
「来週末のキャンプ用に、1万円以内で焚き火に強いジャケットを買っておいて。支払いはいつものカードで」
このような指示を、私たちはすでにスマートフォンのAIに自然に話しかけるようになっています。
そして近い将来、その指示を受けたAIが商品を選定し、比較し、購入までを自動で完了させる世界が当たり前になると考えられています。
こうしたAIが人に代わって購買行動を行う商取引の形は、エージェンティックコマース(Agentic Commerce)と呼ばれています。
これまでEC事業者は、「人が見て、考えて、選ぶ」ことを前提に、商品ページや導線を設計してきました。しかし今後はそこに、「AIが情報を読み取り、合理的に判断する」という新しい購買主体が加わります。
本記事では、エージェンティック・コマースという変化を整理しながら、ネクストエンジンがどのような役割を担い、どの方向へ進化していくのか、そして、EC事業者が今から準備できることについて解説します。
▼さらに、こうした未来の購買体験は、すでに一部のEC現場で体感可能です。
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検索から「委任」へ。購買行動を変えるエージェンティックコマース

人が探さなくなる世界─エージェンティックコマースによる購買の委任
これまでのEC購買は、検索が起点でした。
キーワードを入力し、商品を比較し、レビューを読み、購入を決める。
この一連のプロセスは、時間と労力を必要とする行為です。
生成AIの普及により、このプロセスは「探す」から「任せる」へと変わっていきます。
ユーザーは要件だけを伝え、実際の選定や比較はAIに委ねる。
AIは価格、スペック、在庫、配送条件などを横断的に判断し、最適な選択を行います。
特に日本では、高齢化や共働き世帯の増加により、「考えなくていい購買体験」へのニーズは今後さらに高まると考えられます。
AIは「感情」ではなく、「データ」に基づいて購買判断を行う
重要なのは、AIが感情ではなく論理で判断するという点です。
人間であれば、「雰囲気が良い」「なんとなく安心できる」といった要素で商品を選ぶこともあります。一方、AIが重視するのは以下のような情報です。
- 明確な商品スペック
- 正確な価格
- 最新の在庫状況
- 配送条件
- 信頼できる商品識別情報(JANコードなど)
つまり、今後のECでは人に伝わる表現と同時に、AIに正しく理解されるデータが不可欠になります。
▼AIの基本的な判断プロセスや活用の仕組みについては以下のブログで詳しく確認できます。
エージェンティックコマースでは、AIに認識されない商品は選択肢に入らない

曖昧な表現は、AIにとって判断材料にならない
人にとって魅力的な表現が、必ずしもAIにとって有効とは限りません。
「涼しい」「高品質」「極上」といった表現は、人間の感覚には訴求できますが、エージェンティックコマースにおけるAIの購買判断では、具体的な比較材料として扱うことができません。
AIが必要とするのは、以下のような構造化された属性データです。
- 素材
- サイズ
- 重量
- 成分
- 対象年齢
- 規格・型番
これらの情報が説明文の中に埋もれている場合、AIは商品を正しく比較・評価できず、結果として購買候補から外れてしまいます。
つまり、エージェンティックコマースの時代では、「伝わる文章」だけでなく、「AIに理解されるデータ」を持つことが不可欠になります。
商品データの共通化が進むと、AIは「最も信頼できる情報源」を参照する
海外では、GoogleやShopifyなどが中心となり、AIがECサイト間で商品・在庫情報を共通の形式で扱える仕組みづくりが進んでいます。
AIは特定のモールやカートに依存せず、「最も信頼できる情報源」へ直接アクセスするようになります。
このとき重要になるのが、どこに正確で最新の商品データが集約されているかです。
Universal Commerce Protocol(UCP)とは、AIが安全に「買える」ための共通仕様
エージェンティック・コマースが広がるほど、課題になるのは「AIが店舗ごとの違いを学習し続けるコスト」です。
決済方法、在庫の持ち方、配送条件の表現、返品ルール、注文後の変更可否などがバラバラなままだと、AIは安全に購入を完了できません。
そこで注目されるのが、「Universal Commerce Protocol(UCP)」という考え方です。
UCPとは、AIエージェントがどの店舗でも同じ手順で商取引を実行できるようにするための商取引プロトコル(共通仕様)です。
ShopifyとGoogleによる世界的な標準化の動き
2026年1月には、ShopifyがGoogleと共同でこのUCPを推進することを発表しました。
これにより、AIエージェントがどの店舗でも迷わず、以下のような一連の取引を自動で実行できるようになります。
※参考:https://www.shopify.com/jp/ucp
AIエージェントがUCPで実行する「商取引の5ステップ」
AIはUCPに基づいて、
「商品情報の取得 → 条件検証 → 注文作成 →支払い・配送・追跡・キャンセル・返品」
といった一連の取引を実行します。
UCPが目指す共通化の範囲(イメージ)
– 商品: 識別子(GTIN/JAN等)、属性、バリエーション、画像、説明、注意事項
– 価格: 通常価格/セール、税・送料、ポイント等の条件、見積もりの有効期限
– 在庫: 可用性、引当ルール、リードタイム、バックオーダー可否
– 配送: 配送手段、最短日、日時指定、地域制限
– 取引: 注文作成、支払いの同意/認可、注文確定、変更/キャンセル、返品・返金
ここで重要なのは、見た目のUIやデザインの統一ではありません。
UCPが重視しているのは、AIが誤解しない構造化データと、安全に取引を実行するための手続き(同意・認可・監査)です。
UCPが普及すると、店舗のフロントエンドよりも、正確な商品・在庫・価格・条件を保持するバックヤードが、AIにとっての一次情報源になっていきます。
エージェンティックコマース時代における、ネクストエンジンの役割転換|「業務効率化」から「情報の中核」へ

