創業120周年を迎えたとよす株式会社様は現在、自社の「とよす公式オンラインショップ」を含め、3店舗でECを展開しています。今回、同社がネクストエンジンを導入した背景と効果などについて、営業部 営業企画課 課長 松本 孝平様にお話を伺いました。

ECの位置付けと開始時期をお聞かせください。

現在、当社の販売チャネルは百貨店や商業施設での直販、スーパーマーケットでの販売がメインで、このほかに問屋への卸しやECがあります。2011年に、柿の種専門店「かきたねキッチン」というブランドを立ち上げたのがECオープンのきっかけです。かきたねキッチンの立ち上げ当初は、店頭在庫が品切れ続出になるほどの人気を博しました。2年ほど経って、商品の供給が落ち着いてきたところで「かきたねキッチン」のEC展開の話が持ち上がり、2013年に自社ECサイト「とよす公式オンラインショップ」(以下、本店)がスタートしました。その後、販売拡大を目指して2015年に「Amazon」、2019年に「Yahoo!ショッピング」に出店しました。

かきたねキッチン ジアウトレット湘南平塚店

EC業務の流れを教えてください。

社内では受注管理と在庫管理が主な業務で、発送は当社の全商品を保管・出荷してくれる委託倉庫会社から行っています。倉庫側でピッキング作業がしやすいように、ピッキングリストは20件ずつにまとめて依頼をしています。この方法はネクストエンジン導入後も変わっていませんが、ネクストエンジン導入前は、出荷指示セット(納品書や出荷指示書、ピッキングリストなど出荷業務に必要な書類一式)の作成は各ショップごとに受注が20件溜まった段階で都度、行っていました。

ネクストエンジン導入により20件溜まった段階で各ショップごとに出荷指示セットを作成するのではなく、すべてのショップのものをまとめて注文締切を12:00とし、出荷指示セットの完了を16:00と時間で区切れるようになりました。以前は、通常時と繁忙期でピッキング作業にバラツキが生じてしまい、通常時では手持無沙汰という状況もありましたが、現在はピッキングを行う時間を決めることができたため、空いた時間を店舗運営の向上にあてるなど無駄な空き時間はありません。リソースを最適化できたと思っています。

ネクストエンジン導入後の運用フロー

ネクストエンジンの導入がリソース最適化につながったのですね。ネクストエンジンを導入しようと思われたきっかけもリソース不足でしょうか?

いえ、ネクストエンジンの導入が社内で持ち上がったのは、在庫管理の課題からでした。

当時、3店舗目をオープンする際「さすがに3店舗分の在庫管理は手間がかかるのではないか」という話が出ました。とりあえず、現状のまま3店舗の運営がスタートしましたが、案の定、在庫管理は大きな負担となりました。

弊社の場合、自社で製造している商品のため在庫は注文状況によってフレキシブルに対応することが可能ですが、季節商品などは「この期間中に何個販売する」という計画が基にあります。ECで100個販売となると「本店に80個」「Amazonに10個」「Yahoo!ショッピング」に10個という感じで在庫を振り分けます。その後、商品が売れる度に手作業で在庫の調整を行っていました。1商品なら大きな手間ではありませんが、商品点数が多いと在庫数の入力ミスや欠品の放置などが散見。工数も時間もかかってしまい、かなり煩雑な作業になっていました。

当時は私含め2名で運営していましたが、現場業務に掛かりっきりで追われる日々を過ごしていました。

今考えると、面倒な在庫管理を経験したからこそ、多店舗展開を最適化するツールの必要性を強く認識することができました。

多店舗展開を最適化するツールを探される中、ネクストエンジン以外の製品の比較・検討はされましたか。

どんな製品があるか程度のみで、詳細な比較・検討は行っていません。その理由のひとつは、当社の協力会社からの提案です。信頼している協力会社でしたから、その提案なら大丈夫という認識がありました。

もうひとつは、前述した倉庫会社でネクストエンジンを活用していたからです。当社以外にも、さまざまな通販に関する業務を手掛けている倉庫会社で、ネクストエンジンの使用感なども聞くことができました。身近で利用している安心感もあり、ネクストエンジンを導入することにしました。実際にネクストエンジンの運用をスタートさせたのは、2020年4月からです。

