楽天市場に出店する方法|費用・審査から開店までの流れ

集客の入り口を増やすために、楽天市場への出店を考えるEC事業者は多いでしょう。
楽天市場の出店では、月額の出店料に加えて、売上に応じてかかる費用も見積もったうえでプランを選び、2回の審査を見込んで開店日を決める必要があります。また、ほかの販路があるなら、注文と在庫をどこで管理するかも開店の前に決めておかないと、売れるたびに店舗の数だけ在庫数を書き換えることになります。
本記事では、費用とプランの選び方、開店までの5つの手順、注文と在庫をほかの店舗とまとめるときのつまずきポイントを解説します。
楽天市場の出店にかかる費用は?
楽天市場の出店にかかる費用は、初期費用、月額の出店料、売上に応じてかかる費用の3つに分かれます。また、ほかの店舗と楽天市場の注文・在庫を1つのシステムでまとめて管理するなら、そのための費用も加わります。
出店プランと月額の出店料
楽天市場の出店プランには、「がんばれ!プラン」「スタンダードプラン」「メガショッププラン」の3つがあります。契約期間はどのプランも1年で、初期登録費用も同じ60,000円です。
異なるのは、次の表の4つの項目と、売上に応じてかかるシステム利用料の割合です。一方、サポートの内容と、楽天市場内の検索で商品が表示される順位は、どのプランでも変わりません。
| プラン | 月額の出店料 | 支払い | 登録できる商品数 | 画像の容量 |
|---|---|---|---|---|
| がんばれ!プラン | 25,000円 | 年間一括払い | 10,000商品まで | 1.5GBまで |
| スタンダードプラン | 65,000円 | 半年ごとの2回分割払い | 50,000商品まで | 100GBまで |
| メガショッププラン | 130,000円 | 半年ごとの2回分割払い | 無制限(初期値は200,000商品) | 無制限 |
※金額はすべて税別で、2026年10月時点の楽天市場の公式サイト掲載値です。
※2027年2月1日から月額の出店料が改定され、がんばれ!プランは34,000円、スタンダードプランは90,000円、メガショッププランは181,000円になる予定です(楽天市場のお知らせ)。
楽天市場は、ネットショップの運営経験が少ない事業者にはがんばれ!プランを勧めています。一方、スタンダードプランは、月額の出店料が40,000円高いかわりに、システム利用料の割合が低くなります。楽天市場の出店案内によると、目標月商が約178万円を超えるなら、スタンダードプランのほうが割安です。
プランは自社の目標月商と登録する商品数で選びましょう。
売上に応じてかかる費用
月額の出店料のほかに売上に応じてかかる費用は、次の5つです。
- システム利用料:パソコン経由とモバイル経由の売上それぞれに、プランごとの割合をかけた額です。割合は月間売上高の段階によって変わり、プランごとのいちばん低い割合と高い割合は次のとおりです。たとえばがんばれ!プランのパソコン経由の割合は、月間売上高が50万円までなら6.5%、1,000万円以上なら3.5%です。
| プラン | パソコン経由 | モバイル経由 |
|---|---|---|
| がんばれ!プラン | 3.5〜6.5% | 4.0〜7.0% |
| スタンダードプラン | 2.0〜4.0% | 2.5〜4.5% |
| メガショッププラン | 2.0〜4.0% | 2.5〜4.5% |
スタンダードプランとメガショッププランは、月間売上高に加えて、1件の注文あたりの平均の金額によっても割合が決まります。ルールが複雑なため、まずは楽天市場の公式サイトにある料金シミュレーションに目標月商を入れ、月の費用を一度見積もってみるのがおすすめです。
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楽天ポイントの原資:楽天会員に付与するポイントにかかる費用で、購入代金(税抜)に付与率(通常1.0%)をかけた額です。
-
楽天ペイ利用料:楽天市場の決済の仕組み「楽天ペイ」の利用料で、月の決済額の2.5〜3.5%です。
-
取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料:ユーザーが安心して楽天市場を使えるように、システムの開発や窓口の運用に充てられる費用です。1のシステム利用料とは別に、どのプランでも月間売上高の0.1%がかかります。
-
楽天スーパーアフィリエイト:楽天会員がブログやSNSなどに載せた商品のリンクから売れたときにかかる費用で、その売上の2.6〜5.2%です。
ほかの店舗と注文・在庫をまとめるときにかかる費用
楽天市場だけで注文を処理するなら、店舗運営システム「RMS」の受注管理の機能で足ります。一方、楽天市場の注文と在庫をほかの店舗とまとめて管理するなら、複数の店舗を1つの画面で扱える「一元管理システム」が必要です。その場合は、出店の費用に加えて、一元管理システムの利用料がかかります。
また、ほかのサイトとの連携には、RMSのオプションや別の費用、開発が必要になる場合があります。
楽天市場への出店は、どの順に進める?
