返品処理とは?業務フローや会計処理のタイミング・仕訳例を紹介

ECサイト運営では返品処理はつきものです。

「返品の理由はどういったもの?」「返品処理は難しいの?」「スムーズに返品業務を進めるためのポイントは?」など、返品処理についてさまざまな疑問を持っている方もいるでしょう。

そこで本記事では、返品処理業務について返品処理の仕事内容からおもな返品理由、業務の流れや効率化の方法を解説していきます。

返品処理を行う上で重要なポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

返品処理とは?

まずは、返品処理とはどのような業務内容かをご説明します。

返品処理とは、商品やサービスの返品を行う業務のこと

返品処理とは商品を購入した顧客がなんらかの理由により返品を希望した際に、販売店が商品を購入者から受け取り、返金を行うまでの一連の業務のことです。

ネットショップでは、商品を実際に触って確かめたり、試着して購入したりできないため、想像と違った・サイズが合わなかったなどの理由により返品するケースが多く見られます。

商品やサービスの返品率

では、実際商品やサービスの返品率はどの程度のものなのでしょうか?

株式会社エルテックスが通販事業者担当300名に対し、返品率などの調査を行った結果、返品率5〜10%の事業者が最も多い結果となりました。

しかし、年商100億円以上の事業者では返品率を5%未満に押さえている傾向も見られ、返品率を抑える意識の差が浮き彫りとなっています。※

商品の返品率が高くなると返品業務の負担が大きくなり、ほかの業務に必要な時間を圧迫しかねません。

また、返品処理の際にトラブルが起きてしまった場合、お店のレビューや評価などを下げる要因にもなるでしょう。

しかし、返品は必ずしも悪い面だけではありません。返品可能であるという安心感から、ECサイトで商品を購入してみようと考えるユーザーも少なからずいます。

実店舗に行く時間がない、欲しい商品を取り扱っている実店舗が遠方といった理由でECサイトを利用しているユーザーも多いため、返品を悪くとらえすぎないようにしましょう。

ただし、返品率が多すぎる場合には返品に至った原因を探り、今後の商品開発に活かすことが大切です。

※参考:ECのミカタ「ECの返品率は5~10%がボリュームゾーン、エルテックスの実態調査で

返品処理はどうして発生するの?おもな返品理由とは

返品が発生する理由はさまざまです。

以下では販売側・購入側・配送の3つに分けて、返品理由を説明します。

販売側に起因する返品理由

販売者のミスが原因の返品は以下の3つです。

  • 誤発送
  • 宛名間違い
  • 故障や損傷

受注した商品ではなく、誤って別の商品を発送してしまう誤発送や、宛名を間違えて誤配送してしまうなど、事業者側の過失で返品やキャンセルが発生するケースが考えられます。

ほかにも、商品が不良品であったり、傷や汚れがあるなど、明らかに発送前から問題がある商品を見落としてそのまま配送してしまった場合は、返品につながります。

購入側に起因する返品理由

ECサイトでは実店舗のように自分の目で商品を確かめたり、試着したりすることができません。

そのため、実際に届いた商品を自分の目で見たときに「イメージと違う」「サイズが合わない」と感じるケースがあります。

また、配達後に「結局使わなかった」「別の商品のほうがよかった」など、注文から配達までの数日間に気持ちの変化が起こり、返品につながるケースもあるでしょう。

特定商取引法上で定められた返品権によって、購入者は8日以内の返品が可能となるため、購入者側の事情でも返品が発生します。

配送に起因する返品理由

以下のような配送業者によるミスも返品の原因になります。

  • 配送先の間違い
  • 配送中の破損や汚れ、商品の劣化
  • 配送中の事故による配達不可

頻度は多くはないものの、なんらかの原因によって配達中に事故が起きてしまい、配達ができないケースも考えられます。

届け先の間違いなどのヒューマンエラーが頻発し、返品やクレームなどが頻発する場合は、配送業者の変更も視野にいれるほうがよいでしょう。

返品処理の一般的な業務フロー

実店舗を持たないECサイトの返品処理の業務フローはおもに以下のとおりです。

  1. 返品受付
  2. 購入者が返品する商品を発送
  3. 商品受取・検品
  4. 返金手続き

それぞれ詳しく説明します。

返品受付

まずは返品の受付です。

購入者からの連絡をもとに返品できるかを判断する重要な業務のため、対応するスタッフによって返品できる条件などがブレないように、事前に返品対応のルールを決めておきましょう。