ネクストエンジンを導入して、どのような効果がありましたか。

<3店舗の在庫が連携し自動更新>
在庫数はネクストエンジンに登録しておくだけで、後はそれぞれの店舗で商品が購入されれば自動的に更新されます。これまでのように、手作業で在庫数を割り当てる必要がなくなり、在庫管理の負担は大幅に軽減されました。

<巣ごもり需要で注文数が倍増しても変わらず対応>
ネクストエンジンを導入したのがコロナ禍の真っ只中で、非常事態宣言が発令されるなか、当社も不安でした。しかし、巣ごもり需要の影響か、ECでの受注数は約倍に増加。繁忙期の受注は数千件にも及びます。ネクストエンジンがなければ、現在の受注数には対応できなかったと思いますので、非常にベストなタイミングでネクストエンジンを導入できたと考えています。

<受注件数は増えるも、EC運営スタッフは2人から1.5人に>
ECの受注業務に関わるメンバーは私を含めて3人になりましたが、現在、私は受注業務にはほぼノータッチ。本来行うべき業務の営業管理や、コーポレートサイトや新たな販促活動に注力しています。残り2名のうち1名は広報とSNSを兼任していますので、ECの業務は実質1.5人になりました。受注件数が増えても運営リソースは削減できています。

ほかに、便利だなと感じている機能などはありますか。

<住所の間違いなどを自動チェック>
ネクストエンジンに受注を取り込む際、自動的に行われるチェック機能が秀逸です。住所が間違っている、郵便番号と住所が合っていない、通信欄に特記事項が入っているなど、これまでは宅配便のシステムにデータを送付したときにエラーが出て分かる状況でした。この段階でのチェックや訂正は、送り状を作成する作業が止まってしまうため、非常に作業効率が悪いと感じていました。もちろん、カートの段階でも確認はできますが、アラートが出るわけではありませんので、すべて目視となります。
ネクストエンジン導入後は、取り込んだ段階で住所の間違いや特記事項をアラートで知らせてくれます。事前修正が可能になり、後作業の工数削減につながりました。

<納品書印刷日の自動指定が可能>
商品に指定された到着日に対しては、これまで店舗ごと目視で確認しながら納品書を印刷・出荷日指定をしていました。手作業での処理になるため発送もれなどのミスがないとは言えません。ネクストエンジンでは納品書印刷日を自動的に到着日から指定する機能があるため、そうしたミスを防止することができます。何よりも、作業を行う従業員の精神的な負担も軽減されました。

<商品マスタ機能で店舗ごとに商品名を変更できる>
ある店舗では商品名にお土産、人気、贈答、歳暮といったキーワードが入っています。しかし、それが納品書に出力されてしまうため、文字数が多いと出荷作業の現場から何の商品か分からなくなるというクレームがありました。ネクストエンジン導入後は、商品マスタによって店舗ごと納品書に出力する商品の名前を変更できます。これにより、出荷作業時に商品名で混乱することがなくなりました。

ネクストエンジンの先行ユーザーとして、ECの運営に悩んでいる企業に向けたアドバイスがあればお願いします。

自社のEC業務に手間や無駄を感じたとき、「EC業界の人たちは本当にこんなことをやっているだろうか?」と考えてみるといいかもしれません。当社の在庫管理もそうでしたが、困っている業務には何らか「助けてくれるツールがある」はずです。それが当社の場合はネクストエンジンでした。まずは、問い合わせてみることをおすすめします。

最後にネクストエンジンに対する期待をお願いします。

ITリテラシーが十分とは言えないため、サポートへ同じことを何度も聞いてしまったのですが、ネクストエンジンさんはその都度、丁寧に対応していただき大変助かりました。

ネクストエンジンさんは「かゆいところに手が届く」と感じる機能が多く、まだまだ我々が知らない機能もあるんだろうなと感じています。そんな中、カスタマー任せではなくコミュニケーションを取りながら仕事ができるというのは、本当に有り難いと思っています。

今回、当社の事例紹介がネクストエンジンさんのお役に立つのではあれば嬉しい限りです。また、他社様の事例も共有いただけると有り難いですね。その事例のなかで、新しい発見や気づきを得ることができれば、さらなる業務発展につながると考えています。引き続き、当社のサポートをよろしくお願いします。

※インタビューは2022年12月に行い、人員数等は取材当時のものです。

牛丼チェーン店「松屋」など、外食チェーンを多数運営する松屋フーズホールディングス様。シェアードサービスセンターでECモールの受注全般を管理されている薦田徹也様と、戦略事業部でECの販売戦略を担っている岩田幸恵様にお話を伺いました。

「牛めし」1本足→新商品を続々投入!スピード対応も後押し

楽天SOY受賞おめでとうございます!どのような点が評価されて受賞に至ったと思いますか?

