楽天SOY受賞!未経験からのEC事業を大躍進させた「先見の明」

会社プロフィール
アパレル・ファッション
POINT
BEFORE
  • 先の多店舗展開を見据えてEC運営フローを構築
AFTER
  • 多店舗展開・販路拡大をしてもコストはそのまま
  • データを有効活用してマーケティング施策を実行

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2021」で「SOYキッズ・ジュニア部門」を初受賞した徳島県の老舗アパレルメーカー丸久株式会社様。EC事業では「ever closet」というブランドで主に子供服を販売しています。入社2年目ながらEC事業の立ち上げを任され、事業拡大を進めてきたのが事業開発室EC事業チームの平石恵梨佳さんです。実は代表取締役社長の娘である平石さん。EC事業立ち上げ期に重視したこと、ネクストエンジンの導入を決意した理由などについてお話を伺いました。

2021年度「SOYキッズ・ジュニア部門」の初受賞!

―まずは2021年度「SOYキッズ・ジュニア部門」の初受賞おめでとうございます!

ありがとうございます。ECを始めた4年前からずっとSOYの受賞を目標にしていたので純粋に嬉しかったですね。がむしゃらにやってきたことを評価していただけたんだなぁという達成感があります。

今回SOY受賞できたのはメーカーである強みを大切にして意識してきたからだと思っています。私たちのようなメーカーの強みは自分たちで品質コントロールができることです。お求めやすい価格を実現しつつ、品質もコントロールすることで毎日着て頂けるものを作ることができるのはメーカーだからこそ。それがリピートにもつながっているのだと思います。

その強みを最も具現化できたのが累計31万枚売れた「スカッツ」です。スカートとレギンスが一体になっている商品で、企画から少しずつ育ててきた商品でもあります。少しずつ「キッズのパンツ部門でランキング入りした!」「レビューが1,000件もついた!」といった喜びを積み重ねていった結果、現在では売上を支えるモンスター商品となり、「ever closet」というブランドを知って頂くきっかけにもなっています。とはいえ、まだまだ社内ではクライアントの発注を受けて制作するBtoB事業が大きな売上の割合を占めています。今後はEC事業をもっと伸ばして、会社に利益貢献できるようにしていきたいですね。

新入社員として入社後、すぐにEC事業を担当

―平石さんは入社2年目ながらEC事業の立ち上げを任されたとのことで、入社時からEC事業を意識された働きをしていたのでしょうか。

いえ、入社時は全く考えていませんでした。入社1年目はBtoB部門にいたのですが、大手家具メーカーへの営業で衣類の取り扱い開始を実現することができたんです。その功績もあって、2年目でEC事業の立ち上げをやってみないか?と声をかけてもらいました。それに加えて、当時は大学卒業後ビジネススクールでファッションビジネスを学び、一番意欲的な時期でもあり、自分ができることを前のめりに攻めていこうという気概もあったことを評価してもらえたのだと思います。

―とはいえ、未経験でEC事業を立ち上げるのは大変だったと思います。最も苦労したことは何でしょうか?

立ち上げ当時は私1人でブランディングの方向性を定め、それが決まってからメンバーがジョインしたのですが、最初は何から始めて良いかわからなかったことですね。

―社長であるお父様からのアドバイスなどはなかったのでしょうか?

父からは直接的な言葉をもらうことはなかったのですが、「他社を見てよく学びなさい」ということはよく言われていました。「自分の世界に入ってしまったり、自分のチームだけで考えたりしたことが正しいかはわからない。外に参考例がたくさんあるんだから良く見なさい」と。

そこで、まずEC事業を行っている会社さんにヒアリングをして他社の事例を学ぶことから始めました。一番気になっていたのはバックヤードです。実は大学時代、アルバイトでECの仕事に関わっていたことがあるのですがとにかくブラックで。過労で両鼻から同時に鼻血が出るくらいきつかったんです。その時の経験で、自分が立ち上げるECは何があっても「運営効率のよいブランド」にすることは決めていました。

―そういった経験も活かされているのですね…!他社さんに話を聞く中で一番役立ったことはどのような話でしたか?

