受注管理の意味とよくある課題とは?2つの課題解決方法も徹底解説

コロナウイルスの影響により、インターネットを通して商品やサービスを購入する機会が増えた方は多いのではないでしょうか。私達がこうして通販サイトで商品を購入できるのは「受注管理」という業務によって成り立っているのです。

この記事では、受注管理について解説していきます。受注管理の業務内容や課題点、効率化のためのポイントなどを詳しくご紹介しますので、EC事業に携わる方はぜひ参考にしてみてください。

販売管理プロセスの一部「受注管理」とはどんな意味を持つ業務か?

受注管理とは、販売管理プロセスの一部であり、主に、注文を受けて出荷するまでの過程やお金の流れを管理する業務を指します。

ここでは、「受注管理の業務内容」「販売管理における位置づけ」「重要な業務といわれる理由」の3点について解説します。

顧客から注文を受けて出荷するまでの管理業務

顧客となる消費者や企業から注文を受けて出荷するまでが管理業務です。

見積書の作成から商品のピッキングと業務内容は多岐に渡ります。また、他部門との連携も必須になります。

販売管理プロセスにおける受注管理の位置づけ

販売管理とは、顧客から注文を受けて出荷するまでの過程を指します。販売管理のプロセスを以下にまとめました。

  1. 仕入れ管理
    仕入れ先から適切に商品を仕入れるための管理業務
    例:仕入れ先への見積書や発注書の作成、商品の検品など
  1. 受注管理
    顧客から注文を受け、出荷の準備ができるまでに発生する管理業務
    例:発注者への見積書の作成、自社向けの受付伝票の作成など
  1. 出荷管理
    商品を出荷するための管理業務
    例:商品の梱包、配送の手配など
  1. 請求管理
    商品を問題なく納品した後の、代金の回収に関わる業務
    例:顧客への請求書の作成、代金の確認など
  1. 在庫管理
    在庫の管理に関わる業務
    例:商品数の記録、商品の仕入れ状況の確認など

販売管理のプロセスの中で、受注管理の仕事は他部門に対し、指示する工程が多いです。

そのため、他部門との連携を担う司令塔の立ち位置にいます。

受注管理は顧客との接点を持つ重要な業務

プロセスにもある通り、受注管理は顧客との接点を唯一持った業務といえます。顧客からの受注内容を誤りなく在庫部門や生産部門に指示しなければならないため工数が多く、その分責任も重大。当然ですが、ミスは許されません。


負担が多すぎるという理由から、外注やシステム導入を検討する企業が増えてきています。

受注管理の業務内容を一般的な流れで確認しよう

受注管理の業務はどのような流れで行われるのでしょうか。ここからは、一般的な受注管理の業務内容を5つのステップに分けて説明します。ぜひ、参考にしてみてください。

1.顧客の注文内容に合わせて見積書を作成・提案する

顧客からの注文内容に適した見積書を作成・提案します。

企業を対象としたビジネスでは、商品の価格は条件によって変化することが多いため、取引実績や数量に応じた金額を見積もりとして提出します。他社と価格が競合しているときは、複数回見積もりを作成することになるでしょう。業種によっては、見積書の作成と提案は受注管理以外の部署で対応することもあります。

ECなどの小売業では必要がなくなる

企業に対する取引の場合には、見積書の作成が必要です。ただし、ECサイトなどの小売業においては、消費者が購入した時点で発注内容が自動的に作成されるため、見積書の作成は不要になります。

2.契約の締結(注文の確定)をする

見積書の金額と取引する上での条件について、顧客から同意を得ることができたら、契約の締結をします。商品の保証期間や納期、支払い方法、期日など、後々トラブルに発展してしまうこともあるため、事前にしっかりと確認しましょう。