松屋といえば「牛めし」。店舗では圧倒的に売れている商品なので、ECでは10年以上「牛めし」1本足での販売をしてきました。2年前くらいから商品ラインナップを増やすことを試み、「ロースかつ」や「カレー」などもメニューに加えてみたんです。これが思った以上にお客様から反響がありまして、大きな売上アップに繋がりました。
 
もう1つは、スピード対応。即日出荷はもちろん、売上とともにカスタマー対応の人員を増やし、即時対応を徹底しました。小さなことですが、レビューにちゃんと返信するなど、小さな積み重ねをしてきたことが、お客様からの支持に繋がっていると考えています。

倉庫連携をスムーズにし、1日の出荷を最大限にしたい!

ネクストエンジン導入前は、どんな課題を抱えていましたか?

昨年までは別の一元管理システムを利用していたのですが、倉庫との連携に課題がありました。具体的には、出荷データはある程度まとめてでないと倉庫に渡せず、昼頃に1日1回しか送れない。随時データを倉庫に渡すことができれば、本来なら1日5,000件ほど対応できるはずです。ところが、限られた出荷データしか渡せないので、1日3,000件しか出荷できない、という状況が起きていました。
 
出荷の限界値が下がるということは、売上を伸ばしていく上で大きな課題だと感じており、以前よりこのような課題を解決できるシステムを部内で検討していました。そんな中、ネクストエンジンの存在を知ることとなり、正式に導入が決まりました。

システム見直しで出荷効率大幅アップ。3名体制で月5万件を安定出荷!

ネクストエンジンの導入後は、どんな変化がありましたか?

出荷の効率が大幅にアップしました! 1時間当たりの出荷件数は、導入の前後で50件程度から80件程度と1.5倍以上になりました。即日配送も実現でき、現在は月5万件以上の出荷を、3名の受注処理担当で安定して回せています。もちろん売上も比例してアップしています。

導入の直後にAmazonで大きなセールがあり、1日あたり5000件前後の受注があったのですが、出荷データを何とか滞ることなく処理できたのはよく覚えています。以前のシステムではこのセールの受注をさばき切るのは厳しかったと思うので、導入しておいて良かったとその時痛感しました。

次なるチャレンジは定期購入

今後の展望があれば、お聞かせください。

コロナが収まるまでは、どうしても実店舗には足を運んでもらいづらい状況ですので、ECをさらに強化し、より多くの方に弊社の商品をお届けできればと思っています。特にチャレンジしたいのは定期購入ですね。お客様からのニーズは必ずあると感じていますし、売り方も時代の変化に合わせて変えていく必要があると思っています。

取材を終えて

徹底したお客様目線の取り組みによって、ECを拡大されている松屋フーズ様。たった3名で月5万件もの受注を捌いているとは驚きです。定期購入もぜひ実現して欲しいですね。

※本記事の内容は2021年2月19日時点のものです。

知育玩具「Morphun」を販売しているGlobal Leavolution Partners合同会社様は、卸売りと自社サイトでの販売に加え、Amazon・Yahoo!ショッピングの2つのモールでの販売を展開しています。2019年11月よりネクストエンジンをご利用頂き、オープンロジとの連携により、たった一人でECサイトの運営が実現できています。今回はどのようにネクストエンジンを活用されているのかを、代表の水谷穣様にお話をお聞きしました。

ネクストエンジンを導入しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

ご縁があって海外から知育玩具「Morphun」を輸入販売することになったのですが、実は私には別に本業があります。そのため、「Morphun」の販売にあまり時間をかけることはできないと思っていました。
本業で倉庫の立ち上げやサプライチェーンにも携わったこともあり、トラブルが起こるとどれほど面倒になるかということも経験から理解していたんです。