商品・在庫データの「起点」としてのバックヤード基盤
これまでネクストエンジンは、受注管理や在庫管理を効率化するためのバックヤードツールとして活用されてきました。
しかし、エージェンティックコマースの時代においては、その役割は「効率化」だけにとどまりません。
複数のモールやカートに商品を展開するEC事業者にとって、どこに正確で最新の商品・在庫・価格情報が集約されているかは、AIの購買判断に直結する重要な要素になります。
ネクストエンジンの商品マスタは、複数チャネルへ配信される情報の起点として機能します。
そのため、ここに蓄積されたデータは、事業者にとってのSingle Source of Truth(最も信頼できる一次情報源)であることが求められます。
AIが参照できる商品データへ
エージェンティックコマースが進むにつれ、商品データは「人が見るための情報」から、「AIが判断するための情報」へと役割を変えていきます。
今後ネクストエンジンに求められるのは、単に商品情報を保持することではありません。
・商品マスタの構造化
・外部サービスやAIとの連携を前提としたデータ設計
・AIが理解・比較しやすい形式での情報提供
こうした方向性への進化によって、EC事業者が日々運用している商品データは、AI時代においても価値を持つ「資産」へと変換されていきます。
これは単なる機能追加ではなく、エージェンティックコマースに対応できるデータ基盤を整えるという考え方そのものです。
▼複数のモールやカートに商品を展開するEC事業者にとって、どこに正確で最新の商品・在庫・価格情報が集約されているかは、AIの購買判断に直結します。
ネクストエンジンのAIによる業務サポートについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
今からできる、AI時代に向けた準備

1. 商品マスタの整理と構造化
まず取り組みたいのが、商品データの見直しです。
エージェンティックコマースの時代では、商品情報は「人に説明するための文章」ではなく、AIが理解・比較・判断するためのデータとして扱われます。
そのため、次のような点を改めて確認しておくことが重要です。
- JANコード(GTIN)が正しく登録されているか
- スペック情報が項目として管理されているか
- フリーテキストに情報が埋もれていないか
ネクストエンジンのカスタム項目を活用することで、商品情報を「文章」ではなく「値」として保持することができます。
2. 在庫情報の正確性を高める
もう一つ重要なのが、在庫情報の正確性です。
AIは、在庫切れによるキャンセルを強く避ける傾向があります。
在庫情報のズレは、そのまま「信頼低下」につながります。
- 棚卸し頻度の見直し
- 実在庫とデータの乖離防止
- 在庫連携のタイミング確認
といった基本的な運用の積み重ねが、将来のAI評価につながります。
AI時代のECに求められる新しい視点

将来的には、顧客側のAIと店舗側のAIが条件交渉を行うようなEC取引も想定されています。
エージェンティック・コマースが進展すると、購買は「人が比較して選ぶ行為」から、AI同士が条件をすり合わせ、最適解を導くプロセスへと変わっていきます。
そのためには、
- 在庫状況を踏まえた動的な価格設計
- セット販売や条件付きオファーの提示
- 過去データ・ルールに基づいた柔軟な判断
といった、AIが参照・実行できる商取引の仕組みが不可欠になります。
ネクストエンジンは、商品・在庫・価格情報を一元管理するECバックヤードとして、
こうした変化にも対応できる「AI時代の商取引基盤」を目指していきます。
▼AIの現実的な一歩を踏み出すなら
まずはあなたのECに最適なAIツールを知り、使い方を実践してみましょう。
ネクストエンジンの視点で厳選したAI導入ガイドでは、目的別におすすめツールと注意点をわかりやすく紹介しています。
おわりに|エージェンティックコマース時代に「選ばれるEC」であるために
「AIエージェントが代わりに買い物をする」という世界は、もう目の前まで来ています。
これは決して怖い変化ではなく、AIという「新しい購買代理人」が、あなたの商品を見つけて運んでくれる、次世代ECプラットフォームへの進化です。
これまでのネットショッピングでは、人間が「素敵な写真や文章」を見て選んでくれました。しかし、AIエージェントはもっと論理的に、「正確なデータ」を基準に商品を選びます。
<AI時代に「選ばれるショップ」になるための3大チェックリスト>
①情報の「構造化」を急ぐ:
説明文の中に埋もれている素材やサイズ、JANコード(GTIN)などを、AIがパッと読み取れる「項目(データ)」として整理して登録しましょう。
②在庫データの「信頼性」を高める:
AIは「注文したのに在庫がなかった」というミスを非常に嫌います。常に最新の在庫状況をネクストエンジンで同期させることが、AIからの評価に直結します。
③共通仕様「UCP(Universal Commerce Protocol)」への意識:
AIがどの店舗でもスムーズに買い物ができる共通ルール(UCP)が普及すると、情報の「大もと」であるバックヤードの正しさが、店舗のブランド力そのものになります。
これからのEC運営は、単なる作業の効率化だけでなく、「AIに正しく評価されるための資産(データ)作り」へと変わっていきます。
ネクストエンジンは、皆様の大切な商品をAI時代につなぐ中枢システムとして、これからも進化を支え続けます。
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