ただし、事前確認でも防ぐことができない問題もあるため、相談窓口を設置するといったサイト設計の工夫も求められます。

ECなどの小売業では購入された時点で契約の締結になる

ECサイトなどの小売業では、見積金額の擦り合わせなどはありません。しかし、顧客に購入された時点で自動的に契約の締結となるため、トラブルにならないようなページ設計が求められます。

3.自社のシステム等に注文内容の登録を行う

注文の確定をしたら、注文内容を自社のシステムに登録します。登録情報は各部門の担当者に共有され、出荷に向けた準備が始まります。取引が初めての顧客に対しては、注文内容の他に顧客情報の登録や管理をしましょう。少し前までは、注文内容の登録までが受注管理の業務とされていました。

4.在庫の確認をし顧客に納期の連絡を行う

注文内容の登録が済んだら、在庫の確認を行い顧客に納期の連絡をします。在庫が不十分の場合は、生産部門や発注部門と連絡を取りながら、在庫を確保しなければなりません。

契約内容や条件を確認しながら、納品時期を明確にし、丁寧に対応することが信頼関係の構築につながります。

5.自社向けの受注伝票の作成と顧客宛ての注文請書を発行する

最後に、受注伝票と注文書を発行しましょう。これらは納期の目途が立ってから作成されることが多い傾向にあります。

受注伝票とは自社向けに、商品をどこにいくつ納品したか、などの情報を記した書類のことで、注文書をベースに作成します。

一方で注文書とは、顧客に対して注文を受けたことを証明する書類です。必ずしも注文書を作成する必要はありませんが、万が一の問題発生に備えて作成することをおすすめします。

顧客との接点として重要な受注管理が抱える課題

受注管理の業務は、在庫・生産部門などの各部門と顧客とをつなぐ重要な役割を担っています。

前述した通り、受注管理業務の仕事量は膨大なため、様々な問題が発生する場合も多くあります。ここでは、受注管理業務が抱える課題を4つ解説します。

受注から出荷の部署につなげるまでの業務が煩雑になりがち

受注管理が抱える課題として、まず受注から出荷までの業務が煩雑になりやすい点が挙げられます。

受注管理は、見積作成から受注伝票や注文書の作成までと業務量が多く、他部署との連携も必須です。業務に携わる人が多いほど、ヒューマンエラーの発生率は高くなってしまいます。

「業務量が多いのにもかかわらず仕事内容が複雑」「部署間での連携や役割分担が上手くいかない」など、業務が煩雑になりやすい環境が課題といえるでしょう。

受注窓口が多様化し人員配置が難しい

受注窓口の多様化により、人員配置の対応が難しいことも課題といえるでしょう。

現在では、電話やFAXの注文はもちろん、webを利用した注文方法も珍しくありません。webでのシステムを利用するには専門的な知識が必要になりますが、それに適した人材を見つけるのはなかなか難しいもの。

窓口が広くなることは顧客にとってはメリットですが、人員不足に悩まされている企業も少なくありません。

他の業務との連携が悪いと納品まで長引いてしまう

他の業務との連携不足により、納品が長引いてしまうことがあります。

管理業務の仕事は、生産部門や発注部門など、各部門と連携が必須です。業務が1つでも滞ると、納品の遅れにつながってしまいます。

情報を共有するために必要な情報量が多く、作業量が増えてしまっていることが原因といえるでしょう。その結果、業務に遅れが生じ、納品まで時間がかかるといった課題が生じてしまいます。

「属人化」が起こりやすい

業務量の多さにより、属人化が起こりやすいのも課題です。

特定の社員でしか対応できない案件が増えると、その社員の稼働状況が納品に影響を及ぼす場合も出てきます。業務内容を共有できていないことで、非効率な作業を気付かずに続けている可能性もあるため、業務の標準化は必要不可欠です。

受注管理の課題を解決し効率化する方法は主に2種類

受注管理は業務量が多く、他部門との連携が必須であるため、抱えている課題も多いことが分かります。このような課題を解決するにはどうしたらよいのでしょうか。

ここでは、解決策として次の2つについて解説します。

・受注管理を外注(アウトソーシング)する

・受注管理システムを導入する

それでは、順にみていきましょう。

1.受注管理を外注(アウトソーシング)する

問題解決に向け、受注管理を外注(アウトソーシング)する方法があります。ここでは、外注の内容やメリット・デメリットについてご紹介します。

受注管理の外注とはどんな内容なのか?

