- BEFORE
-
- 受注増に対して人海戦術では追い付かず現場はパニックに
- 在庫ズレが発生して欠品ラッシュが発生
- AFTER
-
- リアル店舗とECの在庫も一元管理
- WMSもスムーズに導入し、商品管理が楽々
リアル店舗とECを一元管理!在庫のズレを解消し、手間も減少!新たな挑戦に人材投入へ
京都府舞鶴市で「地方にも本物を」をキャッチコピーに衣類の販売を行う株式会社ウッディーハウス様は、リアル店舗8店舗での販売に加え、楽天・Amazon・3つの自社サイトを展開しています。モール間の在庫連携はもちろん、リアル店舗の在庫も全て一元管理を行っているのが特長です。そんな株式会社ウッディーハウスではどのようにネクストエンジンを活用されているのでしょうか。代表の志摩幹一郎様にお話をお聞きしました。
志摩様はウッディ-ハウスをどのような想いで立ち上げたのでしょうか。
もともとは大阪の百貨店でサラリーマンをしていたのですが、ある時地元に戻って父親の着物屋を継ぐという話が出ました。とはいえ、自分は着物の知見がなかったので自分がやれる商売かつ着物のように身に着けるもの……ということで洋服屋をやることにしたのです。当時、地元舞鶴に良いセレクトショップがなかったこともあり、「舞鶴にも良いものを集めたお店を開きたい」と、「地方にも本物を」をキャッチコピーに1999年に会社を立ち上げ、出店しました。
EC販売を始めたのはどのような経緯からでしょうか?
2012年に楽天に出店し、EC販売を始めました。当時、舞鶴のお店1店舗と、別形態の2店舗の運営が順調に拡大しており、3店舗目を出そうと考えていたところでした。もう1店舗を出す場所はどこにしようか……そんなことを考えていた際に卸先のメーカーさんから「ECはすごく売れるらしい」と聞いたのです。当時うちが2店舗で2億5,000万円くらい売れていたので、「いくら売れると言ってもECがリアル店舗に敵うわけない」とそれを聞いたとき思ったのですが、よくよく聞くと「ECサイト開設1年目で1億円売り上げた。翌年は2億円を突破しそう。」と言われ、そんな勢いで伸びるなんてECってどんなパワーがあるんだろう?と強く興味を持ちました。即座に新たな店舗出店を取りやめ、ECを始めてみることにしたのです。
ECサイト開始と同時に、株式会社タスネットの「パワクラ」というPOS系サービス在庫管理システムを使い始めました。それにより全ての商品にバーコードをつけて、販売時にはバーコードを読み込むことで在庫をきちんと管理するという体制を作ることができました。ただ、この時点ではECとリアル店舗での在庫連携はできておらず、リアル店舗に全ての在庫を置き、オンラインで売れたらそこからピックアップして配送する、という形でした。
ネクストエンジンを導入した背景を教えてください。
楽天に参入した1年後にAmazon、そしてポンパレ、自社サイトとECサイトを増やしていったのですが、しばらくはモールごとの運営管理をしていました。当時は圧倒的に楽天が売れており、それ以外のサイトはそこまでではなかったのでバラバラでも人海戦術でなんとかまわっていたのです。しかし、2016年くらいからAmazon、自社サイトがどんどん売れ始め、人海戦術では追い付かず現場はパニックに陥るようになりました。
当時、「パワクラ」と合わせてモールをまたいで在庫管理をしてくれる他社サービスを導入していたのですが、相性が悪いのかなぜかいつも微妙に在庫がずれることが起きていました。その結果、在庫がもうないのに販売してしまうなどして、欠品ラッシュが起きていたのです。
そこで2018年に「パワクラ」の担当者の方に相談し、ネクストエンジンを紹介してもらいました。ネクストエンジン導入後はモール間の連携も在庫がずれることなくできますし、受注管理機能も備わっていますから、一元で管理ができます。「これだったらいけるな」とすぐに確信しました。以前のサービスでは別々の端末から在庫を調整すると、反映されるのに時間がかかってしまい、在庫がずれてしまうことがあったのですが、ネクストエンジンではタイムロスなくすぐに反映されるのもスムーズに進むようになった理由ですね。「パワクラ」とネクストエンジンを連携することで、ECサイトで販売する在庫とリアル店舗の在庫まですべてを一元管理できるのが、どちらもやっている弊社にはとてもありがたいです。
ECサイトとリアル店舗での在庫連携には独特の難しさがあるのでしょうか。
リアル店舗とECサイトの在庫連携を行うことに決めた当初は、現場から「お客様に商品を勧めている接客の途中にECサイト上でその商品が売れてしまって欠品になったらどうするんだ」という声もありました。社内的にかなり大きな反対だったので僕自身も強引に踏み込むことができなかったのですが、ちょうどコロナ禍により店舗の一時休業のタイミングと重なったのでこれはチャンスかもしれない、と。店舗が閉まっている間であれば店舗とECサイトで同時に売れてしまうことはありません。
リスクがないタイミングだと判断し、リアル店舗とECサイトの在庫連携を進めました。その後店舗が開いてからも「ECサイトで売れた瞬間にレジからレシートが出て在庫が減ったことがわかる」ということで、混乱なく運営することができています。また、「最悪どこかの店舗から在庫を行き来させることが出来る」「ECサイト上には『店舗でも販売中のため同時に売れてしまうことがあるのでご了承ください』と表記する」など運用を確立していくことで、現在ではよりスムーズに在庫連携を行うことができています。
課題と感じていた「在庫連携」以外で、ネクストエンジン導入後に変化はありましたか?
