なお、制度上は 「RSLなど外部倉庫に預けるか否か」 にかかわらず、上記の基準を自社で安定してクリアすれば、ラベル取得対象となる可能性があります。
ただし、外部倉庫を使わずに自社発送で対応する場合は、発送体制や在庫管理、配送エリア対応など運用のハードルが高くなるため、条件クリアのためには綿密なオペレーション設計が必要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
条件1:楽天SKUに対応する
楽天SKUプロジェクトは、ユーザーが欲しい商品にたどり着きやすくするため、SKU単位で商品ページ上に複数のSKUを紐づける仕組みです。
楽天最強翌日配送を取得するには、まず楽天SKUに対応する必要があります。
2025年12月時点では、すべての楽天店舗でSKU対応は完了しており、既に運用フェーズに入っています。
自社のSKU設定状況や移行履歴をRMSで確認し、最新のデータが正しく反映されているかチェックすることが重要です。
条件2:お届け日表示機能に対応する
SKU対応後には、お届け日表示機能の対応が必須です。
この機能により、ユーザーは商品ページ上で最短配送可能日を確認でき、購入判断の参考にできます。
出店事業者は、SKUごとに発送元住所や出荷リードタイムを登録し、楽天検索や商品ページに最短配送可能日を正確に表示する必要があります。
条件3:店舗と商品の認定基準をクリアする
上記2点に加えて、以下の基準をすべて満たす必要があります。
| 分類 | 基準項目(案) |
|---|---|
| 店舗基準 |
|
| 商品基準 |
|
さらに詳しい最新情報は楽天の店舗運営NAVIをご確認ください。
- [配送品質向上制度] 店舗基準に関する概要※RMSへのログインが必要です
- [配送品質向上制度] 商品基準に関する概要※RMSへのログインが必要です
出荷件数が月100件以上で、毎日出荷可能であることが求められるため、商材や事業規模によっては条件達成が難しい場合もあります。
▼楽天市場に出店している株式会社こころ様が、実際に行っている取り組みやRMSの設定についてご紹介したセミナーを公開中。こちらもおすすめです。
楽天最強翌日配送の条件をどうやって達成したらいい?

楽天最強翌日配送の条件は厳しく、すべての条件を満たすのは簡単ではありません。
ここからは、条件が厳しくても対応しておきたい背景と、具体的な対策方法について解説します。
なぜ対応したほうがいいのか?|即日配送の重要性
配送認定ラベルの条件のなかでも、多くのEC事業者にとってネックとなるのは商品基準の「翌日配送」です。
毎日商品を出荷できる体制を整えることは、出店事業者側にとって負担が大きいことは楽天側も理解しています。
それでも制度が導入され る背景には、消費者が「注文した商品を翌日(場合によっては当日)に受け取る」ことを当たり前と考えるようになったためです。
RSLを利用する場合は発送業務の負担を軽減できますが、自社発送でも条件をクリアすることは理論上可能です。
ただし、安定して即日配送を行うためには、発送体制や在庫管理、配送エリア対応など、オペレーション設計が不可欠です。
条件達成するためにしたいこと|出荷のフローを見直す
即日配送の重要性はご理解いただけたと思います。ここからは条件達成に向けてどう対策していけばいいかをご説明します。
まずは現状の出荷フローの見直しからはじめましょう。出荷フローを見直すことで、問題点を洗い出し、即日配送を可能にするためにどう対策を取るかを具体的に検討することができるようになります。
出荷管理について詳しくは、以下の記事で解説していますので、こちらもご参考ください。
出荷フローを見直すことは非常に重要です。
特に自社発送で条件を満たす場合は、通常の営業日だけでなく、土日祝も出荷できる体制が必要です。
RSLを利用する場合は負担が軽減されますが、自社発送では人的リソースとオペレーションの整備が重要になります。
EC一元管理システムの導入がおすすめ
現状の出荷フローの見直しが済み、やはり人員を増やし、業務をもっと効率化・自動化していかなくてはならないと分かったものの、条件達成のための増員や自社での365日出荷対応は難しいという方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが一元管理システムの導入です。
一元管理システムとは、「楽天をはじめ複数のショッピングモール・カートや自社ECサイトのデータを1つのプラットフォームに集約し、受注業務から出荷業務までを自動化・効率化するシステム」です。
RSLを利用する場合でも、自社発送で条件達成を目指す場合でも活用でき、複数店舗全体の業務効率化や人的負荷の軽減に大きく寄与します。