受注管理の外注とは、契約の締結や在庫確認などの業務を外部の会社へ委託することです。部分的もしくは全てを委託でき、出荷業務や在庫管理などの管理業務以外についても必要に応じて外注できるサービスがあります。

料金体系は、従量課金制と月額固定制のどちらかを選択するケースが一般的です。業務を整理することで、顧客への対応のスピードも上がり、顧客満足度の向上が期待できます。

受注管理を外注することで得られるメリット

受注管理を外注することで得られるメリットは2つあります。

1つは、空いたリソースを自社の事業拡大に回せる点です。受注管理の業務を外注することで業務量が減るため、そこに充てていた時間・労力を別の業務に使用できます。新商品の開発や新市場開拓など事業拡大に注力できるでしょう。

2つ目は、低コストで高い品質の受注管理を導入できることです。

管理業務を代行する会社には、低コストで対応してくれるところが数多くあります。自社で新たに担当者を育てるとなると、業務に慣れるまでは生産性を期待できない場合が予想されますが、外注では専門の担当者が対応してくれるため高い品質で受注管理を行えます。

受注管理を外注することで生じるデメリット

受注管理の外注にはデメリットも存在します。1つ目は、社内にノウハウが蓄積されないことです。

「外注=自社では受注管理しない」ということなので、当然ですがノウハウは蓄積されません。また、社内の情報が漏洩する危険性も出てくるため、規約をしっかりと結ぶようにしましょう。

2つ目に、外注先とのコミュニケーションコストがかかることが挙げられます。

社外の企業に対して自社の業務を依頼するため、初めはミスが生まれやすい環境であることを念頭に置きましょう。そのため、上手く業務が回るようにルールや体制を作り、密にコミュニケーションを取っていく必要があります。

2.受注管理システムの導入をする

受注管理システムを導入することで、業務を効率化できます。

ここでは、受注管理システムの特長や機能、メリット・デメリットについて解説します。

受注管理システムとは?主な特長・機能を解説

受注管理システムとは、受注管理業務において手動で行っていた作業を自動化や効率化するシステムのことです。

主な機能としては、注文確認などのルーティン業務の自動化、リアルタイムでの在庫管理などがあります。
また、クラウドシステムで情報を一元管理することで、他部門との情報共有がスムーズになるため、コミニケーションコストの削減も期待できるでしょう。

受注管理システムを導入することで得られるメリット

受注管理システムを導入する大きなメリットは、業務負担の軽減です。

それにより少ない人数で業務を回せるようになるため、ヒューマンエラーの防止や人件費の削減も期待できるでしょう。

また、クラウドで情報を一括管理することで、業務スピードが向上するため、納品が長引いてしまうといったリスクを抑えることができます。

受注管理システムを導入することで生じるデメリット

受注管理システムのデメリットは、導入する際のハードルの高さにあります。システムを変更するには、多くの労力が必要になります。また、既存のシステムを停止すると生産も止まってしまうため、入念な下準備が必須です。

既存のシステムと連携できるのか、使用する人にとって使いやすいシステムかどうか、などしっかりと確認してから導入を決めるようにしましょう。

まとめ:受注管理の課題は自社に合った形で解決しよう

受注管理の業務で発生する課題を解決するには、外注(アウトソーシング)とシステム導入の2つの方法があります。導入にあたり、それぞれメリットとデメリットがあることを念頭に置きましょう。

会社によって抱える課題や作業環境は大きく異なります。

現状をしっかりと理解した上で、どのような策が適しているのか模索しながら、自社に合った形で課題を解決しましょう。