効率の良いブランドにするために重要なバックヤードのシステムは何を使っているかです。お話を聞いた会社がネクストエンジンを使っているという話を聞いて、弊社にマッチするのでは?と興味を持ちました。価格が明確だったこと、画面が見やすかったことも良かったですね。

弊社は敷地内にある土地に建てた倉庫を活用し、自社物流をすることを決めていたのですが、他のシステムだと物流システムがマッチしないことが課題でした。でも調べるにつれて「ネクストエンジンなら理想が実現できそう」と思ったんです。当初から多モール展開をする予定だったのですが、ネクストエンジンはその展開を見据えてもスムーズに管理が出来そうなのも魅力でした。

特に、出荷時に人の目で確認するのは非効率で避けたかったので、基幹システムはネクストエンジン、在庫管理はロジザードを使用し、それを各モールのシステムと連携することにしました。現在ではピッキングから梱包までの移動でロボット導入を検討しており、極力人間の移動で時間を取られてしまうことのない環境づくりを進めています。

―立ち上げの段階から他モール展開を視野に入れた動きをしていたのですね。

はい。いずれは自社サイトも運営することも決めていました。そのため、立ち上げの段階から一元管理ツールが必要だと他社さんの話を聞いて感じていました。やはり売上を立てるためには、1つのモールだけではなく多モール展開がマストだと思っています。

―かなり先々まで見据えた戦略が素晴らしいですね。EC事業の立ち上げとともにネクストエンジンを導入したことによるメリットはありましたか?

商品マスタをすべてのモールで共通のものにしておくことができたのは本当に良かったと思っています。多店舗出店後にバラバラの商品マスタを統一するのは大変だと思いますし、これによって全モールを合計した集計が容易にできています。弊社の場合は先を見据えて初期から導入する判断をしたという感じです。

また、思いがけず大活躍し、運営上のキモとなっている機能もあります。領収書の発行アプリや伝票を条件ごとに分割してくれるアプリがそれに当たります。子供服という商品の特性上、薄い梱包になることから、宅配便で1つにまとめて送るよりも、メール便などで分割して送った方が安いこともあるんです。その際に伝票を分割する必要があるのですが、ネクストエンジンのアプリはこの作業も効率化してくれます。立ち上げる際には考慮になかった運用上の課題も、ネクストエンジンを予め導入していたからこそ簡単に解決することができました。

そして何よりも、コストを増やさずに多店舗展開をすることができたのは事業拡大にとって大きかったと考えています。新たに出店して販売の面を広げた時、仮に運用コストが増えなければ、新たな店舗の売り上げはそのまま利益ですよね。最初から大きな売上を目指すのであれば、やはり多店舗展開をしないといけないですから、先を見据えた上でおこなった導入の判断は間違っていなかったと思います。

EC事業をスケールさせるための考え方とは

―最初から多店舗展開を見据えていたとのことですが、どのように展開を進めていったのでしょうか?

まずは2017年12月に楽天のテスト販売を開始、その後Yahoo!ショッピングをオープンしました。さらに、オファーを頂き、ZOZOTOWN とshop-list.com、Pay Payモールと増えていきました(ZOZOTOWN店は現在閉鎖)。効率的なバックヤードを意識しているとはいえ、多店舗展開をするとどうしても人が必要になります。現在、EC事業は6名で回していますが、あまりモール数を増やしすぎると現時点では負担がかかるわりに成果をあげることができません。そのためZOZOTOWNは閉鎖しましたし、Amazonには出店していません。さらなる多店舗展開はもう少し組織を整えてからにしようと思っています。

ECで利益を増やしていくためには、「同じ商品を、同じ人数で、どれだけ売ることができるか」が重要になると考えています。経費も変わらないのが理想ですね。売上が上がったとしても、同時にコストも上がってしまっては、利益は増えませんから。こうしたことを常に全体的に事業を見ながら考えています。

―モールは無理のない範囲で展開しつつも、やはり自社サイトは実現したいのでしょうか?

はい。お客様とコミュニケーションが取れる機会を増やしたいので、現在Shopifyで自社サイト立ち上げの準備をしています。Shopify連携ができることもネクストエンジンを導入した理由の一つです。ネクストエンジンと連携できれば人の無駄な作業をなくし、売上にコミットすることにとにかく注力できますから。

特に、一番重宝しているのは分析ができるデータが取れるところですね。たとえば全体の消化率を確認したり、クーポンの状況を確認したりすることができるので、商品情報から各商品の成績を確認することができます。

せっかくネクストエンジンを使うなら、このデータ分析の機能も有効活用すべきだと思いますね。ネクストエンジンを在庫連携だけのシステムとして使うのはもったいないです!

―今後の展望についてお聞かせください。

今後はSOYの常連店になりたいと思います!ただ、そのためには人材不足が課題です。どんなにやりたいことがあっても今の組織と人数ではできないこともありますから……。

さらに直近では計画中の自社サイトの立ち上げを実現させ、コラボ商品などで差別化してお客様とコミュニケーションできるモールになることが目標です。売上と利益を上げることはもちろんですが、「ever closet」でしかできないことを自社サイトを通じて実現していきたいと思います。