倉庫業務って、軽く考えている方も多いですけど、自分でやろうとすると結構難しいし、リスクがあるんですよ。そのため過剰在庫、誤出荷、在庫ロスによる販売機会の喪失など、トラブルに繋がる要素をどれだけ予防できるかどうかを非常に重視しており、自社サイトでの販売開始にあたり倉庫業務は外部委託をすることが前提でした。

最初はERPソフトのEC機能を使用して自社サイトを立ち上げたのですが、その後Amazonでの販売も始めることになって。当時はERPソフトから吐き出したCSVを オープンロジに取り込んで出荷指示をしていました。クリスマス、年末の繁忙期を控えていたこともあり、同じ作業をAmazonでもやる必要があるのは結構面倒くさいなと感じたんですね。

そこで、マルチチャネルで出荷の指示や在庫管理ができるものはないかなと思っていたときに見つけたのがネクストエンジンでした。価格もちょうどよかったので、自社サイト運営をERPソフトからShopifyに切り替えることを決めたタイミングで導入を決意しました。

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自社サイトをShopifyに切り替えたタイミングで、ネクストエンジンとShopifyの連携機能が無料化されたのもあって(2020年1月、ネクストエンジンではShopify連携アプリを完全無料化しました)導入の追い風になりました。

ネクストエンジンを導入してみていかがでしたか?

受注から出荷まで全部自動化しています。残っている業務は手入力で行わないといけない経理処理と、入荷した商品が外装箱の状態で保管してあるのをバラすなど、在庫に関するオープンロジを通した倉庫への細かな指示業務は発生します。ですが、全て合わせて「月に1時間くらい」ですね。
ネクストエンジンは設定をきちんとして、問題をつぶしておけば勝手にやってくれるのでとても楽です。日常オペレーションに関してはほとんど何もしなくていいので、私のように本業があってEC運営にかかりっきりになることが難しい場合にも良いですよね。

費用対効果はいかがですか?

受注件数は400件未満なので月額10,000円、年間120,000円かかっていますがリスク回避策として考えると高くないと思っています。自分たちだけで無理やりやろうとすると誤出荷の恐れもありますし、在庫管理だってエクセルでやっているとどうしても数が合わないことがあります。その結果、売り逃しや、受注したけど在庫切れだったといったトラブルが起きてしまうことがあります。そうしたトラブルへの対応は、たとえ時給1,000円で考えたってかなり時間を取られますし、相当な費用になってしまいます。そうした「隠れた費用」を抑えるためにも非常に有効だと思いますよ。

※2023年5月以前の料金になります

今後はMorphunをどのようにしていきたいですか?

今後はもっと売上を上げるべく、認知拡大をしていきたいと考えています。これまでMorphunは幼稚園で購入していただくことが主だったのですが、最近は個人で買ってくれるお客様が増えていますので、もっと様々な購買層を開拓してブランドとしての厚みを出していきたいですね。そのためには広告も効果的に活用していく必要があると思っているのですが、出荷オペレーションと違って、広告やマーケティングには「こうすればうまくいく」という正解がありませんから、日々試行錯誤しています。

ネクストエンジン導入後、「EC運営をほぼ自動」にすることでできた時間は何をされていますか?

実は「Morphun」の事業にほとんど手間がかからないので、さらに違う事業を最近始めました。Instagramで野菜を販売する事業なのですが、こちらはECサイトと違って手探りで手間がかかる事業です。そういうことにもチャレンジできるのは、「Morphun」の事業が月1時間程度の稼働で問題なくまわるほど効率的だからかもしれませんね。

水谷様の取り扱っている「Morphun」はイギリスの会社が製作している知育玩具。「自分で学ぶ力」を養うことができる「STEM教育」の考え方を養うことができ、幼稚園で遊んでいる様子を見た親御さんが「家でも遊ばせたい」と購入を求めることからECサイトへの需要も高まっています。需要増の中でもたった一人で月に1時間だけでECでの販売ができるのは徹底した効率化のおかげ。さらに新たな事業に進出できる余裕を生み出す仕組みづくりは、参考になるのではないでしょうか。

※本記事の内容は2020年9月15日時点のものです

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