ネクストエンジンは様々なシステムや他社サービスとの連携の相性が良いと感じています。コロナ禍の少し前のタイミングで会社の規模が大きくなりつつありましたので倉庫を新設したのですが、在庫の保管場所が大きくなったことによりどこにどの商品があるのかを管理しきれなくなったことがありました。対策としてWMSを導入することにしたのですが、そのシステムとネクストエンジンの相性も良く、非常にスムーズに導入でき、かつ商品管理がとてもしやすくなりました。倉庫の新設とWMSの導入をコロナ直前にやっておいたことで、コロナ後の受注増に対してもスムーズに在庫のスペースを有効活用することができたと感じています。
コロナの影響で、リアル店舗は舞鶴地区以外の5店舗が一時休業を余儀なくされました。普通に考えれば経営としては大打撃なのですが、結果としてECの売上が2020年5月には前年比130%~140%ほど増え、リアル店舗の売上減を含めても会社全体で業績は31%ダウンで踏みとどまることができました。店舗の一時休業中に店のスタッフがSNSでお客様とつながりECへの送客をしてくれたことにより、普段はリアル店舗で買い物をする方がECで購入してくれたのです。6月以降は、売上が前年比を上回り続けることができました。
ECの売上増に伴い、人員は発送をしてくれるパートさんを2人増やしたほどです。在庫管理にかかっていた手間は大幅に減りましたので、パワクラとネクストエンジンを導入した以降は逆に人員削減をしてもいいくらい楽になりましたね。
バックヤード業務が減ることで、会社としても新しいことにチャレンジできることが増えました。現在ではクラウドファンディングやZOOMでの接客、ライブコマースなど、新しいチャレンジに人員を配置することが出来るようになり、社員は以前よりイキイキとしている印象です。
ネクストエンジンのちょっと変わった活用方法かもしれないのですが、自分は管理している情報を出店計画に活用しています。ECはどこの地域から多く買われているのかのデータを見ていると、リアル店舗でお買い物をしてくれるお客様はECサイトでもたくさん買い物をしてくれているということがわかりました。そして、現時点でECサイトの売上が最も大きいエリアはリアル店舗のある地域。ということは、その地域にリアル店舗を出店してもうまくいくのではないか?そんな仮説が立てられるんですよ。
今後どんな事業展開を描いていますか?
これからはリアルとECの境界線のようなものがなくなり、融合して絡まりあっていく流れが来ると考えています。「ネットだけでビジネスをする」「リアルだけで勝負する」という感覚は捨て、1つの会社としてどちらもリンクさせていく必要があるんです。そこにライブコマースや動画配信などのライブ感も必要になってくるでしょう。そうしたものも取り入れるときっと海外での売上も見込めるはずです。
とはいえ、「テクノロジー進化に遅れずに、ただECをやればいい」ということではなく、リアル店舗でもあるような店員から醸し出される「人間クサさ」が売上のポイントになると考えています。「人間クサさ」とは、通りすがりのお客様全員に「タイムセール実施中です~」と声掛けするのではなく、1to1のメッセージでお客様が「私だけのために言っているな」と感じるようなお声がけのことです。AIやロボットにはできない、「人間にしかできないこと」がよりクローズアップされていくのだと思いますね。それをいかにEC、ライブコマースや動画配信などでお客様に伝えられるかどうかだと思います。
その証拠として、コロナ禍によりECの売上が伸びている現在でも、弊社ではリアル店舗の売上も伸びているんです。お客様はやはり店員とのコミュニケーションを求めている。そうした、テクノロジーと人間クサさが企業としてフィットできる形を作ることが出来ればもっと可能性が広がっていくと思いますよ!
取材を終えて
「リアル店舗にこだわる」「ECサイトだけで勝負する」といずれかに照準を絞るのではなく、これからは境界線なくどちらも融合させていくことが重要だと語ってくださった志摩様。つい、「取捨選択しなければ」と考えてしまいがちですが、どちらにも良さ・デメリットがあることを踏まえ、在庫連携やPOSシステムでの連携を活用しながら最適な融合を模索する姿は目からうろこでした!
※本記事の内容は2021年3月12日時点のものです。
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