購入者から発送

購入者が商品を発送する際に、迷わずに発送手続きができるよう、店舗住所や送付方法など、わかりやすく案内を行うことが大切です。

納品時に商品と一緒に郵送する納品書に加えて「返品に関する書類」も同梱し、返品する場合の梱包方法・運送会社・返送先などを掲載しておくのも1つの方法です。

商品受取・検品

販売店に返品商品が到着したら、到着日時・状態などのデータを社内で共有しましょう。返品理由に沿って検品を行い、商品に問題がないか確かめます。

また、返品商品とほかの商品を混同させないよう、「返品商品」とわかるように明確に管理するようにしてください。

返金手続き

ここまでの処理で問題がなければ返金手続きを行います。

購入者が商品交換を希望した場合は、EC事業者が商品の在庫を確認して交換商品の発送を行い、完了となります。

返品の会計処理や仕訳のタイミングは?

では、返品の会計処理はどのような方法で行うのでしょうか。計上時期や仕訳のタイミングとあわせて説明します。

【計上時期】帳簿・伝票の修正は返品処理が完了してから

帳簿や伝票の修正は、返品処理が完了してから行うのが一般的です。

店舗の返品処理の場合は、購入者が実店舗に足を運び返品処理が即日完了するため、完了までにあまり時間がかからないため大きな問題はありません。

一方ECサイトの返品処理は、購入者が購入商品を返送するための配送期間を要するので、完了までに時間がかかります。そのため、帳簿や伝票の修正が漏れないよう注意しなければいけません。

また、返品処理には注意点があります。

期をまたいでの返品処理が発生した場合、その商品の金額が高額で、なおかつ課税額に数千万円規模で影響を及ぼす場合は、以下の手続きが必要です。

  • 当期会計仕訳 普通預金/特別利益(繰越損益修正)
  • 前期F/S上の修正 買掛金/仕入 (仕訳勘定は計上しない)
  • 修正申告(別表四 所得加算 別表五(一)利益積立金加算)

あまりないケースではありますが、返品商品の価格が高い場合は注意しましょう。

【仕訳】顧客に売り上げた商品が返品になった場合(売上戻り)

顧客から返品があった場合の処理は、取引を消す処理を行います。

実際の仕訳例は以下のとおりです。

例:10,000円で販売した商品が返品されたケース

<仕訳1>商品を販売したとき

借方 貸方
売掛金 10,000円 売上 10,000円

<仕訳2>商品が返品(仕入戻し)されたとき

借方 貸方
売上 10,000円 売掛金 10,000円

適切な返品処理を行うためにおさえるべき5つのポイント

適切な返品処理を行うためにおさえておきたいポイントは、以下のとおりです。

  • 返品対応のスピード感
  • 誠実かつ丁寧な対応
  • 返品処理に関するレビュー依頼
  • 返品データの分析
  • 返品処理の業務効率化

それぞれ詳しく解説します。

①返品対応のスピード感

返品対応時はスピード感が重要です。

返品する理由はさまざまですが、購入者は商品や対応に少なからず不満を抱えています。そんな中、返品方法がわかりにくかったり時間がかかってしまったりすれば、より購入者の不満がつのってしまいます。

