一時はEC撤退を検討も。見事立て直して売上UP

会社プロフィール
飲料
POINT
BEFORE
  • 繁忙期は連日深夜2時3時まで残業
  • EC運営の負担が大きく、EC撤退も検討
AFTER
  • 繁忙期間であっても常識の時間内に業務を終え帰宅できる
  • 売上UPでも運用人数はそのまま

ビールの本場ともいわれるドイツのビールは日本でも人気が高く、オクトーバーフェストが開催されると多くの人で賑わいますよね。そんなドイツビールを岩手県・盛岡で製造販売する株式会社ベアレン醸造所は、工場直売・電話での注文に加え、自社WEBサイト・楽天・Amazon・ふるさと納税での販売を行っています。

ネクストエンジンの導入前、最繁期の「父の日」の直前には1か月で15,000件以上もの受注処理を2~3人でこなさなければならず、連日業務が深夜まで及ぶこともあったそう。ネクストエンジン導入の経緯と効果について、業務部部長の坂爪様と、実際にネクストエンジンを使って業務をされている澤田様にお話をお聞きしました。

ベアレン醸造所様はヨーロッパのビールの中でも特にドイツビールにこだわっていますよね。

はい。ドイツビールはビールの中でも味がスタンダートなものが多く、奇をてらわないというか日本人の口に合うものが多いんです。麦芽の美味しさを引き出した味わいがあって、日本で好まれている「ラガー」タイプの元となったのがドイツビールです。

日本人に好まれるであろうことに加え、創業者のうち1人がドイツ出身だったことから、まずはドイツビールから始めたいという会社の考えがありました。ドイツから100年以上前の醸造釜を移設するなど、昔ながらのドイツの製法を再現しているのも特徴です。

ベアレン醸造所様はSNSの活用が上手な印象です。SNSにはどのような役割を持たせていますか?

3年前に自社を知ってもらうための取り組みとして、SNS専用の部署を発足させました。単純な広告宣伝のためのツールというよりは、ビールの醸造所としてもっと「ビールを飲む場」「ビールを飲むバックグラウンド」を楽しみ共有するための発信の場として活用しています。

とはいえ、Twitterでキャンペーンを行うとかなりの反応がありますし、ECサイトに導く仕組みも整いつつありますのでかなり売上にも貢献してくれていると思います。

ネクストエンジンは2019年の4月から導入頂いていますが、きっかけがあったのでしょうか。

創業2年目の2002年から自社WEBサイトでの販売を開始し、その後も楽天・Amazon・ふるさと納税と、少しずつECでの販路を増やしていきました。4~5年前までは、1年の中で突出して「父の日」の贈り物の需要が大きく、「父の日」直前は1か月で15,000件以上の注文を頂いていました。そのため、他社のサービスを使った運用では大量の受注処理を行うのに膨大な時間と手間がかかっていました。担当者は2~3人だったため、普段は対応できていても「父の日」の受注15,000件以上をこなすのに連日深夜2時3時まで残業が続いて……。そのため、毎年父の日が近づいてくるのが怖くて仕方がない状態でしたね。

最初は他社のサービスを利用していたのですが、自動化できる部分が非常に少なくて……。受注するたびに1件1件、すべての伝票を開いて確認しないといけなかったんです。受注完了メールも手動で作成する必要があって、さらにシステムが重いのかメールを送るのにパソコンが1時間も固まってしまうことさえありました。

あまりにも現場担当者の負担が大きいため、もうECでの販売自体を辞めてしまおうかという話も社内で真剣に検討されました。しかし、売上規模の大きい「父の日」のEC売り上げを捨てる判断にはならず、「やるなら無理のない運営体制を作ろう」ということで、EC運営の効率化について考えることになりました。加えて2018年頃からふるさと納税の注文も頂くようになり、急激に売上が伸びたこともあって、より効率を上げて対応すべくネクストエンジンの導入を決意しました。

ネクストエンジンを導入して現場の負担は減りましたか?

はい。まず、「父の日」の対応期間であっても常識の時間内に業務を終え帰宅できるようになりました(笑)。受注した商品は弊社の工場から出荷しているのですが、伝票を印刷するところまでほぼ自動でできるようになったのはかなり大きいです。

また、ネクストエンジンのアプリを活用し、細かな部分での自動化も進められています。具体的には、カスタムデータ作成アプリ・自動受注処理AWSアプリを活用しています。自分たちのやりたい運用に合わせてネクストエンジンをカスタマイズできるのがいいですね。

さらに、受注から出荷までの間に手動で行う工程が格段に減ったので出荷ミスが減りました。人間の手が入れば入るだけミスが起きる確率が増えますから。

これまでは父の日だけが突出して売上が大きかったのが、現在は「おうち飲み」需要や「ふるさと納税」需要が1年通じて売上が増え、年間売上は前年と比べ1.6倍にまで増えました。同僚とは「こうなる前にネクストエンジンを導入しおいて本当によかったよね」「以前の状況だったらこの受注数に応えられていないよね」としみじみ話しています。

また、コスト面でも確実にメリットがあると感じています。これまでのシステムのままであれば確実に人員を増員しなければならなかったと思いますが、以前と同じ人数で対応できているのはネクストエンジンのおかげですね。

負担が減ってよかったです。空いた時間はどのように活用されていますか?

空いた時間はこれまでは余裕がなくてできなかった効率的な運用方法の検討と、実装のための時間に充てることができるようになりました。ただ受注処理に追われていたのが、よりよくするための考える時間が取れるようになったのは嬉しいですね。アプリの設定や開発を行うなど、さらに自動化に向けた仕組みづくりができていると思います。

今後さらに強化したいところや、課題はありますか?

実は2017年、弊社にワークライフバランスのコンサルティングに入ってもらったんです。今後社員のワークライフバランスをどのように実現するかの検討と改善を重ねています。そんな中ではありますが、我々ECの部署はいまだに社内でも残業の多い部署として指摘を受けている状況です。

残業を減らしワークライフバランスを実現するためにも、ネクストエンジンをより一層活用し効率化をはかることが重要と考えています。将来的には「ボタン一つ押せば、全部の流れが自動で行われ、出荷までされる」という状況を目指しています。そこに近づくためのアイディアを小さなことからでも出していこう、と業務部内で試行錯誤しているところです。今進めている内容としては、伝票を毎回印刷して渡すのではなく、受注したらすぐに梱包の担当者にPDFで送られる仕組みの開発です。将来的には全自動で梱包までできるようになるといいですね。

会社全体の課題としては、弊社の販売比率がECを除くと5割が地元での売上であること。地ビールの会社は全国にありますが、地元で50%以上消費されている会社は少ないのが現状です。弊社はもともと地元重視の方針だったこともあり、地元には強い一方でそれ以外の地域に向けた施策をまだ伸ばす余地があるなということは課題だと感じています。

2年前に缶の工場を作りましたので、瓶よりも輸送コストを減らすことができる体制が整いました。今後は関東から関西にかけて出荷先を広げていき、ゆくゆくは本場ドイツへの輸出を行い、海外でも飲まれるようになるといいなと思います。

取材を終えて

2~3人で15,000件以上の受注(!)をこなしていたということで、その大変さは想像を絶するものだったと思います。ネクストエンジンを導入頂いたことで、今後は半自動から全自動に向けた仕組みづくりと並行して日本全国・そして世界中への販路拡大を目指して頂ければと思います。世界中でベアレンビールが飲めるようになる日が来るのが楽しみですね!

※本記事の内容は2021年1月21日時点のものです。