ただし、楽天スーパーロジスティクス(RSL)を利用しなくても、自社発送で条件を安定してクリアできれば、ラベル取得の可能性はあります。各倉庫システムとの連携も可能なため、出荷業務のアウトソーシング化も実現できます。
自社発送と外部倉庫のどちらでも、条件クリアのための運用設計を支える強力なツールとなります。
EC一元管理システム「ネクストエンジン」とは

様々なEC一元管理システムがありますが、本記事ではネクストエンジンを例にご説明します。
ネクストエンジンでできること
EC一元管理システム「ネクストエンジン」は受注・出荷管理を自動化・効率化することで、楽天最強翌日配送のラベル獲得に大きく貢献することができます。
また、楽天配送認定ラベルを取得後、受注量が増えても、安定して条件を維持し続けることができます。
楽天SKUへの対応についても、ネクストエンジンは公式に対応済み(2025年時点)で、SKU管理・在庫連携機能を活用できます。
さらに 自社発送だけでなく、委託倉庫を利用する場合でもネクストエンジンで一元管理が可能です。
倉庫との在庫連携・出荷指示を自動化できるため、RSLを利用しない運用でも、最強翌日配送の条件達成に必要なスピードと正確性を保ちやすくなります。
RMSとの連携について
ネクストエンジンは楽天市場をはじめとした主要モールはもちろん、様々なショッピングモール・カートと連携が可能です。
楽天の店舗管理システムであるRMSと連携することで、受注・在庫の管理などをさらに効率化することができます。
楽天の商品登録・在庫管理・受注管理についてはこちらのページでも詳しく記載しております。
なお、楽天RMSについての詳細は以下の記事もご参考ください。
委託倉庫・RSLとの連携について
「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」は楽天公式の物流アウトソーシングサービスで、年中無休・あす楽対応のため、翌日配送をクリアしたい店舗が導入を検討するケースも多いサービスです。
ネクストエンジンとRSLを連携すれば、入庫時のデータ作成や出荷指示が自動化され、効率的な運用が可能です。
さらに、RSL以外の外部倉庫とも幅広く連携可能で、Amazon FBAマルチチャネルやヤマトフルフィルメントなど複数のWMSサービスにも対応しています。
RSLでは温度管理など一部機能が対応範囲外となることもありますが、外部の委託倉庫であれば、
- 冷蔵・冷凍保管
- 賞味期限やロット管理
- 専門商材の物流に強い倉庫
など、商材の特性に合わせた倉庫を選択できます。
ネクストエンジンを軸に倉庫と連携することで、商材に最適な物流環境を維持しながら、翌日配送の要件も満たしやすい運用が実現します。
楽天RSLについての詳細は以下の記事もご参考ください。
BOSSとの違い
楽天配送認定ラベル制度の発表時には楽天は翌日配送実現の支援策として、BOSSの「RMS 自動化プラン」が2023年4月から提供開始されました。
RSL利用にはBOSSやネクストエンジンなどの受注管理システムとの連携が必要ですが、違いとして特に注目すべきは「対応モール・カート」です。
- BOSSのRMS自動化プラン:楽天市場のみ対応(一部プランでYahoo!、Amazon、au PAYマーケット、Qoo10、Make Shopなど)
- ネクストエンジン:楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon・au PAYマーケット・Qoo10・Make Shopに加え、ShopifyやBASEなど幅広いモール・カートにも対応
50以上のモール・カートと連携しているため、RSL条件を満たす運用を実現しつつ、将来的な複数モール展開にも柔軟に対応できます。
まとめ:楽天最強翌日配送の獲得には、一元管理システムの導入がカギ!
本記事では、楽天最強翌日配送の制度概要と獲得条件をクリアするための方法をご紹介しました。
獲得条件の中でも、翌日配送の実現が、大きなハードルになる方も多いのではないでしょうか。
日々の出荷業務に加え、翌日配送の受注が増えて対応していくのは、簡単ではありません。
しかし、ネクストエンジンのような一元管理システムを導入すれば、受注・在庫・出荷管理を効率化でき、RSLを使わなくても安定して条件を満たす体制を構築可能です。
▼ネクストエンジンを使って楽天最強翌日配送に対応する具体的な方法を解説したセミナーがおすすめです。
楽天市場に出店している株式会社こころ様をゲストに招き、実際のお取り組みについてご紹介いただいきましたので、ぜひご覧ください!