購入者の不満が高まり、トラブルに発展することを防ぐためにも、返品方法がわかりやすくスピード感のある返品フローを構築しておきましょう

②誠実かつ丁寧な対応

ECサイトは実店舗のように対面での対応ができないため、購入者が「返品できるか」「返金されるか」などの不安を抱えている可能性もあります。

そのため、できるだけ購入者の心に寄り添い、誠実かつ丁寧な対応を心がけましょう。

返品対応中は購入者に随時、進捗状況を報告することで購入者に安心感を与えられ、顧客満足度を保つことができます。

また、ECサイト内にも返品条件や返金についての情報を記載しておくと、購入者はより安心して購入できるでしょう。

③返品処理に関するレビュー依頼

「返品時に親切に対応してもらえた」「返品時にこまめに連絡をもらえた」など、好意的なレビューが増えれば、結果として売り上げにもつながります。

返品対応がスムーズに問題なく行えた場合は、購入者に対応に関するレビューを依頼してみましょう。

お礼のメールにレビュー投稿のURLを記載して送るのも1つの方法です。できるだけ簡単にレビュー投稿ができる案内を送りましょう。

④返品データの分析

返品処理が完了したら終わりではありません。

「返品」にはECサイトを運営していく上での重要なヒントが隠されている可能性があります。

返品データを分析することにより、今後の生産計画に役立てたりECサイトの改善に役立てたりすることが可能です。

例えば、サイズ違いを理由に返品が多い場合は、服のサイズだけでなく、着用モデルの身長を明記するなどの対策が効果的といえるでしょう。

返品データを今後の運営に活かすことを考えて、返品フローの構築を行うことが大切です。

⑤返品処理の業務効率化

返品処理を効率化することでスムーズに返品対応をすることができ、作業コストの削減にもつながります。

例えば、返品処理業務をマニュアル化すれば、誰でも同様に対応が可能となり、効率化が図れるでしょう。

また、これまで返品処理に時間がかかっていたスタッフも返品処理対応の時間が短くなるため、ほかの業務に時間を使うことができ、業務に対するモチベーションも上がるかもしれません。

マニュアルの見直しなどを長期間行っていない企業は、作業者の声をくみ取り、現場独自の観点での工夫を取り入れてマニュアルの更新を行いましょう。

また、返品処理の業務効率化を進めるためには、以下のような「自動化」もおすすめです。

フロー自動化する対応
返品依頼依頼受付返品可否判定
返品手続配送業者の手配
受領確認受領確認メール在庫反映
返金経理システムとの連携

このような自動化は、管理システムを導入することで実現することが可能です。

管理システムにはさまざまな種類があるため、自社の業務フローで自動化したい業務をピックアップし、実現できるシステムを選びましょう。

まとめ:返品処理は煩雑になりがち|上手に付き合って売り上げにつなげよう

ECサイトを運営していく上で返品処理は避けられません。返品不可の特約を表示すれば、返品を拒否することもできますが、返品ができないことで販売機会を逃すことにもつながります。

返品処理はコストがかかりますが、丁寧に対応することで顧客からの信頼を高めたり、返品データを分析することでEC運営改善のヒントにもなります。

返品をただ嫌がるのではなく、うまく付き合って行きましょう!

また、返品処理はフローが多く煩雑なため、より効率化を目指すなら、管理システムの導入も検討しましょう。

返品処理を効率化するなら「ネクストエンジン」

返品処理を効率化すべく、システム導入検討中の方は、ぜひ「ネクストエンジン」の導入もご検討ください。

ネクストエンジンを活用することにより、手作業では時間がかかっていた返品処理に伴う在庫管理に関しても効率化することが可能です。

ネクストエンジンは手動による在庫更新が必要なく、以下のような理由により在庫が変動した際も自動管理が可能です。

  • 注文キャンセル
  • 返品対応
  • 交換対応
  • 不良品の処分
  • 入庫対応
  • ほかの店舗で商品が購入された場合の在庫変動

また、サンクスメールやフォローメールの自動送信もできるため、連絡漏れや送信間違いなどのヒューマンエラーも防げます。

できるだけ効率よくECサイトを運営したい、返品処理や受注管理をミスなく管理したいとお考えの方は、ぜひ導入を検討してみてください。

また、より詳しくネクストエンジンを知りたい方のために、ネクストエンジンの受注管理について詳しくまとめた資料もご用意しております。ぜひお気軽にダウンロードしてみてください。

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