楽天市場への出店は、申込から開店まで5つの手順で進め、通常は1か月半〜2か月かかります。

1. 出店を申し込み、出店審査を受ける
出店の申込はWebで行い、申し込んだあとに出店審査を受けます。審査で出す書類は、次のとおりです。
- 扱う商材の販売に要る営業許可や資格の書類(古物取扱、酒類販売、食品営業、医薬品販売など)
- 商材の写真
- 個人事業主の場合は、住民票と印鑑証明書(どちらも3か月以内に発行したもの)と実店舗の写真
取り扱えない商材や、事前の審査が要る商材は、楽天市場の出店案内のサイトにある「出店審査や規約、取扱商材の注意事項」のページで確かめられます。たとえば、偽ブランド品や医薬品成分を含む健康食品は取り扱えず、医薬品・酒類・中古品・ペットフードなどは事前の審査が要ります。
申込には固定電話か050で始まるIP電話の番号も要るため、あわせて用意してください。
2. 契約して、RMSの利用を始める
契約が成立すると、利用開始日にRMSのIDがメールで届き、この日から出店料がかかり始めます。初回の出店料の振込期限は、利用開始日から20日以内です。ただし、それより早く開店したい場合は、開店の希望日の7営業日前までに振り込んでおく必要があります。
3. 注文と在庫の管理のしかたを決める
ほかの販路でも同じ商品を売るかどうかで、注文と在庫の管理のしかたは次の3つに分かれます。開店の前に、この3つのどれで進めるかを決めましょう。
-
楽天市場だけで売る場合:RMSの受注管理の機能で、注文と在庫を管理できます。ほかの店舗と在庫を合わせる作業はありません。
-
ほかの店舗と併用し、在庫を手で合わせる場合:楽天市場で売れたらほかの店舗の在庫を、ほかの店舗で売れたら楽天市場の在庫を、そのつど直します。直すのが遅れると、実際より多い在庫数のまま注文を受けてしまう「売り越し」が起きます。
-
ほかの店舗と併用し、一元管理システムを入れる場合:楽天市場の注文も、ほかの店舗の注文と同じ画面で処理できます。在庫連携の機能を使えば、どの店舗で売れても各店舗の在庫に自動で反映されるため、在庫数を手で直す作業は要りません。
どの場合も、商品コードは、色とサイズの組み合わせなど、商品を管理するいちばん小さな単位ごとに付け、この単位を「SKU」と呼びます。一元管理システムで在庫連携するときは、この商品コードを手がかりに、店舗をまたいで同じ商品かどうかを判断します。
楽天市場でも、商品の登録はSKUごとです。楽天市場が「SKUプロジェクト」と呼ぶこの登録のしかたは、次の記事で詳しくまとめています。
なお、楽天市場とほかの店舗の在庫を自動でそろえたい場合は、楽天市場との在庫連携に対応したシステムを選ぶ必要があります。
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4. 店舗を作り、商品を登録する
RMSで店舗のページを作り、決済と配送を設定したあと、商品ページを登録します。ほかの店舗と在庫をまとめるなら、一元管理システムが同じ商品と判断できるように、商品ページはほかの店舗と同じ商品コードで登録する必要があります。
商品の数が多いと、1件ずつ登録するだけで準備の期間が延びます。その場合は、RMSの「CSV商品一括編集」を使い、CSVファイルから商品ページをまとめて登録するのが近道です。
商品登録の手順は、次の記事で1つずつ詳しく解説しています。
5. オープン審査を受けて、開店する
店舗のページができたら、開店の希望日の5営業日前までに、RMSから店舗オープン審査を申請します。審査の結果によっては希望日に開店できないことがあるため、申請は期限ぎりぎりではなく、開店の希望日から逆算して早めに出しておきましょう。
楽天市場の注文と在庫をほかの店舗とまとめるときのつまずきと防ぎ方は?
一元管理システムで楽天市場とほかの店舗をまとめるときは、次の3つがよくつまずくポイントです。
1. 在庫連携に要る楽天市場側の手続きが、開店に間に合わない
原因:一元管理システムとつなぐには、RMSでシステムからの接続を許可し、つなぐための鍵「ライセンスキー」を受け取らなければなりません。
この手続きはRMSの利用開始日のあとでないと始められず、終わるまで数日かかります。そのため、店舗づくりや商品登録を先に進めていると、開店の直前まで手を付けないままになりがちです。
解決策:一元管理システムでまとめると決めたら、RMSのIDが届いた利用開始日のうちに、接続を許可する手続きを始めます。そうすれば、手続きに数日かかっても、開店の希望日より前に在庫連携を試す時間を確保できます。
2. 在庫連携を始めたとたん、楽天市場の在庫数が書き換わる
原因:在庫連携を始めると、各店舗の在庫数は、その時点でシステムに入っている数で上書きされる仕組みです。そのため、正しい在庫数をシステムに登録する前に始めると、楽天市場もほかの店舗も、実際の在庫とずれた数に書き換わります。
解決策:まずは、システムの在庫数を、棚や倉庫にある実際の在庫数と突き合わせて直します。数がそろってから、在庫連携を始めましょう。始めたら開店前に、システムで1つの商品の在庫数を変え、楽天市場の画面でも同じ数に変わるかを確かめます。
3. ライセンスキーの期限切れで、注文が取り込まれなくなる
原因:楽天市場のライセンスキーには90日の期限があり、切れると、注文の取り込みと在庫連携が止まります。また、期限が切れてもシステムの画面にエラーが出ないことがあるため、止まったことになかなか気づけません。少ない人数で運営していると、更新そのものも忘れがちです。
解決策:期限の前に、RMSでライセンスキーを発行し直してシステムに登録します。あわせて、楽天市場からの「licenseKeyの有効期限のお知らせ」のメールを担当者のアドレスで受け取れるようにし、更新日も予定表に入れておきます。
なお、一元管理システムの選び方は、次の記事で解説しています。
楽天市場の出店と一元管理の導入事例
楽天市場に出店し、注文と在庫を一元管理システムでまとめた事業者の事例を、3社紹介します。
楽天市場1店舗の受注作業を仕組み化し、人を雇う前に4店舗へ
朝日物産株式会社様は、淡路島の玉ねぎの卸売りに加え、生産とネットショップでの販売も行う事業者です。楽天市場から始めたネットショップを、生産や経理、繁忙期の出荷もこなしながら1人で運営していたため、夜遅くまで作業が続いていました。
人を雇う前に仕組み化とマニュアル化が先だと考え、デモ動画で操作が一番シンプルだった一元管理システムを選びました。導入後は、受注処理とメール送信、送り状の整理が自動になりました。そこから1年足らずでYahoo!、Amazon、BASEにも出店して1店舗から4店舗に増え、売上は導入前の3倍以上になっています。
親に出荷を任せるためにシンプルな仕組みを選び、注文の急増にも慌てず対応
株式会社パピー様は、もともと赤ちゃんの手押し車を製造販売していた会社で、現在は室内玩具を中心に販売しています。出店料のかからないYahoo!ショッピングでECを始め、半年以内に楽天市場とAmazonにも出店しました。注文が増えて自分だけでは出荷が間に合わなくなり、親に出荷を頼んだものの、ECの手順を覚えてもらうのは大変でした。
親が使うことを前提に、パンフレットがシンプルだった一元管理システムを選び、両親も数か月で使いこなせるようになりました。売上が大きくなる前に一連の運用を作っておいたため、のちに注文が急に増えたときも、慌てずに乗り切れています。
各モールの管理画面を1つにまとめ、パートさんが定時で帰れるように
有限会社大澤洋蘭園様は、胡蝶蘭のギフトを扱う事業者です。自社サイトに続き、2016年に楽天市場、2018年にAmazonへと販路を広げてきました。繁忙期には1日に平均150鉢を出荷し、受注処理も重なって、毎年徹夜を覚悟するほどの忙しさでした。
参加したイベントで一元管理システムをすすめられて導入すると、モールごとの管理画面を開かずに、1つの画面で作業できるようになりました。受注完了メールも自動で送れるため、送り遅れによるクレームはゼロです。作業が早く終わるようになり、パートさんも定時で帰れています。
まとめ
楽天市場の出店は、目標月商で費用を見積もってプランを決め、開店の希望日から逆算して5つの手順を進めます。ほかの販路がある場合は、楽天市場の注文と在庫をどこで管理するかを開店の前に決めておくと、開店した日から在庫をずらさずに売り始められます。
まずは、料金シミュレーションで月の費用を見積もり、出店審査の書類をそろえるところから始めてみてください。ほかの店舗と在庫を手で合わせ続けるのが難しそうなら、開店の前に一元管理システムを検討するのも1つの方法です。
よくある質問
Q. 個人でも楽天市場に出店できますか?
税務署に開業届を出している個人事業主なら出店できます。法人と同じく出店審査があり、住民票や印鑑証明書(3か月以内に発行したもの)、実店舗の写真などを提出します。
Q. 楽天市場の出店審査には、どれくらいの期間がかかりますか?
出店審査を含む申込から契約までは、通常2週間〜1か月です。店舗づくりとオープン審査を含めると、開店までは通常1か月半〜2か月かかり、扱う商材や商品の数によって変わります。
Q. 楽天市場の出店は、途中でやめられますか?
契約期間の途中でも退店できます。ただし、出店料は、当初の1年の契約期間の分を支払う必要があります。
Q. 楽天市場とほかのモールの在庫を、まとめて管理できますか?
一般的には、一元管理システムを使うとまとめて管理できます。どの店舗で売れても、システムが全店舗の在庫数を自動で直す仕組みです。たとえばネクストエンジンでは、楽天市場を含む複数のモール・カートの在庫数を1つの画面で管理できます。
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